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食物繊維をとりすぎるとどうなる?1日の摂取量の目安やおすすめの食べ物とは?

公開日:2025.07.19 更新日:2025.08.04

食物繊維をとりすぎるとどうなる?1日の摂取量の目安やおすすめの食べ物とは?

文:郡元 奈識/管理栄養士

多くの人は「食物繊維=体に良いもの」というイメージを持っているのではないでしょうか。実際に食物繊維は腸内環境を整えたり、便通を改善したりと、さまざまな健康効果が期待できる栄養素です。しかし「体に良いから」といって極端にとりすぎると、かえっておなかの不調や、栄養の偏りを招いてしまうことも。

この記事では食物繊維の基本的な働きやとりすぎによるリスク、1日の目安量やおすすめの食材を、管理栄養士の視点で詳しく解説していきます。ぜひ日々の健康管理の参考にしてくださいね。

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食物繊維とは?

食物繊維をとりすぎるとどうなる?1日の摂取量の目安やおすすめの食べ物とは?

食物繊維とは、「人の消化酵素で消化されずに大腸まで達する食品中の成分」のこと。炭水化物の一種ですが、エネルギー源にはならず、主に腸内環境を整える役割があります。

食物繊維の種類

食物繊維には、主に2つの種類があります。

・水溶性食物繊維:
水に溶ける性質を持ち、腸内でゲル状になって糖や脂質の吸収をゆるやかにする働きがあります。血糖値の急上昇やコレステロールの吸収を抑えるため、生活習慣病の予防に役立ちます。・不溶性食物繊維:
水には溶けず、水分を吸ってふくらむ性質があります。腸を刺激してぜん動運動を促進し、便通をスムーズにする作用があります。

多くの野菜や豆類、穀類、果物、海藻類に含まれています。2種類の食物繊維をバランス良く摂取することが大切です*1。

食物繊維の健康への影響

食物繊維は、以下のようなさまざまな健康効果が期待できます。食物繊維を含む食品で、特定保健用食品(トクホ)として認められているものも多くあります。

・便通の改善:不溶性食物繊維は便のかさを増やして排便を促進し、水溶性食物繊維は腸内の環境を整えて便をやわらかくします。・血糖値のコントロール:水溶性食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにするため、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があります。・コレステロールの低下:水溶性食物繊維は、コレステロールや胆汁酸(たんじゅうさん)を吸着して排出する働きがあり、LDL(悪玉)コレステロールの低下に役立つとされています。

・腸内フローラの改善:善玉菌のエサとなることで腸内環境を整え、免疫力アップや肌荒れの予防などにつながります。

食物繊維をとりすぎるとどうなる?

食物繊維をとりすぎるとどうなる?1日の摂取量の目安やおすすめの食べ物とは?

近年の日本人の食生活では、食物繊維は不足している傾向にあります。特に若年層では、野菜や豆類、海藻などの摂取量が減っており、1日あたりの摂取量が、目標値に届いていない人が多いようです。

しかし健康志向の高まりとともに、サプリメントや特定の食品を利用して、意識的に食物繊維を多くとっている人もいます。その場合は「食物繊維のとりすぎ」による影響に、注意が必要です。

過剰摂取による消化器系への影響

食物繊維を必要以上にとると、以下のような消化器系のトラブルが起こることがあります。

・便秘の悪化:特に不溶性食物繊維を多くとりすぎると、便の水分が少なくなって硬くなり、逆に排便がしづらくなることがあります。・腹部の膨満感やガス:水溶性食物繊維は腸内で発酵してガスを発生させるため、大量に摂取すると、おなかが張って苦しくなることがあります。・下痢・腹痛:一度に多量にとると、腸内環境が乱れて下痢や腹痛につながることも。

過剰摂取のリスクを避けるためにも、食物繊維は「一度にたくさん」ではなく、「毎日こまめに」とることが大切です。

栄養素の吸収阻害とその他のリスク

食物繊維は有害物質の排出を助ける反面、大切なミネラルも一緒に排出してしまうことがあります*2。特に問題となるのは、以下のようなミネラルです。

・鉄
・カルシウム
・亜鉛

過剰な食物繊維が、これらの吸収を妨げてしまうことがあります。特に成長期の子ども・妊婦・高齢者など、よりミネラルが大切なライフステージにいる方は注意が必要です。

食物繊維の1日の摂取量目安

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の摂取目標量を以下のように定めています*3。

・18~29歳の男性:20g以上
・30~64歳の男性:22g以上
・65歳以上の男性:21g以上
・18~29歳の女性:18g以上
・30~64歳の女性:18g以上
・65歳以上の女性:17g以上

現在の日本人の平均摂取量は、おおよそ14g前後で、目標値を大きく下回っているのが現状です*4。目安量に到達するためには、意識的に食物繊維を含む食品を取り入れていく必要があります。

食物繊維をとるためにおすすめの食べ物6選

日々の食事に取り入れやすく、食物繊維をしっかりとれる食品を6つ紹介します*5。

1. ごぼう(約50gで約2.9gの食物繊維)

不溶性食物繊維が豊富で、腸の運動を活発にし、便通改善に役立ちます。きんぴらや味噌汁の具にすると食べやすいですよ。

2. りんご(中1個約250gで約4.8gの食物繊維)

水溶性食物繊維の「ペクチン」が腸内環境を整えます。皮ごと食べると、不溶性食物繊維も同時にとれます。

3. こんにゃく(1/2枚約125gで約2.8gの食物繊維)

水溶性食物繊維の「グルコマンナン」が含まれており、満腹感も得やすいため、ダイエット中の方にもおすすめです。

4. わかめ(戻した状態で約20gで約1.3gの食物繊維)

わかめなどの海藻類には、水溶性食物繊維の「アルギン酸」が含まれており、コレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。​味噌汁やサラダに加えるのがおすすめです。​

5. おから(生100gあたり11.5g)

大豆由来の不溶性食物繊維が豊富で、たんぱく質も同時にとれます。ハンバーグや炒り煮など、幅広く活用できます。

6. オートミール(30gあたり2.8g)

水溶性・不溶性食物繊維の両方を含み、朝食やおやつに取り入れやすい食材です。ヨーグルトや豆乳と合わせると、腸活にもつながります。

まとめ

食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、生活習慣病の予防にもつながる重要な栄養素です。しかしとりすぎると、消化器系への負担やミネラルの吸収阻害といったデメリットもあるため、注意が必要です。

特定の食品やサプリメントを一度に多くとりすぎると、過剰摂取につながりやすくなります。食物繊維は、自然な食材を中心に「毎日ちょこちょこ、こまめにとる」が、健康維持のコツです。1日の摂取目標を意識して、バランスの良い食事から無理なく取り入れてみてください。

<参考文献>

*1 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「食物繊維の必要性と健康」

*2 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「食物繊維」

*3 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」

*4 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」

*5文部科学省「食品成分データベース」

郡元 奈識(こおりもとなつき)

郡元 奈識(こおりもとなつき)

企業勤務にて乳幼児食やアレルギー対応食、アスリート食などに従事し、独立。
現在は認可保育園で献立提案や食育支援を行いつつ、企業へのレシピ提供や商品開発にも携わっている。双子の育児経験を活かし、子育てママ向けにレシピや食育情報も発信中。

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