葉酸の効果とは?1日に必要な摂取量や効率的に取るポイントを解説
公開日:2025.07.21

文:もり ひろこ/管理栄養士
皆さんは葉酸という栄養素の名前を聞いたことがありますか?その名の通り、緑色の濃い野菜に多く含まれている葉酸の効果や摂取する際のポイントについて紹介していきたいと思います。
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葉酸の効果とは?
葉酸を摂取することで、得られる効果は多岐にわたります。ここではその効果について詳しく解説していきます。
先天性障害予防
葉酸は、胎児の正常な発育に欠かせない栄養素です。とくに妊娠初期の神経管(脳や脊椎の元となる部分)の形成に重要な役割を果たします。妊娠前から妊娠初期にかけて十分な葉酸を摂取することで、二分脊椎や無脳症といった神経管閉鎖障害のリスクを大きく減らすことができます*1。
貧血予防
葉酸とビタミンB12を適切に摂取することで、赤血球の生成が促進され貧血の予防につながります。葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血という特有のタイプの貧血が起こる可能性があり、妊娠中の女性や成長期の子どもにとって非常に重要な栄養素です。葉酸は赤血球の生成をサポートすることから「造血のビタミン」とも呼ばれています*2。
心疾患予防
葉酸は、血中のホモシステインというアミノ酸の濃度を下げる働きをもっています。このホモシステインが高い状態は動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスクを高めることにつながります*3*4。葉酸を十分に摂取することで、ホモシステインの代謝が正常に行われ、血管の健康が保たれやすくなります。
細胞分裂と成長促進
葉酸はDNAやRNAの合成に関わっているため、新しい細胞をつくるのに欠かせません。とくに、細胞の新生や分裂が活発な成長期の子どもや妊娠・授乳中の女性は十分な摂取が必要です*2*3。
葉酸の1日に必要な摂取量

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、葉酸の1日に必要な摂取量は、年齢や性別、ライフステージによって異なり、以下の量が推奨されています。
30~49歳 240㎍
授乳中 380㎍
なお、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性のある女性、妊娠初期の妊婦は胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために通常の食事に加えて、栄養補助食品などの「通常の食品以外」に含まれる葉酸を400㎍摂取することが推奨されています*1。
また、アルコールを多く摂取する人や、消化吸収機能が低下している人は葉酸の吸収率が悪くなる可能性があるため注意が必要です*5。一方で、葉酸は水溶性のため体に蓄積されにくいものの、ビタミンB12が不足している人では過剰に葉酸を摂取することで欠乏症の発見を遅らせる可能性もあるとされています。そのため、1日900㎍を超えて摂取すべきではないとされており、サプリメントなどで過剰に摂取することは気を付けたいですね*2。
葉酸を取るのにおすすめの食べ物4選

それでは、葉酸を取るのにおすすめな食材を紹介します*6。
緑黄色野菜
◇ブロッコリー・生(220㎍/100g) レンジ加熱がおすすめ
◇アスパラガス・生(190㎍/100g) 炒め物にぴったり
◇菜の花・生(340㎍/100g) 春の季節におすすめ
とくに、ほうれん草は加熱しても比較的栄養が残りやすく、鉄分や食物繊維も同時に取れるためおすすめです。また、生で食べられるサニーレタスや、加熱時間の短いモロヘイヤなども、熱に弱い葉酸を摂取するにはぴったりの食材です。
豆類
◇納豆(130㎍/100g) 朝食に取り入れたい
◇ひよこ豆・乾(350㎍/100g) サラダやスープに活用
◇レンズ豆・乾(77㎍/100g) 健康食材として海外では定番
◇きな粉(220㎍/100g) アレンジ自在
納豆は発酵食品として腸内環境を整える効果も期待できることから、日常的に取り入れたい食材です。最近では「サラダビーンズ」などのミックス豆製品もスーパーで購入できるので、サラダのトッピングにしたり、スープに加えたりすることで手軽に葉酸の摂取ができます。
動物性食品
◇鶏レバー・生(1300㎍/100g) 月に3回程度にしましょう
◇豚レバー・生(810㎍/100g) レバーのなかでは一番低脂肪
◇卵黄・生(150㎍/100g) 毎日1個を目安に
◇プロセスチーズ(27㎍/100g) カルシウムも同時摂取できます
レバー類は、葉酸が豊富な一方でビタミンAの含有量も高いため、妊婦さんは取りすぎに注意が必要です。チーズや卵にも葉酸は含まれていますが、含有量はそれほど多くないため、ほかの食材と組み合わせて取ることをおすすめします。
果物
◇アボカド(83㎍/100g) 栄養豊富
果物では、いちご、オレンジ、アボカドに含まれているため、間食やデザートに取り入れるとよいですね。とくにアボカドはビタミンやミネラル、良質な脂質も豊富で栄養価の高い食品です。
このように、葉酸を含む食品はさまざまです。実は飲み物からも摂取できます。葉物野菜に多く含まれる葉酸は茶葉にも含まれており、玉露や煎茶に多く含まれます。ただし、お茶にはカフェインも含まれているため、過剰摂取にならないよう注意が必要です。
葉酸を効率的に取るポイント
葉酸を効率的に摂取するためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
①加熱による損失を防ぐ
葉酸は水に溶けやすく熱に弱いという性質があります。調理することによって最大で50%以上が失われる場合もあるため*7、サラダ用野菜のような生食できる野菜を選んでみたり、電子レンジ加熱や蒸し調理といった加熱時間を短くできる調理方法がおすすめです。
②ほかのビタミンと一緒に摂取する
葉酸の代謝や吸収には、ビタミンCやビタミンB群などが関係しています。それらのビタミンを同時に摂取することで、葉酸が体内でより働きやすくなります。
③空腹時よりも食後に摂取する
葉酸は水溶性ビタミンですが、胃酸がしっかりと分泌している食後のほうが吸収率が高いとされています。サプリメントを飲む場合も、食後のほうが胃の負担も少なく、飲み忘れも防ぎやすくなります。
④アルコールを控える
アルコールは葉酸の吸収を妨げ、体外への排出を促してしまいます*5。葉酸を効率良く取り込むためには、飲酒を控えることも重要なポイントです。
⑤サプリメントの活用
食事からの摂取だけでは必要量に達しにくい場合や、妊娠を希望する方や妊娠初期の方には、サプリメントで補うのが有効です。妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間は、1日400µgの葉酸をサプリメントとの併用で補うことを推奨されています*6*8。
⑥食材の鮮度
葉酸は、時間の経過や熱、光によって分解される不安定な成分です。そのため、鮮度のよい食材を早めに使い切るようにすることが理想的です。生鮮食品を購入した後は、冷蔵庫や冷暗所で保管しておくと葉酸の損失を最小限に抑えられます。
まとめ
今回は「葉酸の効果とは」というテーマで1日に必要な摂取量や効果的に取るポイント、おすすめ食材について紹介しました。葉酸は、健康な体づくり、妊娠・出産のサポート、貧血や心疾患の予防などに役立つ栄養素です。とくに、妊娠を考えている方には葉酸の摂取を勧められることが多くありますが、一体どんな食材にどれくらい含まれているのか、ご存じなかった方もおられたのではないでしょうか。今回紹介した食材を毎日の食事にバランス良く取り入れて無理のない方法で葉酸を日常的に摂取していくことが健康維持への第一歩となります。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
<参考文献>
*1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書 ビタミン(水溶性ビタミン)」
*2 公益財団法人長寿科学振興財団「葉酸の働きと1日の摂取量」
*3 平岡真実. 次世代を担う皆さんに知って欲しい葉酸の話. 市民公開講座. 2018. 12号(12月), p.563-565
*4 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「今、注目を浴びている栄養素、葉酸の働きと疾患の予防効果について」
*5 厚生労働省「eJIME 葉酸塩」
*6 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年・ 第2章(データ)」
*7 村上恵ほか. 葉酸卵、ほうれん草およびアスパラガスの葉酸量に及ぼす加熱調理操作の影響. 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集. 2012, 64回大会
*8 厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」

もり ひろこ
特別養護老人ホーム、保育所給食、行政など、幅広い現場で20年以上に渡り、栄養士・管理栄養士・調理師として活動。現在は、管理栄養士として執筆、個人向け栄養指導などを行っている。栄養士・調理師・スポーツフードアドバイザー・上級食育アドバイザー・ふぐ調理師免許などの資格を保有。
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