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【便秘でお困りの方へ】自宅でできるストレッチと対処法を解説!

公開日:2025.08.24

【便秘でお困りの方へ】自宅でできるストレッチと対処法を解説!

文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)

「なんだかお腹がすっきりしない」「お腹が張って苦しい」というお悩みはないでしょうか。便秘は、多くの人が一度は経験する身近な悩みですが、放置すると体調不良や生活の質(QOL)の低下に繋がることもあります。お腹の張りや不快感だけでなく、肌荒れや集中力の低下なども引き起こす可能性があるため、早めに対策したい症状ですよね。

便秘になったら薬を飲むから良いという方もいますが、それは根本的な解決にはなりません。根本的な解決を目指すには、食事や運動、睡眠の見直しがオススメです。

そこで当記事では、便秘のためのストレッチと対処法を紹介します。ぜひあなたの悩みを解決するためにお役立ていただけますと幸いです。

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便秘の定義を簡単に解説

慢性便秘症診療ガイドライン2017では、便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。1)

また、便秘症はこれまでの疫学的データに基づき策定された国際基準であるRome IV基準2)というものに定義されていて、これに従って診断していくのが望ましいとも言われているのです。

具体的に便秘症の診断基準について、さらに詳しく解説します。
まず、以下の6項目のうち2項目以上を満たすものを「便秘症」と診断するとしています。

⑴排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある
⑵排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便(BSFS:ブリストル便形状スケールでタイプ1か2)である
⑶排便の4分の1超の頻度で、残便感を感じる
⑷排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある
⑸排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要である(摘便・会陰部圧迫など)
⑹自発的な排便回数が、週に3回未満である

また、6ヵ月以上前から症状があり、最近3ヵ月間は上記の基準を満たしていることを、「慢性便秘症」と定義されているのです。
しかし、上記の基準に当てはまっていない場合は必ずしも便秘と言ってはいけないという訳ではないので、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」が持続し、日常生活に支障が生じていれば便秘症と診断し、治療を行って良いとされています。

便秘になる原因

便秘は、生活習慣や精神的要因、さらには病気や薬の影響など、さまざまな要因によって引き起こされます。ここでは、代表的な原因についてご紹介します。

食生活の乱れ

食物繊維の摂取不足や水分摂取量の少なさは、便のかさが減り、腸の動きが鈍くなる原因となります。また、朝食を抜く、食事の時間が不規則などの生活習慣も、排便リズムを崩す一因となる場合も多いです。

運動不足

日常的な運動不足が原因で腸の蠕動運動(腸の動き)が低下し、便秘を引き起こすことがあります。また、腹筋の筋力低下などから腹圧を高めることができず排便困難になったり、骨盤底筋の協調的な運動困難が影響するケースもあるのです。

ストレス・自律神経の乱れ

ストレスや不安、生活リズムの乱れなどが自律神経のバランスを崩し、腸の運動や排便反射に影響を及ぼすことがあります。緊張しやすい方や睡眠不足が続いている方は、腸の動きが鈍りやすくなります。

病気による二次性便秘症

中には、病気による二次性の便秘の可能性もあるため注意が必要です。以下に、具体的な疾患名を紹介します。3)

● 内分泌・代謝疾患:糖尿病(特に自律神経障害を伴うもの)、甲状腺機能低下症、慢性腎不全(尿毒症)
● 神経疾患:脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)、多発性硬化症、Parkinson病、Hirschsprung病、脊髄損傷/脊髄病変(例:脊髄小脳変性症)、二分脊椎、精神発達遅滞
● 膠原病:全身性硬化症(強皮症)、皮膚筋炎
変性疾患:アミロイドーシス
● 精神疾患:うつ病、心気症(身体表現性障害を含む)
● 大腸の器質的異常:裂肛、痔核、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、直腸脱、直腸瘤、骨盤臓器脱、大腸腫瘍(特に腸閉塞をきたすもの)

上記のような原疾患がある場合には、まずは原疾患に対しての治療が優先されます。

薬の影響

便秘は、服用している薬の副作用としても起こることがあります。抗コリン薬、カルシウム拮抗薬、鉄剤、麻薬性鎮痛薬、抗うつ薬などが代表的です。薬が関係している可能性がある場合は、自己判断で中止せず、医師に相談するようにしましょう。

便秘に悩んだ時に取り組みたいストレッチ3選

便秘は、先ほど紹介したように蠕動運動が鈍くなることが原因の一つでした。そのため、簡単なストレッチを取り入れることで腸の動きを刺激し、排便を促すことをおすすめします。ここでは、日常生活に取り入れやすい便秘改善におすすめのストレッチを3つ紹介します。

ワニのポーズ

寝たまま行えるヨガのポーズで、腹部をねじり腸へ刺激を与えます。

⒈仰向けで寝ましょう。
⒉右膝を曲げます。

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⒊右膝を左へ移動させ、お腹からねじります。両手は肩の高さで横に広げ、できる方は目線を右手に向けましょう。

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ツイストストレッチ

お腹周りをねじり、腸へ刺激を与えましょう。

⒈仰向けで寝ましょう。両膝は立てた状態でキープします。

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⒉両膝を揃え、左右に倒します。

【便秘でお困りの方へ】自宅でできるストレッチと対処法を解説!

⒊お腹から捻る意識で行いましょう。

キャットアンドカウ

こちらもヨガでよく行うポーズです。背骨や骨盤周りを動かし、腸の動きを助けます。

⒈四つ這いの姿勢になりましょう。肩の下に手首、股関節の下に膝がくるようにセットします。

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⒉背骨を丸めていきます。お尻の穴を下に向け、腰骨、鳩尾の順に丸めていきます。

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⒊次に背骨を反らします。お尻の穴を上に向け、胸を上に向けていく意識です。

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⒋できる方は呼吸にも意識を向けていきましょう。息を吸いながら反らし、吐きながら丸めていきます。

便秘にならない体をつくるには?

食物繊維と発酵食品を積極的に摂る

特に原疾患がない場合、便秘を解消するために食生活を整えることは重要です。中でも食物繊維は、腸内の老廃物をからめ取って便として排出しやすくする働きがあると言われています。

水溶性食物繊維(こんにゃく、海藻、オートミールなど)と、不溶性食物繊維(ごぼう、きのこ、豆類など)をバランスよく取り入れるのが理想的です。

また、発酵食品(ヨーグルト、納豆、麹など)は腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを整える力があります。腸内環境を整え、便秘を解消したい方は毎日の食事を意識してみましょう。

水分補給をこまめに行う

体の水分が不足すると、便が硬くなってしまい、排便しにくくなります。特に、朝起きた直後や食事前後にコップ1杯の水を飲む習慣は、腸の動きを促進するのに効果的です。

また、冷たい水ではなく常温の水や白湯を選ぶと、内臓への負担が少なくおすすめです。 1日あたり1.5〜2リットルを目安に、無理のない範囲で水分をとるよう心がけましょう。

運動習慣をつける

腸の働きは、体を動かすことで活性化されます。運動不足は便秘の大きな原因のひとつです。 ウォーキングや軽めのジョギング、ストレッチなど、日常生活に取り入れやすい運動から始めてみましょう。

特に腹部周辺を使う運動を行うと、腸への刺激となり、排便をスムーズにする効果が期待できます。 毎日少しでも体を動かすことを習慣化することが、便秘になりにくい体づくりにつながります。

まとめ

今回は便秘の際に取り組みたいストレッチと対処法を解説しました。

便秘は単なる排便の不調にとどまらず、日々の集中力や肌荒れなど「生活の質(QOL)」にも関わる重要な問題です。

ストレッチや運動を行うことや、食生活を整えることで腸の蠕動運動を促進していけると良いでしょう。また、自律神経は腸の動きと大きく関係しているため、睡眠時間の確保やストレスを貯めない工夫も重要です。

日常のルーティンにストレッチを取り入れることで、血流も改善し、内臓の動きにも良い影響を与えます。便秘になる前から取り組むことで予防していきたいですね。
まずは自宅で隙間時間を利用し、小さく続けてみることをオススメしますぜひ当記事を参考にしていただき、あなたのお悩みを解決し、健康な身体を維持するためにお役に立てれば幸いです。

参考文献
1)日本消化器病学会編. 慢性便秘症診療ガイドライン2017. 東京: 南江堂; 2017.
2)Lacy BE, et al : Bowel disorders. Gastroenterology 150 : 1393-1407, 2016.
3) 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会編:慢性便秘症診療ガイドライン2017,南江堂,東京,2017.

EMI

EMI

大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_

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