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カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

公開日:2025.09.10

カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)

「股関節が硬くて開脚が辛い」「下半身がむくみやすい・冷えやすいのは股関節の硬さのせいかもしれない」このようなお悩みはありませんか。
股関節は、体の中でも特に可動域を確保したい部位で、日常生活の立つ・歩く・座るといった動きに深く関わっている関節です。しかし、長時間の座り仕事や運動不足などにより、少しずつ柔軟性を失ってしまう方も多いです。
股関節が硬くなると、腰や膝で代償して動くことが多く、腰や膝の痛みにつながることもあります。また、血行やリンパの流れが滞ることで、冷えやむくみといった症状が出るケースもあるのです。
そこで今回は、カエル足ストレッチというベッドや床の上で行える股関節ケア方法をご紹介します。股関節を緩め、骨盤まわりの筋肉や血流を整えることで、体にどんな良い変化が起こるのか? わかりやすく解説していきます。
日々のケアに取り入れていただくことで、股関節の柔軟性を高め、不調の予防や改善に役立てていただけたら幸いです。

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股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

股関節の柔軟性は、単に脚が開くかどうかといった可動域の広さだけの問題ではありません。体全体のバランスや姿勢の安定、血液やリンパの流れ、さらには肩こりや腰痛などの不調にも大きく関わっているのです。

股関節は身体の中心に位置しており、上半身と下半身をつなぐ重要な関節です。そのため、ここが硬くなると様々な不調の原因になる場合があります。

逆に、股関節が柔らかくなることで、全身に多くの良い変化がもたらされます。ここでは、股関節が柔軟になることで期待できる5つの代表的な変化について詳しく解説していきます。

むくみや冷えが起こりにくくなる

股関節の柔軟性が高まることで、骨盤内や脚の付け根の血流やリンパの流れがスムーズになります。

股関節周囲には、大腿動脈やリンパ節が集中しており、この部分が硬くなると血液やリンパ液の流れが滞りやすくなるため、冷え性や下半身のむくみに大きく関係します。

腰痛の予防になる

股関節が硬いと、本来股関節で行うべき動作(屈曲・伸展・回旋など)を腰椎や骨盤で代償しやすくなります。これにより、腰部へのストレスが掛かり、腰痛のリスクが高まります。
股関節の柔軟性を確保することで、歩行や立ち座りなどの日常動作をより効率よく行えるようになり、腰椎への過剰な負担を軽減できます。
また股関節の柔軟性だけでなく、股関節から動かすという感覚がご自身でわかることも重要です。腰ではなく股関節で動かせるようにすると腰痛の予防に繋がります。

膝の負担を軽減する

股関節の可動域が狭い状態で運動や歩行を続けると、膝の関節軟骨や靭帯に余計なストレスがかかり、痛みや違和感の原因となります。
股関節をスムーズに動かせるようになると、膝関節の動きも安定しやすく、膝周囲の筋肉もバランスよく使いやすくなるのです。

姿勢を改善しやすくなる

デスクワークや長時間の座位が多い現代人は、股関節が曲がった状態で固まりがちです。この状態が続くと、骨盤が後傾し、背中が丸まりやすくなります。
股関節を緩めることで、骨盤の前後傾や脊柱の配列が整いやすくなり、自然と正しい姿勢を維持しやすくなります。これにより肩こりや猫背の改善にもつながる可能性があるのです。
ストレッチだけでなく、ピラティスなどで筋肉を使ったり体の使い方や位置関係を学習するトレーニングも取り入れると効果的です。

リラックスしやすくなる

意外に思われるかもしれませんが、股関節を緩めるストレッチは副交感神経を優位にしやすいと言われています。
骨盤周囲には多くの自律神経の分岐が存在するため、骨盤・股関節周辺の緊張を緩めることで、自律神経のバランスが整いやすくなるとも考えられています。

股関節が硬くなる原因は?

では「なぜ股関節が硬くなるのか?」その原因を知ることが大切です。日常生活の習慣が、知らず知らずのうちに股関節の可動域を狭めているかもしれません。

ここでは、股関節の柔軟性が低下する主な原因を紹介していきます。

長時間の座位

座っている時間が長い生活は、股関節の柔軟性に影響を与えやすいと言われています。デスクワークや運転などで股関節が曲がった状態のまま固定されると、太ももの付け根や内ももの筋肉が縮んだ状態で固まりやすくなります。

さらに、座っている姿勢が長く続くと骨盤が後ろに倒れやすくなり、姿勢が崩れたり腰に負担がかかったりすることもあります。これらの影響が積み重なることで、股関節だけでなく全身の動きに影響が出ることもあるため、こまめに体を動かすことが大切です。

加齢・不動

加齢に伴い筋肉量や柔軟性が低下する傾向にあります。特に股関節まわりは、普段から意識的に動かさないと徐々に可動域が狭まりやすい部位です。

さらに、活動量の低下や、運動習慣のない状態が続くことで、股関節を大きく動かす機会が減ってしまいます。椅子に座る、横になっているといった同じ姿勢が長時間続くことにより、股関節の可動域が低下してしまうことが多いのです。

年齢を重ねても普段から動かしている方は、柔軟性を保てている方も多いため、意識的に動かしていくと良いでしょう。

怪我や炎症

過去に股関節や腰、膝などに怪我を負った経験がある場合や、関節内に炎症を抱えている場合(滑液包炎や変形性股関節症など)は、その影響で股関節の可動域が狭くなっていることがあります。

自己流でストレッチやエクササイズを行うと、かえって関節や筋肉を痛めてしまう恐れもあります。炎症が残っていたり、動かすべき範囲が明確でないまま無理に動かすことは、状態の悪化につながる可能性も考えられるのです。

そのため、怪我の既往や炎症が関係していると思われる場合には、無理に自己判断でケアを進めるのではなく、理学療法士や医師、または身体の動きに詳しい専門家に一度相談することをおすすめします。専門家の評価を受けた上で、自分の状態に合った適切な運動やケア方法を知ることで、より安全かつ効果的に柔軟性の向上を目指すことができるでしょう。

股関節を整えるカエル足ストレッチを解説!

ここからは、実際に自宅で行えるカエル足ストレッチの方法を、レベル別に紹介します。ベッドや床の上で無理なくできるポーズばかりなので、体が硬いと感じている方も安心して取り組めます。初級から上級まで紹介しますので、ご自身の柔軟性に合わせて行ってみましょう。

初級編:仰向けでのカエル足ストレッチ

まずは初級編として、仰向けで行う方法を紹介します。力を抜いてリラックスしながら、できるところから始めてみましょう。

⒈仰向けになり、両膝を立てます。

カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

⒉両足の裏を合わせ、ひし形を作るように膝を左右に開きます。

カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

⒊膝の重みを利用して、内腿がじんわりと伸びる感覚を感じましょう。

中級編:四つ這いでのカエル足ストレッチ

次に中級編として、四つ這いで行う方法を紹介します。初級編よりもかなり伸びる感覚が強くなるので、気をつけながら行いましょう。

⒈四つ這いの姿勢から足を外に開きます。

カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

⒉足首を膝の延長線上にセットし、足の裏を外に向けるようにします。

カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

⒊背中を丸めないようにしながら、お尻を後方にゆっくり引いていきます。

カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

上級編:四つ這い+前屈カエル足ストレッチ

最後の上級編として、中級編の四つ這いの姿勢に前屈を入れる方法を紹介します。より可動域が必要となるので、中級編ができた方は無理のないように徐々に進めていきましょう。

⒈中級編の姿勢から、両肘を床につき、上半身を前に倒します。

カエル足ストレッチで変わる!股関節が柔らかくなると得られる5つの変化

⒉深く前屈することで、内転筋や骨盤底筋へのストレッチ効果がより高まります。

まとめ

今回は、股関節を柔らかくするカエル足ストレッチについて解説していきました。股関節の柔軟性は、むくみ・冷え・腰痛・姿勢など、さまざまな体の悩みと関係しています。柔らかく保つことで関節の負担を軽減し、姿勢改善やリラックス効果も得られるなど、多くのメリットがあります。
今回紹介したカエル足ストレッチは、誰でも自宅で無理なく取り入れられる方法です。最初は初級編からはじめ、少しずつレベルを上げながら継続していくことで、股関節の可動域を確保し、日常の動きも快適になります。
ぜひ今日からストレッチを取り入れて、健やかで動きやすい体を目指しましょう。

EMI

EMI

大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_

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