【足のだるさを取る方法】仕事の合間にできるストレッチと日々のケアを紹介!
公開日:2025.10.07

文:EMI(理学療法士・ピラティスインストラクター)
「夕方になると足がパンパン」「毎日なんだか足が重だるい」というお悩みはないでしょうか。デスクワークの方で多いお悩みですが、その原因は主に血流不足が挙げられます。
むくみなどもあり、なんとかして解消したいという方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、足のだるさが出た時に取り組みたいセルフケアやストレッチを紹介します。ぜひあなたの悩みを解決するためにお役立ていただけますと幸いです。
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なぜ足がだるくなるのか?
特にたくさん負荷をかけた訳でもないのに、なぜ足がだるいのかと疑問に思う方もいらっしゃいます。実は、逆に動いていないことで足がだるくなっている可能性も高いです。
そこで、足がだるくなる要因の一部を紹介します。ここでは、特に病気などがなく医療的処置が必要ではないものの、慢性的な足のだるさがある場合のケースを紹介します。もし、何か症状や病気をお持ちの方や疑われる場合は、すぐに医療機関の受診を推奨します。
下肢の静脈血流うっ帯
足がだるくなる大きな要因の一つに、下肢の血流循環の低下があります。中でも重要なのが筋ポンプ作用と呼ばれる仕組みです。
私たちの体では、心臓から送り出された血液が足の先まで届き、そこから再び心臓へ戻っていきます。その血液が戻る力を助けているのが、ふくらはぎの筋肉の収縮です。
ふくらはぎの筋肉が伸び縮みすることで、静脈が圧迫され、血液が心臓の方向へと押し戻されるのです。これがいわゆる「筋ポンプ作用」で、ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれる所以です。
しかし、長時間の座りっぱなしや立ちっぱなしが続くと、筋肉があまり使われず、ポンプ作用が働きません。その結果、足の静脈内に血液がうっ滞し(滞り)、だるさや重さ、むくみといった不快な症状が現れるのです。
このように、筋肉の働きの低下によって、静脈血が足に溜まるという一連の流れが、足のだるさの主要な原因となっています。
神経・筋の圧迫による循環障害や感覚異常
足のだるさの原因として見落とされがちなのが、神経や血管への圧迫による循環障害や感覚異常です。
長時間、同じ姿勢で座っていたり立っていたりすると、太ももの裏や膝の裏などが、圧迫されてしまうことがあります。これらの部位には神経や血管が集中しているため、圧迫によって血流が滞ったり、神経の伝達が妨げられたりするのです。
このような状態が続くと、一時的な違和感だけでなく、慢性的な神経圧迫症状に発展するケースもあります。
また、筋肉そのものが硬くなっている場合も、神経や血管の通り道が狭くなり、結果として血行不良や感覚異常が生じやすくなります。
このように、神経・筋の圧迫は、足のだるさの背景にある循環や感覚の異常を引き起こす重要な要因といえます。
長時間の姿勢固定による局所疲労と代謝低下
長時間に渡り同じ姿勢で動かずにいると、筋肉の代謝機能が低下します。筋肉は動いている時に酸素や栄養を多く消費し、老廃物も効率よく処理されますが、動きが止まると筋肉内の血流は減り、代謝が落ちるため疲労物質が蓄積しやすくなります。
特にデスクワークなどで座っている時間が長いと、脚の筋肉は使われずに固まりやすくなり、局所的な筋疲労が生じます。これが足の重だるさや不快感として感じられる原因のひとつです。
また、筋肉の柔軟性も低下しやすいため、硬くなった筋肉が周囲の神経や血管を圧迫するリスクも高まります。
足のだるさがある時のセルフケア3選
それでは、実際に足のだるさがある時に、簡単に行えるセルフケアを紹介します。日常生活の中に組み込めるものばかりですので、ぜひ取り組んでみてください。
こまめに立ち上がる
座りっぱなしや立ちっぱなしの時間が長いと筋肉が固まりやすくなります。デスクワークをしていると、2〜3時間ずっと座りっぱなしという方も多いと思いますが、できれば30分~1時間を目安に、こまめに立ち上がって歩くことが理想的です。
立ち上がることでふくらはぎの筋ポンプ作用が働き、血液の流れが促進されます。そして、血流が改善すると、だるさやむくみの解消につながります。
足のストレッチ
筋肉の柔軟性を保つことは、血管の柔軟性にもつながります。また、神経の圧迫を予防することにもつながるため、足のストレッチをこまめに取り入れることがオススメです。
特に座っている時間が長かったり、運動不足の方は、ハムストリングス(腿裏の筋肉)や下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が硬くなっているケースが多いです。そのため、足の裏側を伸ばし、柔軟性を保っていきましょう。具体的なストレッチ方法は下記で解説していきます。
温める
温めることで血管が広がり、血流が促進されます。お風呂にゆっくり浸かるほか、足用の温湿布や湯たんぽなどを使うのも効果的です。
冷えは血行不良を悪化させるため、冷えを感じる場合は積極的に温めるケアをしましょう。
【デスク周りでもできる】足のだるさ対策ストレッチを紹介!
次に、デスクワークの方も簡単にデスク周りで行えるストレッチを紹介します。
足首回し
足首を回すことで、足元に滞った血流を促進します。ふくらはぎの筋肉を無理なく動かせるため第一段階としておすすめです。
また、長時間に渡り座っていると、足首の関節も固まってしまうため、足首を回すことで可動域を上げていきましょう。
⒉ 足首をぐるぐる回します。時計回り、反時計回りどちらも行ってみましょう。

腿裏とふくらはぎのストレッチ
座っている時間が長いと、腿裏(ハムストリングス)やふくらはぎ(下腿三頭筋)の柔軟性が低下します。その結果、血流が悪化したり、神経を圧迫しだるさなどを引き起こす可能性もあります。
裏側の大きな筋肉を伸張し、だるさやむくみに対してケアしていきましょう。


⒋ 左足も同様に行ってみましょう。
踵の上げ下げ
本来、歩いていたり運動をしていると、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が働き、筋ポンプ作用が働くことで、血液が押し上げられます。
しかし、座っていると筋ポンプ作用が十分に働かないため、血液が足元に滞ってしまうのです。よって、ふくらはぎの筋肉を使い血液を循環させることで、ケアしていきましょう。


足がだるくならないように予防する方法はあるの?
足がだるくなった時の対処法を解説していきましたが、できれば足がだるくなる前に予防していきたいですよね。そこで、最後に予防法を紹介します。
適度な運動を習慣にする
適度な運動は、足の血流を促進し筋肉のポンプ機能を高めるために非常に効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、日常生活に無理なく取り入れられる運動を習慣にしましょう。
特にふくらはぎの筋肉を動かすことで、静脈の血液が心臓に戻りやすくなり、だるさやむくみの予防につながります。
また、運動は筋肉の柔軟性を維持し、神経や血管の圧迫を防ぐ効果もあります。なかなか運動する時間を確保するのが難しいという方は、エレベーターの代わりに階段を使う、通勤時に一駅歩くなど、日常の中で体を動かす機会を意識的に増やせると良いですね。
長時間同じ姿勢を避ける
長時間同じ姿勢を続けることは、血流の滞りや筋肉の硬直を招きやすく、足のだるさの原因になります。仕事中や家で過ごす際は、30分〜1時間に一度は立ち上がったり、軽くストレッチをすることは予防にもつながります。
睡眠・食事・水分補給を見直す
質の良い睡眠は体の疲労回復や血流の正常化に欠かせません。睡眠不足が続くと血液循環が悪くなり、足のだるさやむくみが悪化する恐れがあります。規則正しい生活リズムを心がけ、しっかりと休息を取りましょう。
寝つきが悪い方は、寝る前にスマホを見ないようにすることや、体にあった寝具を使用するなど睡眠環境を一度見直してみても良いかもしれません。
また、食事は塩分の摂り過ぎに注意し、バランスの良い栄養を摂ることが重要です。過剰な塩分は体内に水分を溜め込みやすくし、むくみを引き起こします。野菜や果物を積極的に摂り、カリウムなど利尿作用を助ける栄養素も意識して摂取しましょう。
さらに、水分補給も重要な要素の一つです。日中、忙しくしていると、つい水分を取ることを忘れてしまうと思うので、ペットボトルを見えるところに置いておくことや、目盛りのついているボトルを使用するのもオススメです。こまめな水分補給を心がけていきましょう。
まとめ
今回は足のだるさに対するストレッチとセルフケアについて解説しました。
足のだるさは一時的な症状にとどまらず、放っておくと血流障害や慢性的な疲労感につながる可能性もあります。原因を知り、日常の中でできる簡単なセルフケアやストレッチを取り入れることで、症状を軽減・予防することが可能です。
特別な道具や時間がなくてもできる対策が多いため、まずはできることから始めてみましょう。
ぜひ当記事を参考にしていただき、あなたのお悩みを解決し、健康な身体を維持するためにお役に立てれば幸いです。

EMI
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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