作業療法士の視点で考える安眠の重要性
公開日:2015.05.18 更新日:2015.05.25
リハビリに携わる人は、責任と緊張を感じる勤務のあとにリラックスできず、スムーズに寝入れないこともあるでしょう。しかし、仕事で自分の本来の能力を発揮するためにも、質のよい睡眠は必要不可欠です。今回は、「寝付きが悪い」「眠れない」とお悩みの作業療法士の方のために、安眠にスポットを当ててみます。
作業療法においての休息の重要性
作業療法の重要な目的の一つとして、「活動と休息のバランスをとること」が挙げられます。つまり、日中にその人の能力を発揮できる活動を行い、夜間はゆっくりと休養できるのが健康的な状態ということです。
作業療法士として、睡眠の重要性を強調している著名人としては菅原洋平氏が挙げられます。菅原氏はリハビリの仕事を通して、身体機能と睡眠の関係性に気づいたといいます。
睡眠について考えることは、仕事で自分の能力を活かすことに役立つだけではなく、患者さんに休息を指導するうえでも重要であるといえます。
安眠の秘訣とは?
では、なかなか眠りにつけないときにはどんな対策を行うことができるのでしょうか。3つの安眠法をご紹介いたします。
筋弛緩法
アメリカの医師であるエドモンド・ジェイコブソン氏が開発したリラクゼーション法で、筋肉の緊張と弛緩を繰り返し行うことで、身体がリラックスし心地よい眠気がもたらされるといわれています。基本動作は、各部位の筋肉に10秒間力を入れて緊張の状態を維持し、その後に、15~20秒かけて脱力していく、というものです。体の主要な筋肉に対して順々に行います。ここでは、椅子に座り上半身に対して行う筋弛緩法の過程を説明します。
- 両手を使った筋弛緩法
両腕を伸ばした状態で手のひらを上に向け、親指を曲げ握りこむようにこぶしをつくったら、10秒間ほど力を入れて緊張させます。手を徐々に広げ、膝の上において、15~20秒脱力・弛緩させます。筋肉が緩んでいく感覚を抱くようにします。 - 上腕を使った筋弛緩法
握り拳を肩に近づけ、曲がった上腕全体に力を入れ、10秒間緊張させます。その後、先ほどと同じ要領で、15~20秒間かけて徐々に力を抜き、筋肉が緩んでいく感覚を意識します。
眠っていないのに寝床に留まらない
睡眠は記憶に残らない行為なので、主観と客観のギャップが大きくなりがちです。「全然眠れなかった」と思いつつも、実はけっこう眠れている場合や、「よく眠れた」と思ったのに実は眠りが浅かったという場合も多々あります。
そして、このギャップがメンタル不調の指標になるのです。主観と客観の差が大きければ大きいほど、メンタル不調が強いといえます。
ベッドに入ってもなかなか眠りにつけない場合、人は「全然眠れなかった」と思ってしまいます。自分が何時ごろ眠くなるのか意識し、その時間になるまではベッド以外の場所で過ごすようにしましょう。こうすることで「ベッド=睡眠」という記憶が作られ、睡眠時間が増えていなくても、心も身体も軽く感じられるようになります。
ショックで眠れないときは
仕事で失敗をしてしまったときなど、ショックを受けているときはなかなか眠りにつくことができないこともあります。
睡眠中は記憶の定着作業が行われますが、ショックな出来事が起こった場合、その記憶を定着させないための生体防御反応が起こって眠りを妨げます。つまり、眠れないときは、脳が嫌な記憶を定着させないように抵抗してくれているのです。
人間の記憶定着は近いほうから行われます。そこで、眠る前には仕事とまったく関係のない小説や音楽などに触れてみることも、気分転換して安眠するためのよい方法といえるでしょう。
眠れない夜も、このような対策を行いつつ過ごしてみると、少しは心に余裕が生まれるかもしれません。
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