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胃腸の疲れはストレスのサイン!消化不良を起こす理由と改善方法

公開日:2016.09.02 更新日:2021.09.17

胃腸の疲れは弱ってるサイン!消化不良とストレスの関係と改善方法

文:篠塚 明日香
(管理栄養士・分子栄養学カウンセラー)

季節の変わり目に「なんとなく胃がもたれる」「体がだるい……」など、疲れを感じる人も多いでしょう。食生活を整えて十分な睡眠をとっても回復しない場合は、単なる夏バテや寒暖差が原因ではない可能性もあります。

なかでも胃腸の不調が長引く場合にチェックしたいのが、ストレスの影響です。「心身一如」という言葉があるように、体と心はお互いに影響を受けながらバランスをうまく保っています。

例えば、とても悲しい出来事があり一気に食欲がなくなったという経験は誰にでもあると思いますが、感情が与える胃腸への影響は想像以上に大きいものなのです。

もちろん、ストレスをいますぐなくすのは現代人にとって難しいところもあると思います。ストレス反応を理解して、胃腸ケアをするための方法を考えていきます。

モヤモヤ・イライラ、ストレスは消化不良をつくる

いいたいことが伝えられなかったとき、モヤモヤして「気持ちの消化不良」を感じることがあると思います。そのとき、気持ちだけではなく、食べたものも同じように消化不良を起こしやすい状況になっています。

消化不良とは、胃酸や消化酵素などの消化液が不足したり、胃腸の動きが悪かったりして、食べ物が吸収されにくい状態を指します。

消化不良の症状は、次のようなものがありますが、これらは胃腸の働きが低下している明確なサインです。

<消化不良のおもな症状>
・胃痛
・胸やけ
・吐き気
・ゲップ
・お腹の張り
・便秘
・下痢
・食欲低下 など

胃腸の働きが弱まると、食べたものをうまく消化できずに栄養吸収力も低下していきます。これが長期化すると栄養不足の症状につながっていきますので、胃腸の調子の悪さを感じたら放置せず早めに対処したいものです。

では、ストレスがあるとどうして胃腸機能の低下を招くのでしょうか? ここでは、大きな原因となる「腸内細菌バランスの乱れ」と「自律神経の乱れ」について解説します。

ストレスが胃腸の不調を招く理由

ストレスと胃腸の関係は密接!悪循環を引き起こすことも
不安や緊張などのストレスが、腸内細菌に悪影響をおよぼすという研究があります。

例えば、宇宙飛行士の腸内細菌は飛行前に比べ飛行中に乳酸菌が減っていき、悪玉菌が増えたそうです。また、阪神淡路大震災前後に行われた被災者調査では、震災後に悪玉菌が増えていたという報告があります。

このように、ストレスは善玉菌を減らして腸内細菌のバランスを悪くすることがわかっているのです。善玉菌は人間の腸内に住みついていて、栄養吸収をよくししたり感染症を防いだりするだけでなく、気持ちを安定させる役割を担うなど重要な働きをしています。

ですから、ストレスによって善玉菌が減ると、下痢、便秘、お腹の張り、おならや便が臭くなる、気分が優れない……といったたくさんの症状が出てくるのです。

善玉菌の減少——つまり腸内環境の悪化は、低栄養や免疫力の低下にもつながるので、毎日の便の状態をチェックしてほしいと思います。

腸内環境がいい状態の便はバナナ状でほとんど匂わず、黄土色をしています。一方、腸内環境がよくない状態の便は固い、または柔らか過ぎるなどかたちが一定せず、色は茶色・黒っぽく、においが強いなどの特徴があります。

便の具合からあまり腸内環境がよくないと感じるなら、乳酸菌やビフィズス菌のサプリメントを補給するといいでしょう。

消化不良を改善するには自律神経を整えること

「緊張すると胃が痛くなる」という人は自身の経験から知っていることと思いますが、胃腸はストレスの影響を受けやすい場所です。これは、おもに自律神経の働きが関係しています。

自律神経とは、自分の意識とは関係なく活動している神経のこと。例を挙げるなら、寝ていても体温が一定に保たれている、または、心臓が休みなく動いていることもそうですし、呼吸を自然にしていることも自律神経の働きによるものです。

さらに、自律神経には活動するための「交感神経」と、リラックスして休むための「副交感神経」のふたつがありますが、胃腸の動きをよくして消化液を分泌し、食べ物から栄養素を吸収するには副交感神経がしっかり機能することが必要不可欠です。

つまり、副交感神経がうまく働かないと消化不良を起こしやすくなるということです。

しかし、ストレスを感じるという状況では、交感神経は優位になります。緊張すると手に汗をかいたり、心臓がドキドキしたりしますが、これはまさに交感神経が優位な状態です。

日常的にリラックスする時間がほとんどなくいつも交感神経が優位だと、消化不良を起こしやすいので、きちんと食べているのに栄養不足ということが起こるのです。

忙しくしていると食事がおろそかになりがちですが、ストレスを感じるときこそ、しっかりと食べる時間をとってください。それがたとえ15分でもいいので、リラックスした気持ちで食事をすることが大切です。

簡単にできる3つの工夫で胃腸の不快感をなくす

胃腸の疲れは弱ってるサイン!消化不良とストレスの関係と改善方法

胃腸の働きをよくするためには、過度なストレスを溜めこまないことがなにより重要ですが、そう簡単にストレスの原因を排除することは難しいでしょう。そんな場合は、ケア方法を知っておくことです。

以下に、消化を助けて胃腸の不快症状を抑える効果的な食べ方3つを紹介します。これらは未消化物をつくりにくくする食べ方で、結果的として体の栄養状態もよくなり疲労回復も期待できます。

(1)よく噛む

あまり嚙まずに早食いすると、未消化物をつくりやすく胃腸への負担が増えてしまいます。噛む刺激で脳が刺激されると、唾液をはじめとする様々な消化酵素の分泌が促進され、消化吸収力がよくなります。消化は口のなかからはじまっていますから、まずはよく噛むことを心がけてください。

(2)すっぱいものを食べる

すっぱいものとは、レモンやかぼすなどの柑橘系、梅干し、酢などです。これらは胃酸と同じように働き、食べ物を溶かして消化しやすくする作用を持っています。これらを意識的に摂取するだけでも、胃もたれやお腹の張りが改善されることがあります。

(3)生野菜やフルーツの酵素を利用する

具体的には、大根おろし、キウイ、パイナップルなどがおすすめです。これらの食材には、とくに消化に負担がかかり未消化物をつくりやすいたんぱく質を分解する酵素が含まれています。消化促進効果がありますので、こちらも意識的に食べるようにしましょう。

適度なストレスは緊張感をキープできて、勉強や仕事がはかどるので悪い面ばかりではありません。しかし、リラックスと緊張のバランスがあまりに崩れてしまえば、消化機能が低下して、体の不調へとつながっていくことは間違いありません。

ここで紹介したケア方法のようなものを知っておくと一時的には症状改善が期待できるでしょう。しかし、本気でストレスから解放され心身の健康を手に入れるためには、自分がリラックスできる生活環境づくりをなにより大切にしてください。

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篠塚明日香

篠塚 明日香

管理栄養士・分子栄養学カウンセラー
1977年、茨城県に生まれる。管理栄養士、分子栄養学カウンセラー。東京家政大学短期学部栄養科卒業後、老人介護保健施設での給食管理の実務を経て管理栄養士となる。
現在は、フリーランスとして分子栄養学のセミナー開催やエステサロンでのダイエット指導、企業商品の考案などにも携わる。
所属:合同会社スリップストリーム
プロフィール写真:櫻井健司

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