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患者さんとのコミュニケーションが難しい|セラピストのお悩み相談室

公開日:2025.03.25 更新日:2025.04.22

患者さんとのコミュニケーションが難しい|セラピストのお悩み相談室

文:鈴木 康峻(理学療法士)
イラスト:山本 香里

日常生活や仕事の中で、心の中にモヤモヤや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?友人や家族には話しづらい悩みも、専門家に相談することで新たな気づきや解決策が見つかることがあります。

「セラピストのお悩み相談室」では豊富な経験を持つセラピストが、あなたの悩みに真摯に向き合い、具体的なアドバイスをお届けします。

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お悩み|患者さんとのコミュニケーションが難しい

患者さんとのコミュニケーションがうまくいかず、業務がスムーズに進まないことに悩んでいます。特に、高齢の患者さんとのやり取りが難しく、どう対応すればよいのかわかりません。

お悩みの詳細

回復期リハビリ病棟で働き始めて半年になる新人理学療法士です。現在、患者さんとのコミュニケーションに悩んでいます。

信頼関係を築くことが大切だとわかってはいるものの、どう接すればよいのかわかりません。声をかけても反応が薄かったり、雑談を振っても会話が続かなかったりして自信を失いつつあります。そのせいか、リハビリもスムーズに進みません。

回答|信頼関係を築くための具体的なスキルを身につけていきましょう

信頼関係を築くための具体的なスキルを身につけていきましょう
コミュニケーションがうまくとれないと、独特の気まずさを感じてしまいますよね。

私自身も、新人時代にコミュニケーションがうまくいかず、患者さんから「担当を交代してほしい」と言われた経験があります。

当時「あいつが担当だと歩けなくなる」と言われ、非常にショックを受けました。振り返ると、技術的な未熟さだけでなく、相手を知る努力や信頼関係を築く意識が足りなかったのだと思います。

リハビリは信頼関係があってこそ成り立つものです。相手に「この人となら頑張りたい」と思ってもらえるような関係を築くことが、何よりも大切だと感じています。

信頼関係を築くための会話のポイントは、以下の5つです。

1.患者さんの興味がある話題を探す

まずは患者さんの興味や関心を探ることを意識しましょう。会話が弾まない場合、その話題は患者さんにとって興味がないのかもしれません。

患者さんがどのような人生を歩んできたか、どんな仕事をしていたか、何が好きで何に興味をもっているかなどを探ることが重要です。

カルテやインテークシートには、患者さんの生活歴や趣味に関する情報が記載されていますので、目を通してみましょう。

2.他職種の接し方を参考にする

他職種のスタッフが患者さんにどのように接しているか、観察してみるのも1つです。他職種のコミュニケーション方法を参考にしながら、声の強弱や抑揚、身振り手振りなど、自分なりのアプローチを試してみてください。

3.質問の仕方を工夫する

信頼関係がまだ構築されていない段階では、「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンを使って、会話のきっかけをつくりましょう。

たとえば、過去の仕事について尋ねる場合は、「農家をされていたのですか?」のような質問です。

その後、「どんな野菜を育てていたのでしょうか?」や「農家の仕事で大変だったこと、苦労したことは何ですか?」といったオープンクエスチョンにつなげていくことで、より具体的な回答を引き出せるようになります。

4.患者さんの関心ごとを深掘りした会話につなげる

これまでのやり取りで見つけた関心ごとを、さらに深掘りしてみましょう。

私がとても有効だと感じているのは、「患者さんに教えを請う」ことです。

具体的には、「実は家庭でトマトを育てているのですが、あまり甘くなりません。コツはありますか?」といった質問です。

このように、自分の知識が役に立つと感じてもらえると、喜んで話をしてくださることが多いと感じています。

5.後日談も大切にする

会話はその場限りで終わらせず、次回以降につなげていきましょう。

「この前教えていただいたトマトのコツを試してみたら、甘く育てられました! 本当にありがとうございます」と話題にすることで、患者さんもきっと喜んでくれます。

こうした小さな積み重ねをしていくことで、患者さんとの良好な関係が築いていけるでしょう。

 

鈴木康峻(理学療法士)

鈴木康峻(理学療法士)

2008年に理学療法士の免許を取得。介護老人保健施設にて入所・通所・訪問リハビリに携わる。介護認定調査員・介護認定審査員・自立支援型個別地域ケア会議の委員なども経験。リハビリテーション業務のかたわら、医療・介護ライターとして高齢者の疾患や制度などのさまざまな記事を執筆している。理学療法士の現場で働いているからこそ得られる一次情報を強みに、読者の悩みに寄り添った執筆を心がけている。

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