どうしてそんなに頑張れるの?資格取得の意味がわからない|セラピストのお悩み相談室
公開日:2025.10.06

文:鈴木康峻(理学療法士)
日常生活や仕事で、心の中にモヤモヤや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。友人や家族には話しづらい悩みも、専門家に相談することで新たな気づきや解決策が見つかることがあります。
「セラピストのお悩み相談室」では豊富な経験を持つセラピストが、あなたの悩みに真摯に向き合い、具体的なアドバイスをお届けします。
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目次
お悩み|どうしてそんなに頑張れるの?資格取得の意味がわからない
給料が上がらないのに、同僚が資格取得に励む理由が理解できません。意味があるのでしょうか?
お悩みの詳細
職場での給料がほとんど上がらないことに不満を抱えています。それにもかかわらず、同僚は認定理学療法士や各種資格の取得に向けて頑張っているのですが、どうしてでしょうか?私にはとても意味がある行動とは思えません。
しかしこんなこと職場では言えないし、言ったら頑張っている同僚との関係が悪くなってしまうと思っています。
回答|資格取得には直接的な給与アップ以外にも、さまざまなメリットがあります。同僚の行動の背景を探ってみましょう

給料がほとんど上がらない中で、資格取得に励む同僚の姿に疑問を抱く気持ち、よくわかります。
「時間もお金もかけて勉強するのに、給料が変わらないなら意味がないのでは?」という考え方は、決して間違ってはいません。
実際、資格取得にはすぐに目に見える成果が表れにくく、「頑張っても報われないのでは」と感じることもあるでしょう。
それでも、資格を目指す人たちには給料以外の部分に価値を見出している可能性があります。代表的な理由をいくつかみていきましょう。
1.専門性が深まり、臨床の幅が広がる
資格取得の過程では、日々の業務だけでは触れる機会の少ない専門知識や新しい技術を体系的に学ぶことができます。
その学びによって、「この患者さんにはこういう方法も使えるかもしれない」と、より多角的な視点で対応できるようになり、判断や選択の幅が広がります。
結果として、患者さんからの信頼や、上司・同僚からの評価が高まり、自信をもって臨床の現場に向き合えるようになるケースもあるでしょう。
2.達成感や自己肯定感を得られる
給与に直結しなくても、「挑戦してみたい」「もっと成長したい」という前向きな気持ちで資格取得を目指す人は少なくありません。
試験に向けて計画的に学び、成果を出すことで「やりきった」という達成感を味わえるのも、大きな魅力の一つです。
これは、自分自身の仕事へのモチベーションややりがいにつながります。
3.職場での信頼や役割が変わることもある
特定分野の資格をもっていることで、「〇〇についてはあの人に聞こう」と職場で頼りにされる場面が増えてきます。
発言に説得力が生まれたり、勉強会の講師を任されたりするなど、職場内での立場や役割に変化が出ることもあります。
4.人とのつながりが広がる
資格取得を目指す中で、研修会や勉強会に参加する機会が増えると、他施設の理学療法士と知り合うこともあります。こうした人脈が、転職や外部講師、研究協力など、新たな仕事のチャンスにつながることも珍しくありません。
現職で昇給が見込めなくても、キャリアの幅を広げる一つの手段になり得ます。
大切なのは、自分の価値観を知ること
とはいえ、資格取得がすべての人にとって正解とは限りません。
「専門性を高めたい」「もっとできることを増やしたい」と考える人もいれば、「今の仕事に見合う対価がほしい」と感じる人もいます。あなたが「給料が上がらないなら意味がない」と考えるのも、当然の価値観です。
もし収入アップを最優先にしたいのであれば、資格よりも転職や副業など、別の方法を検討するほうが効率的かもしれません。一方で、長期的なキャリア形成や自分自身の成長に重きを置くなら、資格取得も有効な選択肢になり得ます。
同じ道を選ばなくても、否定せず尊重しましょう
同僚の努力を見て、「意味があるのか?」と疑問を抱くのは自然なことです。
ただし、それぞれが異なる価値観で行動していることを理解し、お互いを尊重して関わることが、職場での人間関係を保つうえでは大切です。
最終的には「自分にとって何が大事か」を明確にし、それに合った道を選ぶこと。どのような選択をしても、それが自分の納得できるものであれば、その道に意味はあると思います。ぜひ参考になれば幸いです。

鈴木康峻(理学療法士)
2008年に理学療法士の免許を取得。介護老人保健施設にて入所・通所・訪問リハビリに携わる。介護認定調査員、介護認定審査員、自立支援型個別地域ケア会議の委員なども経験。リハビリテーション業務のかたわら、医療・介護ライターとして高齢者の疾患や制度などのさまざまな記事を執筆している。理学療法士の現場で働いているからこそ得られる一次情報を強みに、読者の悩みに寄り添った執筆を心がけている。
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