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特別養護老人ホームで結核集団感染、10人発病 東京都が発表、初発患者の診断遅れで感染拡大か2019.07.02

セラピストプラス編集部からのコメント

東京都の特別養護老人ホームで結核の集団感染が確認されました。男性職員が初めに感染し、そこから広がった可能性が指摘されています。東京都では施設で使える結核マニュアル「高齢者施設における結核対策の手引」を配っています。

 特別養護老人ホームで結核集団感染、10人発病

東京都が高齢者施設に参照するよう促している「高齢者施設における結核対策の手引」

東京都は、西多摩保健所管内の特別養護老人ホームで、結核の集団感染が発生したと発表した。初発患者の40歳代の男性職員を含めて10人が結核を発病したという。初発患者は当初、医療機関で胸部CT撮影が行われながらも、結核と診断されず、経過観察となっていた。結核と診断されるまで4カ月ほどかかっており、これが保健所による接触者健診などの対策の遅れや感染拡大につながった可能性がありそうだ。【新井哉】

都によると、2017年11月、職場健診で男性職員の胸部エックス線異常陰影が指摘された。この職員には咳や痰の症状があり、同年12月、医療機関で胸部CT撮影が行われ、非結核性抗酸菌症疑いと診断され、経過観察となっていた。約4カ月後の18年4月に結核と診断されていることから、都の「医療機関における結核対策の手引」(15年3月発行)に記載された「咳や痰が2週間以上続く患者等には、胸部エックス線検査、喀痰塗抹検査を実施」といったことが適切に行われなかった可能性がある。

保健所が実施した1回目の接触者健診では、他の発病者は確認されなかったが、19年2月下旬から3月上旬にかけて、接触者健診の対象外となっていた入所者の発病が複数確認されたため、2回目の接触者健診が行われた。都は「初発患者は職場健診の胸部エックス線検査において異常陰影を指摘され受診したが、結核の診断に至らず、治療開始が遅れた」との見解を示している。

西多摩保健所は、結核の集団感染が発生した施設に対し、再発防止に向けた対策を講じるよう要請。都も都内の高齢者施設に対し、都の「高齢者施設における結核対策の手引」(15年3月発行)を参照し、感染予防に努めるよう促している。

この手引では、高齢者施設の結核対策について、精神科病院の認知症病棟の集団感染を参考事例として取り上げ、「初発患者に病棟内の徘徊行為があり、たんや唾液を他人に浴びせる行為が散見された」「入院患者の多くが日中を病棟ホールで過ごし、初発患者と長期間にわたり接触があった」といった感染拡大の要因を提示。入所者の健康観察や健康診断を行い、結核を早期に発見して治療を行うことが重要としている。

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出典:医療介護CBニュース

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