総務省政策評価書で医療・福祉の女性登用が評価2019.07.18
全産業からみて女性が多く、女性の管理職が多い産業である―。総務省が公表した「女性活躍の推進に関する政策評価書」では、「医療・福祉」における女性を取り巻く状況に触れ、「女性管理職比率が他の産業と比較して高く、女性の登用が比較的進んでいる」といった見解を示している。【新井哉】
政策評価書では、病院や介護、障害者支援などの施設の運営を主な事業内容とする37事業者を調査したことに触れ、「一定数の女性が管理職として既に活躍しているといった声が多く聴かれた」と指摘。その理由として、女性が多く、主戦力とされてきた経緯から「女性が働きやすい環境の整備」に以前から取り組んでいることを挙げている。
具体的には、子育て世代の女性が多い職場環境であることを考慮し、多くの事業者では企業内保育所や託児所を設置するなどしており、医療や介護現場における24時間3交代制(日勤・早番・遅番など)といった勤務体制にも対応できるよう配慮している例が多く見られたという。
政策評価書では、「医療・福祉」事業者の意見や取り組みも紹介している。例えば、介護人材の確保に関しては、「介護市場の拡大と介護人材の不足などから、ますます困難となることが予想される採用活動のためにも、主婦層を中心とした潜在的な労働力の掘り起こしが重要」「休暇等の取得が他の職員に余分な負荷を掛けてしまうなどといった不安解消のため、介護ロボットや外国人実習生を活用し、子育て世代でも働きやすい環境づくりが必要」といった意見を取り上げている。
また、女性を管理職候補のリーダー職に任命しても、子育て期間中は「子どもが大きくなるまでは役職につくことは困難」などの理由から短時間勤務を希望する女性が多いといった指摘も記載している。
全産業(業種)における女性採用比率(採用者総数に占める女性の割合)と女性管理職比率に関しては、3年間(2015―17年)の推移を基に、「医療・福祉」は「他の産業に比べて高い状況がみられた」としている。
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出典:医療介護CBニュース
セラピストプラス編集部からのコメント
総務省が公表した「女性活躍の推進に関する政策評価書」において、医療福祉分野における女性の登用が「女性管理職比率が他の産業と比較して高く、女性の登用が比較的進んでいる」という見解を示されました。もともと女性が多い職種だったことから、女性が主戦力とされてきた歴史があり、早い段階から「女性が働きやすい職場の整備」に取り組んでいたことが評価につながったと見られています。