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包茎・亀頭包皮炎とその治療法2019.08.08

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セラピストプラス編集部からのコメント

男性器の包茎は、包皮が亀頭に覆い被さる状態が通常である児童においても、「小児期尿路感染予防」の観点から着目せねばならない場所です。包茎による尿の通過障害や包皮内の尿により病原菌が包皮内で感染源となり、亀頭包皮炎や尿路感染症を引き起こす原因ともなることがあります。東海大学医学部付属大磯病院泌尿器科の宮北英司教授は「視診、触診で容易に診断できるが、包皮の癒着口のために真性包茎と診断されたものが、用手剝離で剝離できるため仮性包茎であることがある」また、「治療の一手目は環状切除術以外の治療である。」とのべ、その方法を解説しています。

Ⅰ.包茎

包茎(phimosis)の定義は包皮口の狭窄,すなわち包皮輪が狭いことであり,亀頭を露出させることのできない状態が真性包茎(true phimosis)である。一方,仮性包茎(false phimosis)は包皮口の狭窄がなく,用手的に亀頭の露出は可能であるが,包皮が過剰であるために亀頭が露出していない状態と定義される。

【包皮の自然史】

発生学的に元来,包皮と亀頭とは癒合しており,生下時に包茎状態であることは正常であり,包皮を翻転できないのが通常である。新生児期に亀頭が露出できるものは4%にすぎないと言われている。6カ月で0%が,11~15歳では62.9%で包皮翻転が可能となり,いわゆる徳利型が持続するものはない。新生児期には0.4%,3歳で38.4%が包皮翻転可能とされる。

▶診断のポイント

視診,触診で容易に診断できるが,包皮の癒着口のために真性包茎と診断されたものが,用手剝離で剝離できるため仮性包茎であることがある。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

【環状切除術が行われる医学的理由】
〈小児期尿路感染予防〉

包茎による尿の通過障害や包皮内の尿により病原菌が包皮内で感染源となり,亀頭包皮炎や尿路感染症を引き起こすと言われている。

〈ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染症予防〉

淋菌性尿道炎,梅毒,トリコモナスなどの性感染症の予防に環状切除術は関連性がないとされるが,HIV感染に対しては,HIV-receptorが包皮内板に豊富に認められるランゲルハンス細胞であることから,HIV罹患率の高い国では予防的に環状切除術が勧められている。

〈陰茎癌,子宮頸癌の予防〉

陰茎癌患者の25~75%は包茎状態であることより,包茎と陰茎癌の関連は強いと考えられ,環状切除術が陰茎癌の発生を予防する治療法であると言える。子宮頸癌に関しては,包茎あるいは腟内の清潔環境の問題であるととらえるのが一般的である。

〈性機能,性感向上の目的〉

環状切除術の有無が性機能に及ぼす影響はなかったとされている。

治療の一手目は環状切除術以外の治療である。

【包皮翻転術】

亀頭部を露出するために包皮を強引に翻転させたり,恥垢を除去するため無理やり剝離することは,包茎の自然史から考えても,治療後の再癒着,瘢痕形成を考えても,無症状の小児包茎に対して翻転治療は行われるべきではない,とコンセンサスが得られている。

【局所ステロイド塗布】

ベタメタゾンの包茎に対する塗布が一般的に行われており,その効果は84~94%とされており,副作用の報告もない。エストロゲンの局所塗布は75.8~100%の効果があるとされるが,副作用として女性化乳房が報告されており,長期の使用は慎むべきと考えられた。

▶治療の実際

一手目 :リンデロン-V®軟膏・クリーム0.12%(ベタメタゾン吉草酸),またはキンダベート®軟膏0.05%(クロベタゾン酪酸)1日1~数回塗布
筆者は風呂上がりに包皮を反転させるように,軽く進展させながら塗布するように指導

二手目 :〈処方変更〉手術療法
小児包茎の手術の絶対的適応として,高度の排尿障害,嵌頓包茎があり,反復する亀頭包皮炎は相対的適応と言える。手術には,背面切開術,環状切除術,包皮形成術などがある

Ⅱ.亀頭包皮炎

亀頭包皮炎(balanoposthitis)は,包皮と亀頭の炎症であり,包茎に伴うことが多く,十分な衛生状態を維持できない乳幼児にしばしば発生する。

▶診断のポイント

しばしば包皮の発赤,腫脹,疼痛,および包皮下膿瘍分泌物,排尿時痛,排尿困難などが生じる。小児の場合,グラム陰性桿菌による細菌感染が多く,成人では真菌感染,ウイルス感染,接触皮膚炎,時に悪性腫瘍に伴うことがあり,注意を要する。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

衛生処置を開始し,特異的な原因に対する治療を行うべきである。分泌物および退廃物を除去するための包皮下の洗浄が必要になることがある。炎症が寛解した後も包茎が持続する場合は,環状切除術を考慮すべきである。

▶治療の実際

一手目 :包皮反転による排膿。無理な包皮の進展は避ける
リンデロン-VG®軟膏・クリーム0.12%(ベタメタゾン吉草酸)1日1~数回包皮に塗布

二手目 :〈症状が強い場合,一手目に追加〉ケフラール®細粒小児用(セファクロル)幼小児は体重1kg当たり1日0.2~0.4 g分3〔主成分として20~40mg(力価)〕

宮北英司(東海大学医学部付属大磯病院泌尿器科教授・副院長)

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出典:Web医事新報

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