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抗精神病剤の使用者が多数死亡、理由解明を2016.07.08

セラピストプラス編集部からのコメント

抗精神病剤である「ゼプリオン水懸筋注(一般名パリペリドンパルミチン酸エステル)」を使用している人が、発売後の2年間で、85人死亡しているとNPO法人「地域精神保健福祉機構」(コンボ)が発表しました。製造販売元はヤンセンファーマです。ゼプリオンは統合失調症の治療薬で、1回注射すると約1カ月効果が持続する点が評価されていました。

 精神保健に関する情報提供や研究などを行うNPO法人「地域精神保健福祉機構」(コンボ)は、抗精神病剤ゼプリオン水懸筋注(一般名パリペリドンパルミチン酸エステル)について、発売後の約2年間で、使用している人のうち85人が死亡したと発表した。また、85人の死亡と同剤投与の因果関係が否定できないとして、多数の死亡者が出た理由を明らかにすることや、全ての使用事例の調査などを求める要望書を厚生労働省に提出した。【松村秀士】

 2013年11月に発売された同剤は、統合失調症を治療する薬で、1回投与すると、その効果が約1カ月持続するという。

 同剤の発売から14年4月までに、使用している人のうち、21人の死亡が確認された。そのため、厚労省の指示により、製造販売元のヤンセンファーマは同月、同剤と死亡との因果関係は不明としながらも、使用上の留意点などを記載した安全性速報を発出した。

 要望書によると、コンボが医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで公開されている副作用の報告書を調べた結果、今年2月までに同剤を使用している人で、85人の死亡を確認した。その死因については、心不全や自殺のほか、不明のものもあり、同剤の投与との因果関係は明らかにされていないが、コンボは「同剤との関係性が強いと見ている」(広報担当者)。

 また、同じ効能・効果を持つ他の3つの抗精神病剤について、コンボが発売後約2年間の死亡事例を調べたところ、いずれも累計で15人程度となり、ゼプリオンが突出して死亡者数が多いことも分かったという。

 コンボは、「非常に深刻に受け止めるべき問題」と指摘。その上で、同剤について、▽他の抗精神病剤に比べて、死亡者数が多い理由の解明▽全ての使用事例の調査▽安全性速報の発出後に改善が見られない理由を明らかにすること▽ヤンセンファーマに対応策を講じるよう指導すること―などを要望している。

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出典:医療介護CBニュース

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