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【米国心臓病学会(ACC)】フレイルに着目した個別リハビリで急性非代償性心不全例の転帰は改善するか?:RCT“REHAB-HF”2021.05.21

セラピストプラス編集部からのコメント

ADHF(急性非代償性心不全)の転帰改善を目指し、過去10年間にさまざまな介入が検討されてきましたが、有用性が証明されたものはありません。

2021年の米国心臓病学会学術集会(バーチャル開催)で報告された第Ⅱ相ランダム化試験“REHAB-HF”では、患者ごとに細かく評価したフレイルリスクに応じたリハビリ実施により、臨床転帰が改善されるだけでなく、HFpEFに限れば生存も改善される可能性が示唆されました。

この試験は米国NIHとウェイクフォレスト大学から資金提供を受けて実施されたものです。

急性非代償性心不全(ADHF)の転帰改善を目指して、過去10年間にさまざまな介入が検討されてきた。にもかかわらず、有用性が証明されたものはない。

しかし本年の米国心臓病学会(ACC)学術集会(バーチャル開催)で報告された第Ⅱ相ランダム化試験“REHAB-HF”では、患者ごとに細かく評価したフレイルリスクに応じたリハビリ実施により、臨床転帰が改善されるだけでなく、HFpEFに限れば生存も改善される可能性が示唆された。ウェイクフォレスト大学(米国)のDalane W. Kitzman氏が報告した。

REHAB-HF試験の対象は、ADHF入院後の状態が安定し、入院前に自立していた349例である。4m以上の歩行不可能例(±補助具)は除外されている。しかし「除外基準は最低銀に絞った」とKitzman氏は説明している。

平均年齢は73歳、約45%に直近6カ月以内のADHF入院歴があった。また97%が「フレイル、またはプレフレイル」(Fried基準)に相当した。

これら349例は、この試験用に考案された「個別リハビリ」追加群と「通常治療」群にランダム化された。

「個別リハビリ」群ではまず、患者の状態について「座位からの補助なし起立能力」と「立位バランス」、「歩行持続時間」、「歩行速度」の4項目をそれぞれ4段階に分け評価。その上で患者ごとに適したリハビリプロブラムを、入院中、退院後通院時、通院終了後の家庭、それぞれの環境に合わせて策定した。

通院時リハビリ(3カ月間)の回数は3回/週、非監視下家庭リハビリ(3カ月間)は5回/週とした。同氏らはこれまでの報告から、ADHF例再入院の多くが非心臓血管系の要因に起因していた点に注目。身体機能への介入を思いついたという。

一方、「通常治療」群でも入院時は、従来型のリハビリテーションは許可されていた。

なお、本試験における「個別リハビリ」継続率は、ADFHに限らぬ心不全入院例を対象に運動療法の有用性を検討したEJECTION-HF試験に比べ、きわめて高かった。 Kitzman氏は今回のREHAB-HF試験では、リハビリプログラム策定にあたり「継続性維持」が重視された点を強調していた。

その結果、1次評価項目である退院3カ月後のSPPB(short physical performance battery)スコアは、「個別リハビリ」群で1.5の有意高値となっていた(P<0.0001)。

SPPB低値はすでに、死亡リスク増加との相関が報告されている。さらにこの「個別リハビリ」群におけるSPPB改善は、「年齢」や「性別」、「左室駆出率0.45の上下」、「NYHA分類の高低」、「さまざまな合併症の有無」や「肥満度」などで分けたサブグループのいずれにおいても認められた。

また退院3カ月後の「6分間歩行距離」と「QOL」、「フレイル」、「抑うつ」も、「個別リハビリ」群で有意に改善していた。

さらに退院6カ月後の「全再入院」(1.18 vs. 1.28%)、「心不全入院」(0.57 vs. 0.66%)は「個別リハビリ」群で減少傾向を示した。一方「死亡」は、「個別リハビリ」群で増加傾向が認められた(0.13 vs. 0.10%)。いずれにせよ「検出力不足」(Kitzman氏)の解析である。

ただし同氏が記者会見で明らかにしたところによれば、「個別リハビリ」が「死亡」に与える影響はHFrEFとHFpEFで有意に異なり(交互作用P<0.05)、HFpEF例では相対的に35%の減少が認められたという(in press)。同氏らは現在、この点を確認すべく、より大規模なランダム化試験を計画中である。

本試験は米国NIHとウェイクフォレスト大学から資金提供を受けて実施された。また報告と同時にN Engl J Med誌Webサイトで公表された。

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出典:Web医事新報

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