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【識者の眼】「かかりつけ医の機能を強化するための3つの軸」川越正平2021.06.04

セラピストプラス編集部からのコメント

昨年末に厚労省の検討会で「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書」がとりまとめられました。そこには、予防や生活全般の視点、介護や地域との連携、休日・夜間の連携を含め地域においてかかりつけ医に求められる役割を整理する必要があり、事例等を調査・研究し好事例の横展開を図ることが謳われています。

今回のWeb医事新報【識者の眼】では、あおぞら診療所(千葉県松戸市)の川越正平院長が「かかりつけ医の機能を強化するための3つの軸」と題して寄稿しています。

2020年12月に「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書」が厚生労働省の検討会でとりまとめられた。予防や生活全般の視点、介護や地域との連携、休日・夜間の連携を含め地域においてかかりつけ医に求められる役割を整理する必要があり、事例等を調査・研究し好事例の横展開を図ることが謳われた。

また、複雑で解決困難な課題を持つ患者・家族等には、患者のライフスタイルや家庭の状況等に合わせて、療養生活の継続、身体症状やQOLの改善、医療の効率化に貢献する継続的な指導や支援の推進が強調された。この報告書を踏まえて、①包括的医療、②地域包括ケア、③継続性・責任性という3つの軸でかかりつけ医の役割を考察する。

①包括的医療:患者の個別性を踏まえ、前述のような生活の視点に基づく助言が期待される。

高齢化の進展とともに、認知機能障害やフレイルの重要性が増す一方であることから、リハビリテーション・栄養・口腔など包括的な指導が求められる。

むろん、医師が直接行う形に限定されない。他機関に所属する専門職を含め、地域多職種チームを指揮者のように司る形で助言・指導する。その最たる例が食支援や緩和ケアを要する患者である。疾病の軌道を予測し、継続的な意思決定支援を提供することも重要な役割である。

そのためには、地域における情報共有プラットフォームの構築や規範的統合の熟成が必要である。

②地域包括ケア:要介護者に対する居宅療養管理指導がその実例となる。

日常生活上の留意事項や社会生活面の課題を踏まえた上で地域社会において必要な助言を行う「社会的処方」が期待される。さらに、地域における公的事業等への参画が重要である。

現在ならワクチン接種事業が最たる例であるが、学校医や警察医、地域ケア会議、介護認定審査や夜間休日診療、健康や介護予防のための住民相談への協力など、地域には医師が果たすべき役割がある。

③継続性・責任性:コロナ禍において発熱時の初療に対応できるかどうかが、かかりつけ医療機関の責任性として問われる展開となった。

通院が難しくなったかかりつけ患者の往診や訪問診療を担当することがかかりつけ医の真骨頂であることは言うまでもない。24時間対応は訪問看護との連携、365日対応は診診連携によって担保するのが現実的である。

以上、かかりつけ医は地域の“資源”でもあり、地域が“病院”と呼びうる一つの共同体だという共通理解のもと、関係者間の協力体制確立が求められる。

かかりつけ医の機能を強化するための3つの軸

川越正平(あおぞら診療所院長)[かかりつけ医][地域多職種チーム][社会的処方][24時間365日対応]

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出典:Web医事新報

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