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ハンドル形車いす、7年で36件の死亡事故- 消費者庁が調査2016.07.26

セラピストプラス編集部からのコメント

2008年から14年までの7年間で、ハンドル形の電動車いすを使用中に発生した死亡事故は36件に上ったと消費者庁が発表しました。
道路の陥没に落ちるほか、川や海での死亡も見られ、便利ですが逆に意図せず発進しやすい構造や、一部足元が見えにくい形のものがあることが指摘されました。加えて使用する本人の身体適性や技能のチェックが必要だという意見も出されました。

 レバーとスイッチ、ハンドルなどで簡単に操作できる「ハンドル形電動車いす」(電動車いす)を使用中に発生した死亡事故は、2008年から14年までの7年間で36件に上ることが、消費者庁のまとめでわかった。消費者庁では、電動車いすの構造上の問題に加え、使用者の身体能力の低下やリスクへの認識不足も事故の要因となった可能性があると指摘。事故防止のためには電動車いすそのものの改良に加え、使う人の身体能力や適性の確認強化も必要としている。【ただ正芳】

■重傷まで含めた事故件数は51件

 消費者庁の消費者安全調査委員会によると、08年から14年までの間に、電動車いすを使用中に発生した死亡・重傷事故は51件あった。12年から14年の3年間に限っても、死亡・重傷事故は15件発生していた。なかには、川や海、道路工事中に掘られた穴に転落して死亡した事例や、遮断機の降りた踏み切りに進入し、電車にはねられて死亡した事例もあった。

 消費者安全調査委員会では、事故の要因として、アクセルレバーを倒すだけで動かせる便利さが意図しない発進を招き、重大事故につながっている可能性があると指摘。また、前輪近くの路面が見えにくく、事故を招きやすい製品が存在することも考えられるとした。

 特に踏み切り内の道で運転を誤り、線路に脱輪した場合は、そのまま動けなくなり、重大な事故につながることが考えられるとした。下り坂を走行中に発生した事故の要因としては、電動車いすの性能を超える急坂での使用や整備不良などが考えられると分析している。

 使用者がかかわる要因としては、「運転者の身体能力の低下」「使用環境へのリスクの認識不足」を挙げた。

■設計見直しやレンタル利用者への確認強化などを提言

 こうした分析結果を踏まえ、消費者安全調査委員会では、事故の再発防止策として、▽アクセルレバーを軽く押すだけで、意図しなくても発進してしまう設計の見直し▽前輪近くの路面が見やすい構造への改良▽最高速度を低く設定できる機能の追加―などを提言。機器の改良以外では、運転に必要な知識教育と技能訓練の実施を検討すべきとしたほか、特にレンタルで電動車いすを使う人に対しては、身体能力や運転適性の確認を強化すべきとした。また、踏み切り内での立ち往生を防ぐため、踏み切り道側面の改修も検討すべきとしている。

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出典:医療介護CBニュース

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