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高齢者虐待の背景に過重な業務とストレス- 介護職員にNCCUが調査2016.08.15

セラピストプラス編集部からのコメント

今年6月~7月にUAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)が訪問介護職員約350人を中心に実施した調査で、高齢者虐待の原因について質問したところ、理由として最も多くあげられたのは「業務の負担が多い」(54.3%)でした。ついで仕事上のストレスや人材不足となっています。虐待防止の研修についても45.9%が内容が不十分と回答していました。
NCCUの担当者は、まず直接指導する立場の勤務年数3-5年の職員の定着率をいかに上げるかが重要としています。

 介護職員が高齢者を虐待してしまう理由として、倫理観や知識の欠如よりも、人材不足に伴う過重な業務やストレスが大きい―。そんな調査結果を、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)がまとめた。また、9割近くの介護職員が虐待防止に関する研修を受けた経験があるものの、そのうち約半数が研修内容を「不十分」と考えているという結果も示された。【松村秀士】

 調査は、今年6月から7月にかけて、訪問介護の職員を中心に実施。348人から回答を得た。

 高齢者への虐待の原因について聞いたところ(複数回答)、最も多かったのは、「業務の負担が多い」(54.3%)だった。次いで、「仕事上でのストレス」(48.9%)、「人材不足」(42.8%)、「職業倫理や介護理念の薄れ」(35.3%)、「認知症ケアやアセスメントの活用方法などの知識不足」(29.6%)、「虐待に対する知識不足」(25.3%)などと続いた。

 上位2つの回答は、いずれも人手不足に起因するものであり、NCCUでは、「介護職員が虐待を起こしてしまう根本的な原因は、倫理観や虐待に関する知識の不足などではなく、人材不足であると推測される」としている。

 NCCUの担当者は、人材確保策について、「賃金アップや定期昇給などによって、特に指導的な役割を担う勤務年数3-5年の職員の定着率をいかに上げるかが重要」と指摘している。

■「形式的ではなく、中身のある研修を」

 調査では、虐待防止に関する研修の受講状況についても聞いた。その結果、社内の研修を受けている人は全体の64.9%で、社内・社外の両方の研修を受けている人は15.8%、社外の研修を受けている人は5.7%だった。ただ、何らかの研修を受けたことのある人に、その内容について聞いたところ、45.9%が「不十分」と感じていることも分かった。

 同担当者は、「形式的に行う研修ではなく、虐待の実態や知識などをきちんと伝える中身のある研修にする必要がある」としている。

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出典:医療介護CBニュース

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