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【識者の眼】「緊急事態宣言が解除されてからの当面の生活はどうなるのか」和田耕治2021.09.27

セラピストプラス編集部からのコメント

9月末で緊急事態宣言が解除される可能性がでていますが、リバウンドの可能性はいつでもあり、慎重に対応をしていくことが求められます。今回の【識者の眼】は和田耕治氏(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)が「緊急事態宣言が解除されてからの当面の生活はどうなるのか」と題して寄稿。

専門家の視点から、重点措置も含めて一気に解除となった場合、どういう生活を市民に求めるのかを具体的に示す必要があることを訴えています。

ワクチン接種や感染対策の推進があるとはいえ、デルタ株においても感染者を減少に転じさせられたことは今後において大きな自信にはなる。一方で、減少している時には感染拡大リスクの高い場へ行くこともやや楽観的になる。そうした圧力が自治体に及ぶと、Go Toに関連した事業も再開される。

9月末で緊急事態宣言が解除される可能性がでている中で、今こそ、自治体はその後に重点措置になった場合、一気に重点措置も含めて解除になった場合に、どういう生活を市民に求めるのかをそろそろ具体的に示す必要がある。リバウンドの可能性はいつでもあり、慎重に対応をしていくことが求められる。特に飲食や飲酒の場面は人数制限や時間をどうするか。移動などをどうするか。

冬に向けて鍵となるのはどこまでワクチン接種者の割合を増やせるかである。筆者は、自治体であったり、医療者はもっとワクチン接種を市民に呼びかけてはどうかと考えている。特に、ワクチン接種がどこでできるかわからない、接種券が見当たらない、予約をしたけどぜんぜんとれなくて諦めたような人に対してアプローチが必要である。

しかし、米国で行われたように、「宝くじ」など経済的なことで若者にワクチン接種を促すことは公衆衛生の観点からは好ましいことではないと考えている。もちろん、ワクチン接種をすることで、これまでできなかったことができるようになるというのは、接種のメリットがより具体的に伝わるとは考えている。

できることを議論するなかで、会食、イベントなどのハイリスクの場面をどうやってということが議論されがちだが、一方で感染拡大のリスクは比較的小さいのにまだ皆が遠慮していて実施できないようなことをもう少しできるようにする必要があると考えている。

特に、地方では、市民の間でお互いに厳しい対策を求めているところが多い。都市からの往来も厳しくされており、子供や孫に「帰省もしなくて良い」や「周りの目もあるので来ないでほしい」という対応が聞かれる。地元を守るということもあるのだが、こうしたことこそ、時期は分散化しつつ、ワクチン接種者などが地元へ戻るということはできるようにしていきたい。また、近くの温泉などに家族だけで密を避けながら行くということもできないわけではない。

我慢してきた人が少しでも、冬になる前にできなかったことができる時期を作りたいが、制限がないと、2〜3週間でリバウンドは起きえるだろう。

※この原稿は9月21日に執筆しました。

和田耕治(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)[新型コロナウイルス感染症]

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出典:Web医事新報

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