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「症例報告」など個人情報法の適用除外を- 日本医学会が厚労省などに要望書2016.08.24

セラピストプラス編集部からのコメント

2015年9月に改正された個人情報保護法が医療介護業界にも影響を及ぼしています。個人の病歴は、いままで個人の特定可能な情報は匿名化するなどして症例研究に利用されてきましたが、指針の変更により、患者さん本人の同意が必要となるかもしれません。
それにより症例の横断的研究が困難になる可能性を懸念して、日本医学会は関係省庁に医学研究についての個人情報取り扱いは慎重に検討してほしいと要望書を提出しました。

 日本医学会(高久史麿会長)は日本医学会連合と連名で、厚生労働省と文部科学省、経済産業省に対し、医学研究における個人情報の取り扱いを慎重に検討するよう求める要望書を提出した。昨年9月の個人情報保護法改正を受け、3省の合同会議で病歴などの情報の取り扱いに関する検討が進んでいることを踏まえた措置。病院などで行われている「症例報告」といった臨床情報の利用で患者本人の同意が必要となった場合、医学研究が停滞することを危惧している。【新井哉】

 人を対象とする医学系研究の倫理指針などでは、患者本人の同意を得なくても研究への利用や提供ができる仕組みとなっていた。しかし、個人情報保護法の改正を踏まえ、今年4月以降、3省の合同会議で指針の見直しを視野に入れた検討が行われている。

 要望書では、個人情報保護法の改正によって、原則として本人の同意を得ることが必要な「要配慮個人情報」に病歴も含まれるようになったことに触れ、指針の改正によって、例外規定を除き、医学研究で病歴を含む臨床情報の収集や利用、提供を行う場合、本人の同意が必要になることを懸念している。

 院内での検証や医学研究の論文などで使われる「症例報告」や、専門医試験に必要な「ケースレポート」は、指針の適用外とされているため、倫理審査などの手続きが必要ではなく、個人が特定できる情報は匿名化して利用してきたが、改正法が適用されると、本人の同意がなければ利用できない可能性がある。

 また、個人情報保護法の改正による指針の見直しが行われた場合、「医学研究および医療の基盤を支えるレジストリ研究が著しく阻害される可能性が非常に高い」と指摘。合同会議では、早急に結論を取りまとめることを避け、時間をかけて慎重に検討するよう求めている。

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出典:医療介護CBニュース

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