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介護保険料の負担対象拡大、反対続出- 介護保険部会2016.09.05

セラピストプラス編集部からのコメント

厚生労働省の介護保険部会で、介護保険の被保険者の対象年齢を引き下げることの是非について議論されました。
現在介護保険料は、40歳以上が負担しています。65歳以上で要支援・要介護状態であればサービス給付対象となりますが、40~64歳までは保険料負担はするものの、特定の疾病の人しか介護保険からの給付は受けられません。
介護保険料を支払う年齢の引き下げ議論については、反対意見が続出し、日本商業会議所の岡委員は「40歳未満の人には、むしろ支援が必要」であると発言しました。

 厚生労働省は31日、社会保障審議会介護保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)に、介護保険の被保険者の対象年齢を引き下げることの是非を論点として示した。被保険者の対象年齢が下がれば、現在は40歳以上に限定されている介護保険料の負担対象者の年齢も引き下げられる。これに対し、部会では「40歳未満には、(負担増より)支援が必要」「現段階では時期尚早」など、反対意見が続出した。【ただ正芳】

 介護保険の被保険者は65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上64歳以下の第2号被保険者で構成されており、介護保険料の負担対象も40歳以上に限定されている。このうち65歳以上の人は、要支援・要介護状態になればサービスの給付対象となるが、40歳から64歳までの人では、末期がんや関節リウマチなどの加齢による「特定疾病」の患者のみがサービスの給付対象となる。

 介護保険の被保険者の範囲については、保険料を負担する年齢層を拡大した上で、介護が必要な人には年齢を問わずサービスを給付すべきとする意見があり、過去の介護保険部会でも議論が行われた。こうした中、保険料を負担する40歳以上の人口が5年後の2021年をピークに減少に転じると見込まれていることもあり、厚労省は改めて31日の同部会に、被保険者の範囲の拡大の是非を論点として示した。

 これに対し、岡良廣委員(日本商工会議所社会保障専門委員会委員)は、現状では40歳未満の人は保険料負担の導入を納得しないとした上で、「むしろ(40歳未満の人には)支援が必要」とし、被保険者の範囲拡大に強く反対。佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)も、40歳未満の人が介護保険のサービスを受ける機会はほとんどないと見込まれることから、「『給付なき負担』は保険になじまない」と述べた。また、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)や齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)も、現段階での被保険者の範囲拡大を時期尚早と指摘。馬袋秀男委員(民間介護事業推進委員会代表委員)らは、このテーマについては税の在り方と一体的な議論が必要とした。

■現金給付の導入にも根強い反対論

 また厚労省は、過去の介護保険部会での議論を踏まえ、介護を必要とする人にサービスではなく現金を支給する方式(現金給付)を導入しているドイツの介護保険制度を紹介した。これを受けての議論では、栃本一三郎委員(上智大教授)がその導入を前向きに評価した一方、鈴木邦彦委員は「介護の社会化という、制度の理念が失われる」と反対する姿勢を示した。井上由美子委員(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事)や伊藤彰久委員(連合総合政策局生活福祉局長)も、導入に反対した。

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出典:医療介護CBニュース

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