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言語聴覚療法を変える! イギリスが開発中のテクノロジー2015.08.03

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なかなか成果が上がらなくても、言語聴覚訓練は根気よく続けることが大切。そう思う一方で、もっと効果的な新しい方法はないかと日々模索しているセラピストの方はたくさんいることでしょう。そこで気になるのが、言語聴覚療法に役立つ新しい技術。海外の最先端では、どのような研究が行われているのでしょうか? イギリスで開発中のテクノロジーを3つご紹介します。

自閉症児向けコミュニケーション支援ロボット「キャスパー」

ハートフォードシャー大学で開発中のキャスパーは、小さな少年の姿をしたロボット。自閉症児に社会性を身につけさせるための支援ロボットとして、2005年に誕生しました。話しかける、くすぐる、なでるなどの働きかけに対し、言葉、身振り、表情を返します。
自閉症児の訓練に焦点をあてているため、キャスパーの示す感情はとても明快。働きかけに対する反応の単純化には、自閉症児でもキャスパーの感情変化を予想しやすくするという狙いがあります。また、自閉症児が表情の読み取りにどれだけ時間がかかってもまったく不機嫌にならず、本物の人間のようには表情が複雑化しない点も機械の強みです。子どもたちは、キャスパーのまねをしたり人の表情について大人と話し合ったりすることで、ゆっくりと自分のペースでコミュニケーションを学べます。
最新バージョンのキャスパーは、ワイヤレスでより人間らしく、タブレットで操作できるようにもなりました。キャスパーはこれまで研究者の監督のもとで使われてきましたが、現在はそれらを学校や家庭で実際に使用してもらう段階にきており、研究者の補助なしでもしっかり役立つセラピーが行えるようシステムを改良中です。

失語症患者向けリハビリ支援コンピュータプログラム

脳血管障害の患者さんがしばしば陥る失語症。シェフィールド大学は、その長期的なリハビリに有効なコンピュータプログラムを開発しています。通常のセラピーとは切り口が異なり、患者さんを内側から訓練するシステムです。
このプログラムは、画像や言葉、音といった刺激を与えることで神経系に働きかけ、言語機能の再構築を助けます。たとえば、まずは単語を音声で聞き取って、それに合った画像を選択。次に単語を音声で想像し、発音の仕方をイメージ。そういった具合に、開発側によって計算されたステップを踏んでゆき、最終的には会話を目指します。
実際にこのプログラムを言語障害のある患者さんが試したところ、症状に改善がみられました。開発チームは現在、さらなる改善を目指して50名の患者さんから集めたデータを解析中です。

より人間の能力に近い音声認識システム

言語聴覚療法はもちろん、さまざまな分野で有用な音声認識技術は、音声合成技術とともにここ数十年でずいぶん発達しています。それでも、人間が自分の耳で音声を処理する能力に比べると、まだ十分にすばやく自然な反応ができるとはいえず、課題は山積み。ケンブリッジ、エディンバラ、シェフィールドの3大学は、これらの技術をより人間の能力に近づけるための研究に取り組んでいます。
機械が音声を意味のあるものとして認識するには、まず人の話し声を細かく分解することが必要です。次に、分解した音から、どの単語や文章が構成される可能性があるかを計算しなくてはなりません。そんな機械の解析訓練には、膨大な音声データが必要です。研究チームはBBC(英国放送協会)の協力を得て、歓声や音楽といったノイズの入ったトークショーから、早口の実況が流れるスポーツ番組まで、さまざまな音声の認識に挑戦しています。システムの環境適応力を高め、コンピューターがなるべく自力で学習する形に改良することが目下の目標です。

3つのテクノロジーは、今後どのような発展を遂げるのでしょうか? キャスパーの開発チームは現在、安価な家庭・学校用を販売するために投資家を募集中。リハビリ支援プログラムは、現バージョンのものが200以上販売され、主にNHS(英国民保健サービス)の運営組織で導入されています。また、音声認識システムの開発も、グーグルをはじめとした多数の企業との協力のもとに進められており、今後さらなる技術向上が期待できそうです。

 

【参考URL】

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