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ニューヨークの小学校で作業療法の需要が急増! 増加の現状とは?2015.08.17

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マンツーマン、グループ療法……あなたは1人で何人の患者さんを担当する自信がありますか? 近年、アメリカの小学校では作業療法の需要が急増し、セラピストは大忙し! その現状と原因、そして、現場で行われている作業療法の具体的な事例をご紹介します。

特別なケアを必要とする子どもが急増

2015年2月にニューヨーク・タイムズ紙が報じた情報によると、特別支援を必要とする子どもたちの数は、ニューヨーク市の公立校だけでも約42,000人。過去4年間で30%も増えています。5年前には3,800万ドル(約47億円)だった市の補助金も、5,800万ドル(約72億円)に増額。それでも対応は間に合っておらず、支援が必要な子ども全員を特別支援学校で受け入れられるわけではありません。幼稚園や個人でセラピーを受ける子どもたちの様子をセラピストが観察し、症状が軽度と判断された子どもはほとんど一般の小学校へ進学することになります。一般の小学校にも専属の作業療法士が配置されていますが、人数が少なく、手が足りていないのが現状です。

ケアが必要な子どもが増えている2つの原因

学校でセラピーを受ける子ども。放課後にセラピストの元へ通う子ども。そんな子どもたちが急増しているのはなぜでしょうか?
その原因の1つ目は、医療の発展です。ニューヨークや他都市の公式発表によると、医師による診断の精度が高まったことで、自閉症やアスペルガー症候群と診断される子どもが増えているとのこと。少しでも該当する症状があれば、もれなく診断される時代となっています。
そして、一部の教育者が指摘している2つ目の原因は、学校の授業内容です。現代の学校教育は、初期からとても学術的。4歳や5歳で、もう椅子に座り鉛筆を握って授業を受けることを求められます。しかし、まだそこまで成長が追いついていない子どももいるため、作業療法が必要と学校から判断されたり、親が進んで子どもにセラピーを受けさせたりするケースも増えているようです。

一人ひとりのためにできること

生まれ持った障害によって、授業に参加するのが難しい。そんな子どもたちに対する作業療法士の課題は、一人ひとりに必要なものを見極めて子ども達の課題をクリアすることです。

集中力を高める感覚支援用具

周囲の情報がうまく処理できず椅子に座っていることが困難な子どもには、しばしば感覚支援用具が有効に。ブルックリンにあるニューヨーク市第503公立小学校では、圧迫刺激で落ち着く子どもには圧力ベストを着せ、常に何かに触れていないと気が散る子どもには重みがあり手触りのよいブランケットを与えています。
また、マンハッタンのグレース・チャーチ・スクール(私立学校)が利用している、でこぼこのクッションもひとつの有効な方法です。これを椅子に敷くことによって、座っている間中、斜めにならないようわずかにバランスを取り続けることが必要となるため、子どもの気が散りにくくなるといいます。

身体機能を高める遊びと工夫

身体機能の発達が遅れている子どもに対しても、作業療法が有効です。ニューヨーク市第503公立小学校では、筋力強化にパズル遊びが用いられています。離れた場所に置かれたピースを探すために、車輪の付いたボードに乗って何度も往復する、ゲーム要素を含んだ訓練です。何段階にもわたるタスクをこなす訓練になると同時に、コアマッスルが鍛えられます。
また、ノートの行間に適切な大きさの字が書けないなど、指のコントロールに苦労している子どもには筆記面に傾斜をつけることが有効に。ここで手軽に使えるのが、バインダーです。閉じたバインダーの背表紙を子どもから遠くなるように置いて、その上で字を書かせると子どもの指に力が入りやすくなる場合があります。

子どもたち一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出すにはどうすればよいか。目の前の課題をクリアするために最も有効な方法は何か。幅広いアプローチで行われる作業療法は、今後もアメリカの小学校での需要が高まっていきそうです。

 

【参考URL】

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