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理学療法が不妊治療の助けに! 米クリニックが10年の研究結果を発表2016.02.22

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不妊は、とてもデリケートかつ深刻な問題です。今このときもありとあらゆる可能性に賭け、さまざまな治療法を試している患者さんがたくさんいます。理学療法もその治療法のうちの一つ。今回はアメリカの理学療法クリニックが発表した、不妊治療に対する理学療法の有効性についてご紹介します。

アメリカにおける不妊治療の実態と今回の研究

アメリカでは、約11%の女性が不妊に悩んでいるといわれています。そして約740万人もの患者さんが体外受精をはじめとした、非常に高価な治療を試してきたというのが現状です。
そんななか、フロリダ州やニューヨーク州などのアメリカ各地やイギリスのロンドンでも開院している理学療法クリニックグループ「クリア・パッセージ」が、10年間にわたって行った研究の結果を学術誌「Alternative Therapies in Health and Medicine」で発表しました。研究対象となったのは、子宮内膜症、卵管閉塞、多嚢胞性卵巣症候群などを含む、何らかの不妊の原因を抱えている女性1,392名です。これらの女性に理学療法を施した結果、それぞれの妊娠成功率に変化が見られたといいます。

※この研究における不妊患者の定義については、アメリカの疾病管理予防センターのガイドラインに則り、「35歳未満で、少なくとも12ヶ月以上不妊治療を続けている女性」および「35歳以上で、少なくとも6ヶ月以上不妊治療を続けている女性」とされました。

子宮内膜組織に働きかけるワーン・テクニックのねらい

この研究で施されたのはマッサージに近い、手で行う理学療法です。クリア・パッセージの理学療法士べリンダ・ワーンさんと、その夫であるマッサージ・セラピストのラリー・ワーンさんによって生み出された独自の技術であることから、夫妻はそれを「ワーン・テクニック」と呼んでいます。
ワーン・テクニックの主なねらいは、痛みの緩和です。不妊治療を受ける患者さんたちは妊娠のための物理的な条件が厳しいだけでなく、病気の影響で性交に痛みを伴う場合があり、それはときとして妊娠を阻害する大きな原因となりえます。そのため、痛みを取り除く理学療法が不妊治療に役立つというのです。また卵管閉塞の改善をはじめとした、その他の成果もあげられています。

セラピーの具体的な内容は、手で子宮内膜組織に穏やかな圧力を加えることです。その独自の技術によって、強く癒着している組織をはがし、本来の状態に戻せるよう働きかけます。また、筋膜を本来の状態に整える軟部組織セラピーも取り入れているそうです。
研究者はワーン・テクニックを不妊の根本的な原因である「性交に伴う痛み」「ホルモンバランスの崩れ」「子宮内膜症による組織の癒着」という、3つの要素の改善を図るセラピーと考えています。

不妊治療と理学療法を併用する患者さんが増える傾向に

今回の研究において、理学療法を受けた患者さんはそれぞれ20~60%の確率で正常妊娠に至ったということです。各患者さんが抱える問題やその状態により効果にバラつきがあるとはいえ、不妊に対する理学療法の有効性が認められる結果となりました。

残念ながら、不妊に悩むすべての女性に必ず効果がある解決法は発見されていません。研究者も指摘していることですが、不妊の原因は単純であったりとても複雑であったりさまざまなケースがあり、患者さん一人ひとりによって必要なアプローチは異なります。しかしながら専門家は通常の不妊治療に加え、理学療法を併用する価値があると話しています。実際、理学療法を試す女性が近年増えており、なかには腹部マッサージ、レイキ、鍼治療、カイロプラクティックなどを受ける人もいるそうです。

不妊に対する理学療法の効果についての研究はあまり行われておらず、ワーン氏は「今回発表した研究の規模は、これまでに実施されたもののなかで最大級だっただろう」と話しています。今後、さらに不妊治療の補助を目的とした理学療法技術が進歩すれば、不妊に悩む夫婦にとって心強いサポートとなりそうです。

 

【参考URL】

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