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2018年診療報酬改定までカウントダウン(その1)2018.03.05

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2016年改定のおさらい 加算と減算

文:塚崎朝子

 2018年度診療報酬改定まで、いよいよカウントダウン。2月、中央社会保険医療協議会(中医協)が、加藤勝信厚生労働大臣に改定案を答申しました(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000193003.html)。4月の改定は、6年ぶりの介護報酬との同時改定であり、団塊の世代が後期高齢者入りする2025年に向けて、大きな節目になります。超高齢時代を迎えて、国家の財源が厳しい状況にあって、評価の適正化を通じた地域包括ケアシステムの確立などが、大きな目標に据えられています。また、次期改定では、各都道府県が策定する地域医療構想や病床機能報告が出揃うため、それを受けて、どのように診療報酬に反映させていくかについても、より議論が深められました。

診療報酬本体+0.55%のプラス改定

 2018年度の改定率は、2017年末に正式に決まりました。診療報酬本体は、+0.55%のプラス改定ですが、薬価は-1.65%、材料価格は-0.09%で、これらのマイナス分を加味すると、全体では-1.19%のマイナス改定となりました。本体部分の0.55%は、国費ベースでは約600億円に相当します。中医協では、この使途を巡って細目の議論がされました。

表 2018年度診療報酬改定率

診療報酬本体 +0.55%=国民医療費ベースで約600億円増

医科 +0.63%
歯科 +0.69%
調剤 +0.19%

薬価・材料価格

薬価 -1.65%
材料価格 -0.09%

 前回2016年度の診療報酬改定を振り返りつつ、次期改定の方向性を探ってみましょう。前回改定では、「2025年モデル」の実現に向けて、以下の視点が重視されました。
 すなわち、①地域包括ケアシステムの推進と、病床の機能分化・連携を含む医療機能の分化・強化・連携、②かかりつけ医等の評価など、患者にとって安心・安全で納得できる医療の実現、③重点的な対応が求められる医療分野の充実、④効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高めること、という4つの視点です。これに沿って、「アウトカム」に重点が置かれたことも大きなポイントでした。
 前回改定におけるリハビリに関わる項目を、順に見ていきましょう。

2016年診療報酬改定のおさらい 加算項目

 まず、2016年に新たに設けられたのが、「廃用症候群リハビリ料」「リンパ浮腫の複合的治療法」の2項目です。
 廃用症候群リハビリ料ですが、従来から疾患別リハビリには、心大血管疾患、脳血管疾患等、運動器、呼吸器の各リハビリがあり、それまで脳血管疾患等リハビリの中で評価されていたのが、新たに独立した点数とされたものです。2014 年度改定における廃用症候群のリハビリ料は、他の疾患別リハビリ料などの対象でない場合にのみ算定可能でしたが、廃用症候群の特性に応じたリハビリを実施することを目指しています。
 算定要件は、原則として脳血管疾患リハビリ料(廃用症候群の場合)と変わらず、対象となるのは、「急性疾患等(治療の有無を問わない)に伴う安静による廃用症候群であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力及び日常生活能力の低下を来しているもの」です。標準的算定日数は120日で、施設基準は脳血管疾患等リハビリ料を届け出ていることです。
 リンパ浮腫の複合的治療料は、リンパ浮腫の治療を充実させるため、それを評価するための点数として新設されました。リンパ浮腫に対しては、それ以前はリンパ浮腫指導管理料(100 点、入院中1 回に限り算定)と弾性着衣の療養費支給が認められていました。そこに、指導管理料の実施職種として作業療法士が加わり、診療報酬として新設されました。
 対象となるのは乳がんなど、リンパ浮腫指導管理料の対象となる腫瘍に続発したリンパ浮腫で、国際リンパ学会による病期分類Ⅰ期以降の患者に対して複合的治療を実施した場合に算定できます。Ⅱ後期以降の患者は「重症の場合」に相当するため、この場合は月1回の算定が基本ですが、治療開始日の月から2カ月以内は計11回まで算定できます。
 専任の医師が直接行うもの、専任の医師の指導監督の下で専任の看護師、理学療法士または作業療法士が行うものに加えて、資格条件を満たせばあん摩マッサージ指圧師が実施することもできます。この場合は、専任の医師、看護師、理学療法士または作業療法士が事前に指示し、かつ事後に報告を受ける場合に限り算定できます。

 次に、2016年度改定では、リハビリ分野でもアウトカムが強化されました。
 まず、回復期リハビリ病棟におけるアウトカムの評価が重視されるようになりました。従来、回復期リハビリ病棟の診療報酬の算定基準は、療法士や看護師などの人的配置基準、患者1日当たりの提供単位数、365日リハビリ提供体制、重症患者の受け入れ率といった運営体制が中心になっていました。アウトカム指標では、重症患者の日常生活機能評価の改善率、在宅復帰率などが、一部取り入れられていました。
 2016年度改定で新たな算定基準として導入されたのは、日常生活動作(activities of daily living:ADL)アウトカム指標で、機能的自立度評価法(Functional independence measure:FIM)効率に準じたものです。疾患別の特性を、ある程度排除できると見られています。

2016年のおさらい 減算項目と変更

 加算ばかりではありません。減算された項目もありました。
 まず、要介護被保険者の維持期リハビリの診療報酬は、減算の対象となりました。診療報酬算定は、2014年度改定時には2016年度まで延長されていましたが、過去1年間に介護保険における通所リハビリなどの実績のない保険医療機関では、さらに 90%に減算されました。2016年度改定においても、算定は2018年度改定まで延長されることになりましたが、診療報酬は 60%に減算され、さらに維持期リハビリを提供する医療機関に介護保険のリハビリの実績がない場合は80%に減算となりました。

 医療保険から介護保険への移行を進めることも課題となっています。そのために新設されたのが、「目標設定等支援・管理料」です。対象は、要介護被保険者等で、脳血管疾患等リハビリ、廃用症候群リハビリ料、運動器リハビリ料を算定すべきリハビリ実施している場合に、目標設定の支援などを評価しようというものです。
 算定のためには、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士などの多職種が共同して、目標設定等支援・管理シートを作成し、患者に交付してその写しを診療録に添付する必要があります。さらに、医師が患者または患者の看護に当たる家族などに対して説明し、その事実および被説明者が説明をどのように受け止め、どの程度理解したかについての評価を診療録に記載しなくてはなりません。
 同管理料を算定してから3カ月間は、月に5日を超えない範囲で、医療保険と介護保険のリハビリを併給することができます。しかし、標準的算定日数の3分の1が経過した後に、同管理料を算定せずに疾患別リハビリを行う場合には、脳血管疾患等、廃用症候群、運動器の各リハビリ料は、90%に減算されます。また回復期リハビリ病棟入院患者でも算定できますが、算定しない場合は同様に減算されます。

 ADL維持向上等体制加算は、それまでの25点から80点へと、大幅に増やされました。同加算は、2014年度改定で新設されたものですが、点数が低いことに加えて、予定手術目的で入院した患者ではADLが低下するといった問題などもあり、普及しなかったのを充実させるのが目的です。なお、アウトカム評価として入退院時のADLを比較する際は、入院日から4日以内に外科手術を行い、外科手術の日から3日目のADLが入院時より30点以上低下した場合は、退院または転棟時におけるADLは、入院時のADLではなく、当該外科手術の日から起算して3日目のADLと比較するものとされました。
 施設基準は、専従の常勤療法士(理学療法士、作業療法士、常勤言語聴覚士など)が2人以上、または専従の常勤療法士1人と専任の常勤療法士など1人以上が配置されていることに変更され、算定要件として、退院指導、予後への教育活動・参加へのアプローチを示すという項目が追加されました。なお、算定できるのは、専従または専任者を含む5人以下の常勤療法士を定め、そのいずれかが当該病棟で実際に6時間以上勤務した日のみです。

 さらに、いくつかの変更がありました。
 早期からのリハビリを推進するため、疾患別リハビリ料の初期加算、早期リハビリ加算の算定要件などが見直され、評価が適正化されました。
 また、 回復期リハビリ病棟における体制強化加算は、施設基準が見直され、1従前通りですが、2は120点になりました。
 心大血管疾患リハビリ料の施設基準も見直され、心大血管リハビリ料(Ⅱ)は、20 点になりました。生活機能に関するリハビリの実施場所は拡充され、入院患者も対象になりました。運動器リハビリ料の評価の充実運動器リハビリ料(Ⅰ)も 5 点増えました。
 リハビリ専門職の専従規定も見直されました。さらに摂食機能療法の算定対象も明確化され、経口摂取回復促進加算2は20 点になりました。

(その2へ続く)

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