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第6回骨粗しょう症のお年寄りの運動促進には理学療法士の指導がカギ

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骨粗しょう症だから激しい運動はできない。そんな患者さんにこそ、無理のない運動習慣が求められます。病とうまく付き合いながら運動を続けることについて、患者さん本人はどのように考えているのでしょうか? その傾向を理解しておけば、理学療法士として指導する際により効果的なアプローチができそうです。
そこで今回は、米国理学療法協会(APTA)の学会誌『フィジカル・セラピー』より、骨粗しょう症の患者さんたちへのインタビューを分析した北欧の研究論文をご紹介しましょう。運動によって骨粗しょう症の患者さんの健康促進を図るヒントとして、ぜひ参考にしてください。

“You Have to Keep Moving, Be Active”: Perceptions and Experiences of Habitual Physical Activity in Older Women With Osteoporosis

「アクティブに、運動を続けるべし」。骨粗しょう症の高齢女性における、習慣的な運動についての理解と経験

Ing-Mari Dohrn, Karolinska Institutet
Agneta Ståhle, Karolinska Institutet and Karolinska University Hospital
Kirsti Skavberg Roaldsen, Karolinska Institutet and Sunnaas Rehabilitation Hospital

研究テーマ

身体活動(physical activity)、つまり日常生活における運動は、骨粗しょう症の高齢者にとって不可欠です。このため、医療関係者は、運動を促し患者さんが健康的な選択をするよう励ますという重要な役割を担っています。しかしながら、習慣的な運動には多くの要素が影響しており、骨粗しょう症の女性高齢者の間では、運動に関する認識や経験についての情報が限られています。
この研究の目的は、骨粗しょう症、バランス障害および転倒の恐れのある高齢者が、「運動」と「習慣的な運動に影響を及ぼす要素」についてどのような認識と情報を持っているか説明することです。

研究方法

この研究は、帰納的アプローチによる内容分析を説明的に用いた、質的インタビュー調査です。
情報提供者は、意図的に選ばれた66~86歳の女性18名で、いずれも、骨粗しょう症、バランス障害および転倒の恐れのある患者さんです。この研究のテーマとサブテーマを見つけるため、半構造化インタビュー(*)を録音し、文章におこしてから要約、さらに、分析しやすいようコード化しました。

(*)半構造化インタビュー:あらかじめ決めてある質問事項はあくまで基礎とし、回答内容に応じた会話運びによって自由な反応を引き出す面接手法。

研究結果

総合的なテーマとして見出されたのは、骨粗しょう症でありながらも健康を維持するための手段としての「身体活動」でした。
このテーマは、骨粗しょう症の患者さんが身体的に活発でいる「挑戦」と「実現性」という2つのメインテーマで構成されていました。これら2つのテーマは表裏一体であり、身体活動の妨げにも助けにもなりうる要素を持っています。
また、習慣的な運動に影響を及ぼしているのは、患者さん個人の「好み」と「骨粗しょう症に関する心配事」でした。これらのことから、運動による骨粗しょう症患者の健康促進を図るには、個々の事情に合わせた対応が重要であることがわかりました。

結論

情報提供者の女性たちは、骨粗しょう症でありながら健康を維持する手段として、運動が重要であることを理解しており、自分たちは運動すべきであると理解していました。また、彼女たちは骨粗しょう症特有の限界に順応し、運動に挑戦したり障害を乗り越えたりするための方法もあみ出していました。
さらに研究の中で、医師が運動を勧める姿勢に欠けていたり、運動に関する矛盾したアドバイスを行うことは、患者さんに不安を感じさせていることがわかりました。そんななか、個別またはグループの患者さんに対する、理学療法士の励ましと指導はとても重要な役割を果たしていました。

研究結果の限界

一部の結果は、文化的または社会経済的背景が異なる人には当てはまらない可能性があります。

Reprinted from Phys Ther. 2016;96(3):361-370, with permission of the American Physical Therapy Association. ©2016 American Physical Therapy Association. APTA is not responsible for the translation from English.
(この記事は、米国理学療法協会(APTA)の学会誌『フィジカル・セラピー』96巻3号361 ~370頁に掲載された論文の概要を翻訳したものであり、セラピストプラスが同協会の許可を得て作成および掲載しています。論文概要の著作権はAPTAにあると同時に、同協会は翻訳文について一切の責任を負いません。)

参考URL

米国理学療法協会・学術誌 『Journal of the American Physical Therapy Association』


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