「保険適用サービスから保険適用外(自費)サービスまで。包括的なボディメンテナンスを提供する『Studio&Cafe BALENA』」
公開日:2025.07.28

取材・文:増田洋子
株式会社NITTA JAPANは2020年1月、地域密着型通所介護事業を中心とした施設Studio&Cafe BALENAを横浜市青葉区に開設。
理学療法士、管理栄養士、看護師が常駐し、介護保険サービスから自費サービスまで提供。 ワンストップで包括的に利用者と顧客の身体の悩みに寄り添っています。
本記事では、理学療法士であり、代表取締役の新田智裕さんにサービスの詳細、開設の背景と経緯、多職種を採用する理由などの話を聞きました。

今回インタビューした方:新田智裕さん
神奈川県出身。 学生時代のけがと治療をきっかけに理学療法士になることを決意。 2007年に青葉さわい病院に入職し、2019年に退職。 同年7月に株式会社NITTA JAPANを設立し、代表取締役に就任。 2020年1月にStudio&Cafe Balenaを開設。
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目次
包括的に利用者、顧客の体の悩みに寄り添うサービスを展開

Studio&Cafe BALENAでは、どのようなサービスを提供していますか。
デイサービスを中心に、ボディメンテナンス、「理学療法士のいる靴屋さん」のサービス提供と、認定栄養ケア・ステーションの運営をしています。
月曜日から木曜日は終日、金曜・土曜日の午前はデイサービス、金曜と土曜日の午後は一般開放し、他の事業を行っています。 月間の利用者数は通所型デイサービスが約90人(延べ480人)、その他の事業が約300人、計約800人です。
「理学療法士のいる靴屋さん」とは、どのような事業ですか。
お客様の足をフィッティングし、最適な靴とソール調整を提供するサービスです。 アシックス商事株式会社(以下、アシックス商事)と提携し、アシックス製の靴を常時5種類、キッズ用を含む複数のサイズとカラーを提供しています。
腰や膝の痛み、巻き爪などが原因で歩行が困難な方には、商品の提供をするだけでなく、痛みを軽減するためのサポートまで提供できることが強みです。
このように話すと、体に何らかのトラブルを抱えている人しか受け付けていないように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。
お子さんのよりよい成長のサポートのために靴を購入されるご両親や、足の痛みやトラブルを未然に防ぐために購入される成人のお客様も来られます。
在籍スタッフの職種と人数を教えてください。
運営の主軸となっているコアメンバーは、理学療法士が5人、管理栄養士が常勤2人、非常勤2人の計4人です。
サポートスタッフは看護師、作業療法士、言語聴覚士、ヨガ・ピラティスのインストラクターなどが正社員、パートタイムを含めて21人在職しています。
加えて、外部での事業や企業案件で業務委託を行っている医療介護関連職種やネイリストなどの外部スタッフが25人います。
症状が発症、悪化する前から患者に関わりたいと思い、独立

Studio&Cafe BALENAの開設の背景ついてお聞かせください。
僕は急性期病院で13年間、理学療法士として勤務していました。 その中で、「もっと早くあなたと出会っていれば、こんなに苦労してリハビリをする必要はなかったのに」と言われることが多くあり、患者さんの症状が悪化する前から関われないことをもどかしく思っていました。
地域自治体、地域包括支援センターなどからの依頼で、フレイル予防や健康体操などの講演会に登壇し、啓発に努めていましたが、通常業務と並行して行うには限界を感じていました。
病院は身体に不具合が出て初めて行く場所で、病名が診断されてようやくリハビリをすることができます。
どの病院も本当は予防医療に力を入れたいと考えているのに、診療報酬につなげるのが難しいことから、なかなか有効な施策を打ち出せずにいます。
それならば、地域包括ケアシステムの一部として、病院と並走しながら予防に力を入れたいと思ったことが独立をした理由です。
珍しい業態のように感じます。開設をする上で、参考にした物事はありますか。
特に参考にした物事はなく、ユーザーインの考え方で事業を練り上げました。 病院勤務時代に「デイサービスに行きたくない。
レクリエーションをやりたくないし、そんなに弱っていない」という高齢の患者さんの声をたくさん聞き、そんな患者さんたちが退院後に徐々に弱っていくのを目の当たりにしていました。
そこで、まずは「高齢者」という概念を取り払い、だれもがまた来たくなるサービスと場所を創造したいと思い、デイサービスを軸とした他事業展開モデルの運営を決めました。
病院勤務時代には、8年間にわたり「リハビリと栄養」に関する研究を行い、フレイル予防の啓発にも積極的に取り組んできました。
その経験から、「リハビリと美味しい食事」が人々を元気に健康にしていくと確信していました。
その中で、当時日本栄養士会常任理事の田中弥生教授と運命的な出会いを果たし、10年の月日を経て、デイサービスでのクオリティの高い食事の提供と、カフェの運営、および認定栄養ケア・ステーションの開設も計画に取り入れました。
さらには、挑戦をたくさんしたいと思っていたことから、足の外科を立ち上げた理学療法士としての経験を生かし、「理学療法士のいる靴屋さん」と利用者の悩みに合わせた包括的なボディメンテナンスの提供を決めました。
アシックス商事とは、どのような経緯で提携するに至ったのでしょうか。
まずは、病院に在職中、アシックス商事が販売しているKNEESUP(ニーズアップ)というシューズラインナップの冊子監修を担当したというご縁がありました。
Studio&Cafe BALENA開所後、2020年5月に発令された緊急事態宣言時に、新型コロナウイルス終息後に来るであろうウォーキングブームに備え、アシックス商事に連絡しました。
すると、当社の事業に快く賛同してくださり、現在に至るまで提携をしていただいています。
スタッフの職種と人数が多い理由は「社内スモールビジネス」

スタッフの職種と人数が多く、職域が広い印象です。どのような意図がありますか。
当社では常に、一緒に楽しく働ける仲間を募集しています。 当社の事業は、介護事業が軸にあります。 この事業が基盤となり、安定した経営ができるからこそ、付随した事業に挑戦できます。
だからこそ、本職以外のスモールビジネスをしながら、収入につなげられる環境を提供できているのです。 こうした土壌から、自己実現や独立のための勉強を目的にさまざまな背景のスタッフが集まります。
一例を挙げると、看護師の資格を持つスタッフが、普段はバレーナのデイサービス事業に携わりつつ、デイの時間外でサービス高齢者住宅に出張し、肥厚爪や巻き爪に悩む方のケアをしてインセンティブを得るというケースがあります。
このように、自分の専門性や特技を生かしながら楽しく働くと、人は更に輝きます。 その好循環が浸透すると、利用者さんにも化学反応が拡がり、前向きな空気が生まれている様に感じています。
ただし、企業としてのバランスも大切です。 会社として成長を掲げて攻めるだけでなく、デイサービスが安心と安全の場であり、守りを固めてくれるスタッフも多数在籍してくれています。
スタッフ一人一人が常に成長を考えてくれていて、各々の裁量と判断で動いてくれる、攻めと守りのバランスを取りながら成長していける社内風土を作ってくれているスタッフには、心から感謝しています。
これからも私もスタッフも夢中になれる挑戦を続けていこうと思っているので、ご興味がある方は是非お気軽にコンタクトいただけたらと思っています。
利用者との印象的なエピソードがあれば教えてください。
膝の痛みから、ほとんど歩かなくなってしまった80代の女性が家族に連れられてやってきました。
彼女は病院で診てもらった際に「高齢だから痛みは仕方ない」と言われ、そのことに落ち込んでいた様子でした。
ところが、私が彼女の症状や、生活環境、痛みを抱えるまでの背景を見聞きしていると、歩くことに前向きになり、新しい靴を履いたときには「足が軽くなった」と喜んでくださいました。
理学療法士の仕事は、1に評価、2に評価、相手のことを深掘りしていくことで、潜在ニーズへの回答を導き出すことができます。
この女性のケースでは、靴が足にフィットしただけでなく、寄り添った対応をしたことも喜んでいただけた理由だと思っています。
その後、彼女は歩く距離を毎日少しずつ増やし、「旅行に行き、1万歩歩いた」という報告をいただけたときは、とてもうれしかったですね。
お客様が元気に歩けるようになることが、「理学療法士のいる靴屋さん」をやっていてよかったと最も感じる瞬間です。
全国の必要とする人にノウハウを届けたい

今後の展望についてお聞かせください。
大きく分けて3つあります。 1つめは事業所の展開です。 これから数年にかけて増やす計画を立てており、2026年中には横浜市内にもう1カ所開設する予定です。
2つめは、当社の事業を通じて培ってきた運動と栄養に関する事業ノウハウを、必要としている全国の施設様、企業様、人々に提供することです。
当社は複数事業を展開していることから、Studio&Cafe BALENAのように1カ所で複数の事業を展開するケース、効果的な1つの事業に選択を絞るケースまで、付加価値を高めるコンサルティングができることは強みだと感じています。
コンサルティングは企業様向けにとどまらず、起業したい方々へのスクールも実施しているので、仲間の輪を広げていきたいと思っています。
3つ目がYouTubeチャンネル『バレーナチャンネル』の認知拡大です。
このチャンネルでは、理学療法士や言語聴覚士などの医療介護スタッフが考案したシニア向けレッスン動画や健康情報を配信しており、現在の動画数は239本、約1万2千人の方にご登録していただいています(2025年6月取材時)チャンネルを使用していただける方だけではなく、ご出演いただける方も随時募集しているので、コメントをいただけたら嬉しく思います。
この3つによって地域と全国の方々の健康に直接的、間接的に寄与していきたいですね。
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