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第15回海外パラ選手の障害に配慮しないハードな練習にビックリ

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横浜市スポーツ医科センターの理学療法士・加藤瑛美さん。視覚障害者競技「ゴールボール」の日本代表チームトレーナーとして参加したリオデジャネイロパラリンピックでは、海外パラリンピック選手の様子に刺激を受けることもあったと言います。現地でのトレーナーの役割とは?

パラリンピック会場と選手村、トレーナーとしてそれぞれの役割


リオパラリンピックで連覇を目指した日本チームは決勝トーナメントで中国と対戦。

リオパラリンピックでは、コーチ登録で私もベンチ入りしました。試合中はボールがどこの位置にあるか、ラインが書かれていない場所でも50cm単位で把握して視覚障害のあるヘッドコーチやベンチ選手に伝える必要があります。コートでプレーしている選手たちはボールの中にある鈴の音で位置を確認していますが、私にはそれができないので、自宅で試合の動画を繰り返し見て、コートでの感覚を養いました。
 
現地では選手村に入れるスタッフの人数は制限があり、今回は選手の他にヘッドコーチと私などの3名が入村を許可されました。選手村に戻ったら、私はトレーナーとして選手のケアを行います。ゴールボールでは低い姿勢をとったり片側で投球したりするので、腰や腱板を故障しやすくなります。また選手は試合中、床に手をついて構えたり、ボールを前腕と掌で挟むように持つので、手首もけがをしやすいですね。けがから復帰してきた選手のことは、特に気をつけて見ています。
 

選手のケアは、短い人であれば10分から20分。長くても極力30分以内に終わるようにしています。疲労を残さないよう、選手には早く寝てもらいたいので。
ケアが終わったら記録を残して、その日のうちにヘッドコーチに報告。チームには鍼灸のトレーナーもいるので、鍼治療を希望する選手はそちらでケアしてもらうなど、二人で受け持ち人数を分担しながら仕事をしています。
 
こうしたケアの他に練習コートや移動のためのバス予約、食事や補食のおにぎりの手配など、日常生活のサポートを行うことも私たちスタッフの仕事です。

海外チームに帯同する理学療法士からも刺激を受ける


強化合宿ではトレーニング内容についてもPTトレーナーがプランニングに関わりました。

初めて参加したパラリンピックにはたくさんの刺激がありました。特に、選手村や競技会場で見かけた海外選手の様子には驚きましたね。オランダチームに帯同していた理学療法士のトレーナーは、選手と一緒に自分もトレーニングをするスタイル。身体をケアするコンディショニングではなく、トレーニング重視のスタイルもあるのだと知りました。
 
日本では麻痺のある人に激しいトレーニングをさせると、その麻痺が強くなってしまう可能性があるので避ける傾向にあります。しかしパラリンピックへ行けば、そこにいる全員がアスリート。世界で勝つにはパワーも必要なので、麻痺があっても身体を動かしていたり、マシントレーニングでも負荷を強くしている国もありました。
 
生活のためのリハビリをする患者さんに、障害を悪化させるリスクの高いトレーニングはしませんが、パラリンピック選手はアスリートです。身体の使い方だけではなく、アスリートとしてのパワーも必要だということにも、リオで気がつきました。(次回へ続く)

安藤啓一

安藤啓一(あんどう けいいち)

福祉ジャーナリスト。大学在学中からフリー記者として活動を始める。1996年アトランタパラリンピックをきっかけに障害者スポーツの取材をはじめる。夏冬パラリンピックや国内大会を多数取材。パラリンピック関係者に読み継がれている障害者スポーツマガジン「アクティブジャパン」「パラリンピックマガジン」記者などを経験。日本障がい者スポーツ協会発行誌『No Limit』などの媒体にも寄稿している。取材活動のほかチェアスキー教室講師としてもスポーツに取り組んできた。共著に「みんなで楽しむ!障害者スポーツ」(学習研究社)がある。


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