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第19回作業療法士として高次脳機能障害に向き合う
日産厚生会 玉川病院(その2)

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中森澪さん(27)
Profile
中森澪さん(27) 所有資格:作業療法士
2014年に新卒で玉川病院に入職し、現在は4年目。作業療法士として、臨床、回復期病棟のリハビリを担当。また、今年から新人指導、実習生の指導も行っている。趣味は旅行。

文:時吉裕子

高次脳機能障害のリハビリの特徴

玉川病院で主に脳卒中の患者さんのリハビリを行う中森さん。手など身体機能を治すリハビリのほか作業療法士として着替えや食事、トイレの練習など、患者さんが身の回りのことができるよう、入院から退院までの治療を行います。多くが2~3カ月や数カ月の入院で、1人あたりのリハビリ時間は長い方で1日あたり1時間40分におよぶこともあり、一人ひとりの患者さんと長いお付き合いになるそう。

「体が不自由になり手が動かなくなってしまった方や、高次脳機能障害で見た目は問題が無いように見えても、記憶力が落ちたり話がうまくできず困っているなどさまざまな患者さんがいらっしゃいます。
退院後、自宅に帰られる方もいれば、施設に行く方もいます。また介護が必要な状態で退院される方もいますので、退院先がどこなのか、そこでどういう生活を送るのかということを意識しながら、リハビリの内容を考えたりもしています」(中森さん/以下同)

高次脳機能障害の患者さんに、心がけていることは

高次脳機能障害を持つ患者さんのリハビリは、ケガなどによる一般的なリハビリとどのような違いがあるのでしょうか。

「一般的なリハビリは、ケガや病気で不自由になった身体機能を改善し、できなくなったことをできるように訓練するイメージだと思いますが、高次脳機能障害がある方は、体だけではなくて、記憶や注意力など脳を使うリハビリも必要になってきます。集中力や記憶力など回復を促すために作業活動を行ったり問題集やパソコンのアプリを使用したり、脳活ドリルなども利用します。また、障害を補うためにメモを活用して工夫することも、高次脳機能障害のリハビリです。定着するために毎日の積み重ねが大切です」

高次脳機能障害を持つ患者さんと接する中で、難しさを感じることや心がけていることをうかがいました。

「高次脳機能障害に対しての課題は集中力を要するものや、病前は簡単に取り組めたようなものなどさまざまにあります。できないことに落ち込むことや、問題集を解くこと自体がストレスになることもあります。その人の状態に合わせて難易度を工夫し、できた達成感を味わっていただきポジティブな経験を積み重ねるようにしています。
ただ、高次脳機能障害を持つ患者さんには、障害のあることをなかなか認識できない方も多いです。自宅で暮らすようになったとき、注意不足によるケガや事故の危険があるので、“気づき”を得ていただくことは改善のためにとても大事だと思っています。気づきを引き出せるように工夫しながら治療をしています」

患者さんと長く付き合う仕事だから、日々の気持ちの変化にも寄り添うことが大切と中森さん。

「リハビリを頑張れそうなときは、なるべく楽しい気持ちで行えるよう、明るく接するようにしています。ただ、ふさぎこまれてしまうこともあるので、リハビリを始める前に、今日はどうかな……とご様子をうかがうようにしていますね。

今日はやりたくないと言われたときは、お話をしてみたり、少し外の空気を吸いに行ったりします。回復期病棟では1回のリハビリを長い時間ご一緒するので、無理はせず、最後にちょっとリハビリができたらいいなという感じで進めます」

年4回の講演会、症例検討会でアップデートを図る

玉川病院は都から委託され、世田谷区・目黒区・渋谷区の中で区西南部高次脳機能障害者普及事業支援センターとして、高次脳機能障害を啓発する活動を進めています。

「高次脳機能障害者に関わる人々をサポートすることを目的に、年に4回、当院が中心となって講演会や症例検討会を開催しています。他院のセラピストや地域医療に携わる方などさまざまな職種の方が集まるので、リハビリの現場のことだけではなく、地域に戻ってから高次脳機能障害の方がどんなことで困っているかなど、患者さんのその後を知ることができ、とても勉強になります」

フラットでオープンなリハ室は、意識せずに連携できる

玉川病院では、理学療法士と作業療法士、ときには言語聴覚士も同じリハビリテーション室で患者さんの治療にあたります。そのため、リハビリ室は各セラピストとの連携や情報伝達を行いやすい環境です。

「オープンな環境なので、担当患者さんが他のセラピストと何をしているかがよく見えます。理学療法士が行うリハを確認して、内容が重なりすぎないように作業療法では別のリハビリをするなど臨機応変な対応ができますね。
また、リハビリ室がこぢんまりしていますし、スタッフの数も多くはないので、声かけや相談もしやすいです。いい意味で緊張しない、気軽な雰囲気があります。目に見えることと、意見交換ができることが、当院のリハ室のよいところですね」

最後に、回復期の作業療法士としてのやりがいをうかがってみました。

「高次脳機能障害の方に限らず、出来なかったことが出来るようになったり、嬉しそうな笑顔を見たりすると、私も嬉しくなります。
また、退院した方が来てくれて、生活の様子や『元気にしていますよ』というお話をしてくださったときは、よかったなあと思いますね」

タイムテーブル

中森さんの1日
8:00
病院到着
8:30
ミーティング
8:50
朝の業務開始
12:00
昼休み
13:00
午後の業務開始
17:00
一日のリハビリ終了
デスクワークや勉強会へ
18:00
帰宅
中森澪さん(27)

患者様の退院後の生活を想像しながら、日々のリハビリを行うよう心がけています。


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