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第24回がん患者に寄り添い、心もケアする
関東労災病院 中央リハビリテーション部(その3)

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金子美鈴さん(入職19年目)
Profile
金子美鈴さん(入職19年目) 所有資格:作業療法士
看護師の叔母にすすめられて、この世界へ。がん患者リハビリのチームに所属し、作業療法士として多くの患者と向かい合っている。趣味はバスケットボールと、着物を着てお出かけすること。

文:佐野勝大

地域がん診療連携拠点病院に指定されている「関東労災病院」では、がん患者のリハビリに力を注いでいます。そのがんリハビリ専門のチームに所属する、入職19年目の金子さんにお話を伺いました。

がん患者のリハビリは、生死にまっすぐ向き合うリハビリ

地域がん診療連携拠点病院に指定されている「関東労災病院」では、がん患者のリハビリに力を注いでいます。専門チームを設け、年間750人以上のがん患者をサポート。作業療法士の金子さんは、そのチームのリーダーとして活躍しています。

「がんによる手術や抗がん剤、放射線治療などの影響で、体力や筋力が低下する方。脳や脊椎(せきつい)への転移で手足が麻痺するほか、会話がしづらくなったり、食べ物を飲み込みづらくなったりと、さまざまな患者さんがいます。

理学療法士2名、作業療法士2名、言語聴覚士1名のチームで、このようながん患者さんのリハビリにあたっています」(金子さん/以下同)(2020年2月時点)

一般のリハビリと大きく違う点は、患者の容態が刻々と変化していくこと。特に緩和期の患者は、数日前にできていたことができなくなることも珍しくないそうです。

「患者さんの病態変化を見逃さないことが重要です。そのためにも、ドクターや看護師と密に連携しながら、日々リハビリを行っています。また、病態変化に応じて柔軟な対応力が求められるのも、がんリハビリならでは。ですから、私たち主導ではなく、患者さんが中心になるリハビリを強く意識しています」

がん患者の心のケアを行うのも、私たちのミッション

がん患者のなかには、悲観的になってしまう方も少なくないそうです。そういった方に寄り添い、前向きに生きるきっかけづくりをするのも、金子さんたちの大切な仕事のひとつ。つまり、がんリハビリのチームは、心身両面のリハビリに携わっているといえるのです。

「忘れられないのは、小さなお子さんを抱えながら、末期がんと闘っていた女性の患者さん。骨への転移により急に歩けなくなりました。歩くため、家族と共に生きていくためにリハビリを行っていたとき、『もう無理だよ』と諦め心を閉ざしてしまうことがありました。そこで、『お子さんのため誕生日プレゼントをつくりましょう』とご提案。革細工でのキーホルダーづくりに成功して、『自分にもまだできることがあるんだ』と自信を取り戻し、車イスから歩行器で歩き家事を行うまでになったのです」

院内でのリハビリだけが、金子さんたちの仕事ではありません。がん患者が職場復帰する際も、手厚くサポートを行っています。

「身体への負担が少ない通勤手段やルートを一緒に考えるほか、働き方のアドバイスを行っています。がん患者さんの職場を訪れ、会社側に理解を求めることも少なくありません。自宅を訪問して、住宅環境について助言を行うこともあります。この仕事は病院の枠を超えて、がん患者さんの人生に深く寄り添うことができるのです」

がん患者リハビリの新スタンダードを構築していきたい

5年ほど前に、主任に抜擢された金子さん。指導する立場として意識しているのは、部下の主体性を育むことだそうです。

「例えば、何かについて質問された際、すぐに答えを教えることはしません。ヒントを出すなどして、自ら気づき、考えるきっかけを与えるよう心がけています。一人ひとりが自らの頭で考えて、主体的に行動できるようになれば、職場全体のパフォーマンスが高まっていくでしょう」

金子さんに関東労災病院で働く魅力について伺ったところ、「やりたいことを実現できる自由な風土と、子育てと仕事を両立して行える温かい人間関係」という回答が返ってきました。車イスの快適さを高めるためにシーティングを導入するなど、新人のアイデアが採用されたこともあるそうです。

「がん患者さんに対するリハビリは、比較的新しい分野。自分たちの手で、当院のがんリハビリの基礎を確立したいと考えています。また、がん患者さん同士がお互いを高め合えるよう、ピアカウンセリングや集団療法も採り入れていきたい。さらに国に働きかけて、現行の医療制度のなかでは難しい、外来のがん患者さんに対するリハビリが行えるようにしていきたいです。まもなく入職20年目を迎えますが、まだまだこの病院で実現したいことがたくさんあります」

■ライタープロフィール
佐野勝大
編集者・ライター

雑誌編集者を経て独立。多数のウェブサイト・雑誌でインタビュー記事などを執筆。介護雑誌『介護のことがよくわかる本』の編集ライター、介護施設情報サイト、マイナビ介護職ライターなど、介護現場の取材を多く行っている。

タイムテーブル

金子さんの1日
8:00
病院到着
8:15
ミーティング
8:30
カルテチェック・情報共有
9:30
リハビリ業務
12:15
昼休み
13:00
リハビリ業務
15:30
患者さんのベッドサイドを訪問
16:30
カンファレンス
17:00
ミーティング、委員会に参加
カルテ記載やデータ入力など、業務あり
18:00
帰宅
金子美鈴さん(入職19年目)

1日に担当する患者さんは16~18人。ドクターや看護師、理学療法士、言語聴覚士と密にコミュニケーションをとりながらリハビリをすすめています。


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