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医療現場で求められる「敬語」とは?【第5回】

公開日:2017.05.22 更新日:2023.03.30

文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント

言葉は臨機応変に使い分けることが大切

今回からは日本語の中でも特に難しいとされる「敬語」についてお話しします。
敬語とは、相手に対する感謝の気持ちや敬う心を示すための言葉です。年長者や患者さんに対しては、基本的には敬語で話すことが求められます。しかし、ここで気をつけてほしいのは、相手がわかる言葉を使わなければ、いくら「正しい敬語を使えていても伝わらない」ということ。
セラピストの皆さんが第一に考えなければならないことは、患者さんにリハビリを「楽しい」「がんばってみよう」と思ってもらうこと。説明の際にも「正しい敬語が使えている」ということより患者さんがわかりやすさや丁寧さ、親しみやすさを感じる言葉遣いを意識することの方が大切だと思います。

「年長の方には正しい敬語を!」と気合を入れて敬語を使うことは大切かもしれませんが、言葉だけが先行しても意味がありません。多少、正しい敬語の使い方からは離れてしまったとしても、美化語やクッション言葉を上手く取り入れながら、臨機応変にそのときどきで最適な言葉を使えるというのが理想です。特に現場においては、クッション言葉のバリエーションを揃えておくとスムーズに会話が成り立つと思います。クッション言葉に、ふわりとしたぬくもりを添えることができれば、患者さんとはもちろん、医師や看護師をはじめとする他職種、同僚などとも良好な関係性を築きやすいでしょう。

言葉遣いは関係性によって変化していくもの

基本は丁寧語やクッション言葉で対応できますが、クレームの応対時など、万が一のときには尊敬語や謙譲語も必要になります。また、言葉遣いは関係性が深まるにつれて変化してくるもの。何度も会って相手が心を開き、気さくに話しかけてくれているのに、かたくなに敬語ばかりを使っていると、「冷たい」「距離を置かれている」と思われてしまいます。その基準や感じ方は人それぞれですので、まずは丁寧語でやりとりしながら、少しずつ相手の使う言葉に合わせていくことができるとベストでしょう。

いずれにしても、状況ごとに正しい言葉を使い分けられるようになるためには、基本となる言葉遣いをきちんと理解しておくことが大切です。

村尾 孝子(むらお たかこ)

薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。

マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。

株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/

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