メールマナー⑯気遣いのあるメールとメールマナーまとめ【第96回】
公開日:2024.11.29
文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント
前回までメールの書き方について説明してきましたが、最後にメールを書くときの気遣いについてお伝えしたいと思います。
メールは送る側も受ける側も、自分のタイミングで読み書きができる便利なツールです。
とはいえ業務で忙しい中、大量のメール対応が続けば、気持ちに余裕がなくなって素っ気ないやりとりに終始してしまうかもしれません。メールを効率的に使う上で、相手を気遣うひと言が良い印象を作ったり信頼関係を築くきっかけになったりします。
今回は気遣いのあるメールにするためのポイントをまとめてみます。
クッション言葉を入れる
お願いごとや依頼の用件を伝える際、自分の都合ばかり説明するのでは相手が不快に感じるかもしれません。そんな時、相手を気遣うクッション言葉を入れることで、言葉の印象が変わります。
・相手の意向を尋ねるとき
「もしよろしければ」
「ご都合がよろしければ」
「お差支えなければ」
「こちらの都合ばかりで恐縮ですが」
「勝手を言いまして申し訳ございませんが」
「ご面倒をおかけしますが」
「お手数をおかけしますが」
「お忙しいところ申し訳ございませんが」など
感謝の気持ちを伝える
ビジネスメールで用件を伝えるのは当然ですが、相手に対する感謝の気持ちを伝えることも大切です。感謝の言葉に「心より」「深く」などのひと言を加えることで、「心の底から」などのより強い思いを伝える効果があり、良好な関係性を築くことにつながります。
「○○の件では大変お世話になりまして、心より御礼申し上げます」
「日ごろからお心遣いをいただき、深く感謝いたしております」
「○○をご提案くださり、ただただ感謝の思いでいっぱいです」
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③再会を待つ言葉や健康を気遣う言葉を入れる
メールでのやり取りを終える際は、再会を待つ言葉や相手の健康を気遣う言葉を入れましょう。ちょっとした一言でも受信側は温かい気持ちでメールを読み終えることができます。
「次回お目にかかれるのを楽しみにしております」
「またお目にかかれますことを心待ちにしております」
「時節柄、より一層のご自愛のほどお祈りいたします」
「お体にお気をつけてお過ごしください」
ここまで、16回にわたってメールマナーについて説明してきました。
セラピストがビジネスメールに関わる時間はそれほど多くないかもしれませんが、限られた業務時間を効率的に使うためにも、メールマナーを正しく理解し身につけることは大切です。
開封してもらい、読んでもらい、返信してもらえるメールを書くには、相手への気遣いや配慮も欠かせません。
患者さんや医療者等々と円滑なコミュニケーションができるよう、メールマナーを守って積極的にメールを活用してほしいと思います。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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