セラピストにふさわしいヘアスタイル・ネイルとは(女性編)【第22回】
公開日:2018.07.02 更新日:2023.03.30
文:村尾 孝子
薬剤師/医療接遇コミュニケーションコンサルタント
医療現場では髪は「不潔領域」
前回の制服の時にもお話ししましたが、セラピスト、つまり医療人にとって最も重視すべきポイントは「清潔かどうか」であり、ヘアスタイルについても清潔感がポイントになってきます。
大前提として、髪というのは不潔領域なので、目にかかる前髪をかき上げたり、耳に掛けなおしたりしなければいけないような髪型はNG。「髪を触った手で私に触れて欲しくない」と思う人は多いですし、何より髪をかき上げるなどの動作は施術の邪魔になります。
髪が長い場合はきちんとまとめ、前髪は目にかからない長さにするか、ピンでとめるなどの工夫をしましょう。
ヘアカラーはせず、自然なままの髪色がベスト
ヘアスタイルでよく問題になるのが髪の色です。ヘアカラーでいろいろな髪色を楽しむのがかなり一般的になってきたとはいえ、明るすぎる髪色をよしとしない人もまだまだ大勢います。特に、リハビリが必要な患者さんの多くは高齢者です。若い人たちが「これぐらいなら問題ない」と考える髪色を「茶髪」「派手」などととらえられてしまう可能性が高いです。
病院によってはカラーチャートで明確に「〇トーンまで」と決めているところもあるようですが、定められていないようなら自己判断になります。
ここで私からの提案ですが、もし、あなたが「多くの患者さんに信頼されるセラピストになりたい」と考えているなら、ベストな選択は「ヘアカラーはしない」です。人によって見方が異なるヘアカラーについてあれこれ思い悩むよりは、ほぼすべての患者さんが「問題なし」と判断する自然なままの髪色にするのが一番だと思います。
なお、ネイルについては病院の規定がある、なしに関わらずなにもしないのがベストです。時には手や指に力を入れて患者さんを支えなければいけないこともあると思いますので、万が一にも患者さんを傷つけないよう、爪はこまめに切って短く清潔さを保ちましょう。マニキュアやジェルネイルなどはつけない(例え薄い色であっても)こと。どうしてもネイルを楽しみたいという人は、お休みの日限定のおしゃれにしましょう。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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