臨床検査技師とは?具体的な仕事内容から向いている人まで徹底解説!

更新日 2023年02月15日 公開日 2018年08月26日

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医師の指示のもとで、診療に必要なさまざまな検査を行う臨床検査技師は、医療技術・検査技術の進歩が著しい現代において、注目度の高い職業です。また、臨床検査技師は専門性が高く高年収を狙えるため、みなさんのなかにも臨床検査技師としての就職・転職を考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、臨床検査技師が医療現場で担っている役割や、臨床検査技師の平均年齢、年収、仕事内容について詳しく説明します。臨床検査技師を目指している方や、臨床検査技師に興味のある方は、キャリアプランを考える際にお役立てください。

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臨床検査技師とは?役割から主な勤務先まで

臨床検査技師とは、医師の指示のもとで、病気の診断や治療に必要な臨床検査(採血、生物学的な検査など)を行い、医師に検査結果を提供する専門職です。臨床検査技師は、MT(Medical Technologist)という略称で呼ばれることもあり、現場で活躍するには国家試験に合格する必要があります。

医療機関では、患者さまに対する適切な診断や治療が求められますが、根拠に基づいた診断、治療を行うには、正確な検査データが不可欠です。そうしたなか、「検査のスペシャリスト」としてさまざまな臨床検査を実施し、病気の早期発見、早期治療に努めるのが臨床検査技師の役割となります。

医療の高度化、分業化が進む現代においては、検査技術も日々進化しています。そうした点からも、臨床検査技師は医療現場に欠かせない存在と言えるでしょう。

臨床検査技師は、病院やクリニックなどで勤務するのが一般的ですが、なかには健診センターや保健所、臨床検査センター、製薬会社などで活躍する臨床検査技師もいます。

以下は、臨床検査技師の代表的な勤務先です。

  • ・病院やクリニック
  • ・健診センター
  • ・保健所
  • ・大学の研究室や専門学校など教育機関
  • ・臨床検査センター
  • ・製薬会社や医療機器メーカー

複数の診療科を持つ総合病院で働く場合は、より幅広い検査技術や知識を身に付けることができるでしょう。また、臨床検査センターや研究室に勤務すれば、先端の検査機器を扱うことができます。どの職場においても、臨床検査技師としての資格・知識を生かした働き方ができるため、まずは自分に合った職場を探してみましょう。

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臨床検査技師の平均年齢

臨床検査技師の平均年齢は、勤務先の施設規模によって異なります。以下は、施設の規模別に「臨床検査技師の平均年齢」を表にまとめたものです。

施設の規模 平均年齢
10~99人 男性 48.4歳
女性 41.2歳
100~999人 男性 44.2歳
女性 41.6歳
1,000人~ 男性 41.2歳
女性 40.1歳

(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

規模の大きい施設のほうが、新卒を積極的に採用している傾向にあり、平均年齢もやや低めとなっています。

臨床検査技師の平均年収

臨床検査技師の年収は、性別によって異なります。以下は、「男女別の平均年収」を表にまとめたものです。

性別 年齢 勤続年数 平均年収
男性 43.0歳 15.0年 約550万円
女性 41.0歳 11.7年 約472万円

(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

臨床検査技師の平均年収は、女性よりも男性のほうが高い傾向にあります。なお、年収は勤続年数や役職の有無などによって異なるため、20代のうちは、男性でも年収300万円台になるケースが少なくないでしょう。

その点を踏まえれば、同じ職場に長く勤務し、臨床検査室長などの役職に就くことで、女性でも高収入を狙うことができると言えそうです。

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臨床検査技師の具体的な仕事内容

臨床検査技師の仕事内容は、検体検査と生理機能検査の2種類に分かれます。検体検査と生理機能検査では、検査する対象や目的、使用する医療機器が異なるため、それぞれの違いを正しく把握することが大切です。

ここからは、検体検査と生理機能検査の内容について、具体的に解説します。

検体検査

検体検査では、血液、尿、便、細胞組織など、患者さまから採取した検体を使って検査を行います。 検体検査は、血液検査や生化学検査、病理検査など、さまざまな部門に分かれており、顕微鏡や検査機器を使って細菌、ウイルス、がん細胞の有無などを調べます。

以下は、検体検査の代表的な検査内容です。

一般検査 患者から採取した尿、便などを調べることで、腎臓、肝臓、消化器の異常を検査します。
血液検査 患者から採血した血球成分(白血球、赤血球、血小板など)を調べることで、貧血、炎症といった体内の異常や病態を検査します。
生化学検査 血中の糖質、脂質、たんぱく質、ビタミンなどを調べることで、臓器の異常を検査します。
輸血・臓器移植検査 輸血のための血液型検査や交差適合検査、臓器移植のための臓器適合検査などを行います。
免疫血清検査 検体の免疫機能の状態を調べることで、体内に入ったウイルス、細菌などを特定します。
病理検査 患者から採取した臓器や細胞の組織から顕微鏡標本を作製し、がん細胞などの悪性細胞がないかを検査します。
遺伝子検査 DNAの情報を調べることで、生まれつきの体質や病気のリスクなどを検査します。

なお、検体の採取は「医療行為」とみなされるため、医療機関でしか行えません。ただし、採取した検体の保存条件(時間、温度など)が適切であれば、医療機関外でも検査を行うことが可能です。そのため、多くの医療機関では、検体検査の一部もしくはすべてを外部検査施設に委託しています。

生理機能検査

生理機能検査とは、電図検査や脳波検査、超音波など、患者さまの身体を直接調べる検査のことで、「生体検査」とも呼ばれます。心臓、脳、神経といった体表面からの診断が難しい器官の場合、生理機能検査を行うことで、患者さまのリスクを最小限に抑えながら、異常や病態を調べることができます。

以下は、生理機能検査の代表的な検査内容です。

心臓系検査 心電図、心音図、脈波などを検査して、心疾患の診断、ペースメーカーの機能評価などを行います。
脳波検査 頭皮に電極を装着し、脳の電気信号を記録することで、腫瘍や外傷、血管の異常などを調べます。
神経機能検査 身体に取り付けた電極から電気刺激を与え、運動神経や感覚神経、筋肉の反応や電機活動などから神経障害の有無を調べます。
呼吸機能検査 肺活量、肺機能などを検査して、肺や気管、気管支における障害の有無を調べます。
エコー検査 身体に超音波を当て、その反射波によって臓器や血管、胎児などの状態を調べます。

生理機能検査では、患者さまの身体に直接触れるため、相手に不安を与えないようにしっかりとコミュニケーションをとる必要があります。

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臨床検査技師に向いているのはどんな人?

臨床検査技師は検体検査、生体検査などのさまざまな業務に携わります。だからこそ、臨床検査技師として働く際には、自身の適正や得意な業務を把握しておいたほうが、効率よくスキルアップ・キャリアアップを目指せるでしょう。

ここでは、臨床検査技師に向いている人について解説していきます。

ただし、以下の項目に当てはまらないからといって、臨床検査技師に向いていないわけではありません。業務をこなすなかで知識やスキルを磨いていけば、臨床検査技師として活躍することは十分可能なので、あくまで「自分の得意・不得意を知るための指針」としてご活用ください。

〇的確な観察・判断ができる人
臨床検査では、顕微鏡標本や機器のモニター画面を観察し、患者さまの身体に異常がないかを分析します。言うまでもないことですが、その際に集中力を欠いて異常を見逃してしまっては、医師に正しいデータを伝えることができません。的確な観察を行うためにも、臨床検査技師には高い集中力と判断力が求められるでしょう。

○学ぶことが好きな人
臨床検査の世界は日々進歩していているため、臨床検査の結果を正しく判断するには、常に勉強する姿勢が必要です。
「国家資格があるから」といって慢心せず、新しい症例・新しい手法を学ぼうとする意欲がある方は、臨床検査技師に向いています。加えて、進化する医療機器を柔軟に使いこなせる適応力も、大事な能力の1つでしょう。

〇チームプレーができる人
臨床検査技師に対して、「黙々と作業をする職種」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし近年の医療現場では、チーム医療が推進されており、臨床検査技師も医師や看護師、その他の医療スタッフと密にコミュニケーションをとり、情報を共有する必要があります。そのため、臨床検査分野の専門家としての立場から、積極的に情報を伝えられる方が、臨床検査技師に向いていると言えるでしょう。

また、前述したように、生体検査では患者さまと接する機会が多いため、医療機関に勤務する臨床検査技師には、コミュニケーション能力も求められます。

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まとめ

臨床検査技師は、病気の診断や治療に必要な臨床検査を行い、医師に検査結果を提供する検査のスペシャリストです。病気の早期発見、早期治療だけでなく、予防医療にも貢献できる大事な職種であるため、「臨床検査技師を目指したい」と考える方は、年々増加傾向にあります。

臨床検査技師の平均年齢や平均年収は、施設の種類や規模によって異なりますが、知識やスキルを磨き長年勤務することで、高収入を狙うことも可能でしょう。

臨床検査技師は、観察力や判断力、コミュニケーション力が求められる難しい仕事ですが、その分やりがいの大きい仕事でもあります。臨床検査技師に興味のある方は、ぜひマイナビコメディカルにご相談ください。

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監修者プロフィール

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