本土とは違う独特な文化、ゆったりとした空気感、エメラルドグリーンに輝く海。そのようなリゾート地として大きな人気を誇っている沖縄県に転職して、臨床検査技師として働きたいと思っている方は多いでしょう。
しかしどのような仕事においても、「実際に働いてみると、イメージとは違った」というケースが後を絶ちません。そこで今回は、沖縄県の臨床検査技師の特徴と求人情報についてご紹介します。自分の理想にしっかり適した環境で、臨床検査技師として活躍したいという方は、ぜひ参考にしてください。
1. 沖縄県における臨床検査技師求人の特徴
平成30年現在、沖縄県の臨床検査技師の求人状況は、求人数よりも応募数の方が多い傾向にあります。また沖縄県は、臨床検査技師の平均年収が全国で1番低いエリアで、給与よりも仕事内容を重視していることが特徴です。
そのため、「高い収入よりも、働きやすい環境を重視する」という方にとって、沖縄県の臨床検査技師は向いていると言えるでしょう。
しかし、沖縄県という土地に知識がない方にとって、沖縄県にどれほどの医療機関が存在するのか、どのような人材が求められるのかが分からないという方も多いでしょう。
まずは、臨床検査技師が活躍できる沖縄県の医療機関数や、歓迎される経歴・スキルをご紹介します。
1-1. 沖縄県の臨床検査技師が働ける医療機関数
平成30年3月に行われた医療施設動態調査のデータによると、現在、沖縄県にある病院などの医療機関施設は1,601件です。しかし、すべての施設で臨床検査技師の求人を出しているわけではありません。
また主要都市である東京・大阪・福岡の医療機関施設数は以下の通りです。
主要都市と沖縄県の医療施設数を比較した上記のデータを見ると、沖縄県は医療機関施設が圧倒的に少ないことが分かります。
1-2. 臨床検査技師免許以外で歓迎される経歴・スキルは?
沖縄県で募集されている臨床検査技師求人の中には、経験不問や医療資格がなくても、問題なく応募できることが少なくありません。
しかし前述した通り、沖縄県の臨床検査技師求人は求人数よりも応募数の方が多いため、臨床検査技師免許以外の経歴やスキル・資格を持っていた方が有利だと言えます。
その経験・スキルは、主に「腹部エコー・心エコー経験」です。
腹部エコー・心エコーとは、治療前に音波によって心電図などを測るための検査のことです。未経験でも業務に問題はありませんが、エコー経験者であれば、少なからず教育する手間が省けるため、優遇される可能性は高くなっています。
とは言え、「働きやすさ」を重視している沖縄県の臨床検査技師求人には、シニア・ブランク可・未経験者歓迎といった求人も多くあります。必ずしも、業務経験やスキルを持っていなければ応募できないというわけではないため、安心してください。
2. 【沖縄県】臨床検査技師の平均給与
冒頭でもお伝えした通り、沖縄県の臨床検査技師の平均年収は、全国で1番低いです。しかし、平均年収が低いのには「ある理由」があります。
ここからは、厚生労働省が出している「地域別の最低賃金状況のデータ」もふまえて、より詳しく沖縄県の臨床検査技師の平均給与について解説します。
2-1. 沖縄県の臨床検査技師が働ける医療機関数
厚生労働省の調査による、平成30年度の地域別最低賃金状況のデータを見てみると、沖縄県は、762円となっています。これは、47都道府県の中で2番目に低い最低賃金です。
そして主要都市である東京・大阪・福岡と比較してみると、ご覧の通りです。
地域が異なるだけで、これだけ最低賃金も変わります。特に東京都は、最低賃金にも関わらず200円以上の差があるため、どのような職業であっても、給与に大きな差が出てしまいます。
2-2. 臨床検査技師の平均年収
厚生労働省の調査によると、臨床検査技師の平均年収は約470万円で、平均月給は32万円前後となっています。しかしあくまでも全国の臨床検査技師の平均年収であり、沖縄県の臨床検査技師の平均年収ではありません。
(出典:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html)
基本的に沖縄県では、どの職業であっても給与が低い傾向にあります。
そのため、沖縄県の臨床検査技師の平均年収も全国の平均と比べると低く、求人サイトで記載されている情報では、正社員で年収が約280万円の臨床検査技師求人が多くなっています。
年収280万円を月収に換算すると、月の平均給与は約23万円です。とは言え、あくまでも平均給与であり、能力や勤務年数によって昇給する可能性があるということを覚えておきましょう。
3. 【沖縄県】臨床検査技師の求人が多いエリア
沖縄県で臨床検査技師の求人が特に多いエリアはやはり、県庁所在地である「那覇市」です。県庁所在地というだけあり、人口が最も多く、医療機関施設数も多いエリアとなっています。もちろんその分求人数も多く、大きな医療施設からの求人もあるため、給与面でも期待が持てるでしょう。
また、那覇市以外でも臨床検査技師の求人はあります。その中でも、比較的求人数が多いエリアは、以下6つの市区町村です。
- ・豊見城市
- ・沖縄市
- ・宜野湾市
- ・浦添市
- ・うるま市
- ・糸満市
そして上記6つの市区町村の中でも、求人数が特に多い市区町村は「豊見城市」です。
豊見城市は那覇市の隣にあり、比較的栄えている地域だと言えるでしょう。電車やバスなども多く通っているため、交通面も便利です。
しかし、お仕事において特に重要なのは交通面ではなく「働きやすさ」でしょう。比較的求人数が少なく、平均年収も低い傾向にある沖縄県では、臨床検査技師に限らずどのお仕事においても働きやすさを重視しています。
好条件の求人が掲載された際は、すぐに応募される可能性があるため、地域を絞り込みすぎず幅広い地域からピックアップしてみることをおすすめします。
まとめ
沖縄で臨床検査技師として働くことは、東京・大阪・福岡などに比べると、給与の面では見劣りがあります。医療施設数の少なさに伴って求人数も少ない傾向にあるため、必ずしも自分にぴったりの求人がすぐに見つかるというわけでもありません。
しかし、有利な経験やスキルを持っていれば、採用率が高くなるだけでなく、優遇される可能性もあります。ここまでの内容を参考に、ぜひ理想に適した沖縄県の臨床検査技師求人を探してみてください。
※当記事は2019年8月現在の情報を基に作成しています