近畿地方最南端にある和歌山県は近畿2府4県でもっとも人口が少ないものの、医療資源のレベルが高いとされる県のひとつです。
和歌山県の人口あたりの作業療法士や理学療法士などの数は、多くの地域で全国平均と同レベルかやや多めとなっています。しかし一部地域では医療・介護従事者が不足しており、県は人材確保と育成に向けてさまざまな施策を講じています。そのため、今後県内の作業療法士数は増えていく見込みです。
今回は、和歌山県における作業療法士求人の特徴や作業療法士求人が多いエリアなどについて解説します。
1.和歌山県における作業療法士求人の特徴
令和3年4月末時点で、和歌山県内の病院数および一般診療所数は以下のとおりでした。
県内病院数は83であり、近畿では大阪・兵庫・京都に次いで4番目に多くなっています。一方で一般診療所数は1,018であり、近畿ではもっとも少ない結果となりました。
和歌山県では2030年に後期高齢者の数がピークを迎え、2040年には5人に2人が高齢者となる見込みです。こうした状況を踏まえて和歌山県は「わかやま長寿プラン」を策定し、高齢者の認知症・介護予防や自立支援などに取り組んでいます。
(出典:和歌山県「わかやま長寿プラン」/
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/040300/plan/)
これらの取り組みの一環として、リハビリ業務を行う作業療法士や理学療法士人材への需要が高まっています。2021年8月時点で、マイナビコメディカルで取り扱っている和歌山県の作業療法士求人数は、次のとおりです。
県内でもっとも多い求人は、病院・クリニックからであり、その次に介護福祉施設と訪問看護ステーションからの求人が多い結果となりました。
なお、求人を出している病院には精神科病院も含まれます。作業療法士が扱う範囲は、心身機能回復と自立的な日常生活の実現に向けたリハビリ指導全般です。そのため、回復期の精神疾患患者や知的障害・発達障害を持つ人向けのリハビリに特化した作業療法士も少なくありません。
次に、和歌山県における作業療法士求人のおもな特徴について解説します。
●和歌山県における作業療法士求人の特徴(1)正職員・正社員求人が多い
大手法人が運営する施設では賞与や各種手当が充実しており、正職員として長く働き続けやすい環境が整っています。わかやま長寿プランでは、医療従事者のキャリアアップ支援やICT導入による負担軽減を図っており、作業療法士の労働環境も今後ますます改善されるでしょう。
●和歌山県における作業療法士求人の特徴(2)年間休日120日の求人が多い
労働基準法では、少なくとも年間105日の休日を設けるよう定めています。年間休日120日は最低ラインより約2週間休日が多くなり、ほぼ土日祝日休みとなります。正職員はどうしても労働時間が長くなりがちですが、休みをたくさん確保することでワークライフバランスを保ちやすくなるでしょう。
2.【和歌山県】作業療法士の平均給与
下記は、和歌山県および全国の作業療法士の平均年収を比較した表です。なお、下記の給与額は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の統計値となります。
県内における作業療法士の男女平均年収は全国平均を約31万円も上回っており、男女平均および男性平均は近畿2府4県で最高となりました。また、令和2年賃金構造基本統計調査によれば、和歌山県の作業療法士の平均月収は約30万円です。
なお、上記の金額はあくまで平均値であり、勤務先の待遇や勤続年数によっては平均以上の収入を得ることもできます。
3.【和歌山県】作業療法士の求人が多いエリア
和歌山県内で作業療法士求人が多い地域ならびに各地域の特徴は、下記のとおりです。
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求人情報の特徴 |
和歌山市 |
・駅から徒歩圏内の求人が多い ・産休育休取得実績が多い |
田辺市 |
・院内研修会や学会発表を積極的に行う病院からの求人がある ・約4か月分の賞与が出る求人がある |
紀の川市 |
・託児所完備・借り上げ住宅入居可求人がある ・研修体制がしっかり整っており、キャリアアップのチャンスがある |
橋本市 |
・「経験不問」「未経験OK」の求人が多い ・最寄り駅から送迎バスを利用できる求人がある |
作業療法士求人は和歌山市をはじめとする県北部に多く、和歌山市にはJR線やわかやま電鉄の駅から歩いて通勤できるところも少なくありません。県内には子育てと仕事を両立しやすい要素が多くそろっているため、すでに子どもがいる人はもちろん、これから結婚・出産を希望している人も安心して働けるでしょう。
また、研修・教育体制が整っていることも和歌山県の作業療法士求人の特徴です。ある老健施設ではOJT研修に加えて施設内・施設外で専門的な研修を行い、さらに研究発表会を毎年開催しています。作業療法士としてどんどんスキルアップしたい人には、まさにうってつけの環境と言えるでしょう。
まとめ
和歌山県における作業療法士の男女平均年収は、近畿地方でもっとも高い約450万円です。県独自の施策「わかやま長寿プラン」では医療・介護専門職の人材確保と待遇改善にも言及しており、作業療法士の収入や待遇も今後ますます良くなっていくでしょう。
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※当記事は2021年8月現在の情報をもとに作成しています