教えて先輩!施設セラピストQ&A

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介護老人保健施設(老健)にセラピストが配置されていることによる役割や責務は何でしょうか?(27歳・PT・男性)

老健の役割からセラピストは不可欠。チームリハビリのリーダーも務めます。
老健は在宅支援や病院からの在宅復帰、すなわち利用者様が「自宅で生活ができるようになること」が一番の目的なので、ADL(日常生活動作)を高めるリハビリを担うセラピストは、老健にとって絶対不可欠な存在です。介護保険法では老健の定員100 名につき最低1 名の常勤リハビリ専門職の配置が基準です。老健のセラピストは利用者様に対して週に2 度、1 回20 分程度のリハビリを行うほか、リハビリ専門職の立場から、日常的なリハビリ計画を立てて多職種を指導・監督します。日常的なリハビリとは食事や排泄など日常動作の過程で、膝の屈伸やベッドから立ち上がるなど、ちょっとした動きのトレーニングを日々の生活のなかで訓練を重ねるもの。これを直接行うのは、介護職や看護職です。まとめると、直接のリハビリ訓練と日常的なリハビリ計画の立案・マネジメントが老健におけるセラピストの責務といえます。(全国老人保健施設協会 会長 東憲太郎さん)

老健のセラピストが心がけるべきことは?(34歳・OT・女性)

「生活ができるようになるためには」という視点を常に持ってください
何よりも利用者様の「生活」をよく知ることです。入所リハビリならご自宅に戻ることを想定してご家族の要望もふまえ、家での生活が成り立つようなリハビリプランを立てます。たとえばご自宅に車椅子で行き来できるスペースがないため、「車椅子なしで歩けるようになってもらわなければ、在宅介護は難しい」というご家族の相談に対しては、歩行可能かどうかの評価を行ったうえで、無理のないプランを立て検討・実施します。「着替えが一人でできる」「口から食事ができる」など、ご自宅で生活するのに必要な日常動作を訓練するには、利用者様の生活の場や日常生活の様子を知らなければなりません。居宅訪問時に生活環境をよく観察するとともに、入所・通所・訪問リハビリを問わず、日頃から利用者様またはご家族から話をよく聞くことを心がけてください。(社会福祉法人 章佑会 森平哲司さん[OT])

老健の入居者の方が抱えている疾病や障害はどのようなものが多いのですか?(31歳・PT・男性)

疾病や障害の種類はさまざま。認知症との合併症が多いのが特徴です
脳疾患やその後遺症である麻痺、失語症をはじめ、高血圧、糖尿病と皆さん様々な病気や障害を抱えており、どれが多いとは言えません。ただパーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)といった医療保険指定の難病は、介護保険法下にある老健では高額治療費の助成が難しく、医師も少ないことから受け入れにくいのが現状です。他の傾向としては、7 割から8 割ほどの利用者様が認知症との合併症です。要介護度でいうと、今の老健は大きく「在宅強化型」「在宅支援加算型」「従来型」の3 つに分けられますが、いずれも要介護度の分布は同じです。「在宅強化型」には在宅支援が可能な軽度の利用者様が多いと思われるかもしれませんが、むしろ在宅強化型のほうが重度の人が「わずかに多い」という印象があります。(全国老人保健施設協会 会長 東憲太郎さん)

医師との連携や指示の受け方は、どのように行われるのですか?
(31歳・ST・女性)

医師が的確な指示を出すためにも日頃の情報共有、コミュニケーションが大切
老健の管理者は医師であることが資格要件(※)なので、多くの場合、施設長を務める医師から指示を受けます。私の勤務する老健には循環器内科や整形外科を専門とする先生がいます。勤務医では循環器内科や整形外科を専門とする先生が多いようです。老健ではリスク管理も踏まえて、リハビリの開始や経口摂食の再開など、どんな細かいことも必ず医師が判断して各職種へ指示します。その判断の根拠となるのは、利用者様の日常の様子やリハビリの進み具合であることも多く、普段から利用者様の情報を医師と共有することが大切です。また医師にとっても、セラピストの人柄はもちろん、スキルはどの程度かなど「任せられること」を知っておいた方が的確な指示を出しやすくなります。病院以上に日頃のコミュニケーションが重要な職場です。
※管理者は原則医師だが、都道府県知事の承認を受ければ医師以外の者に管理させることが可能。
(医療法人社団 廣風会 門田義弘さん[ST])

介護業務(入浴・食事・排泄の介助)はどの程度対応する必要があるのでしょうか? (26歳・OT・男性)

リハビリ専門職ですから、「業務」として対応することはありません
施設によって異なるとは思いますが、「人手が足りないから(介護を)手伝って」ということは私自身は経験したことがありません。確かに食事やトイレの介助はリハビリではありませんが、“生活の一場面”が見られるという点ではいい機会といえるのではないでしょうか。リハビリ以外にも利用者様と関わる時間が増えるのは、悪いことではありませんよね。「医療が上」で介護は下に見られがちだと思っている介護職の方も多いかもしれません。セラピストは利用者様に名前と顔を覚えてもらうことも大切ですが、同じ職場で働く介護職に性格や考え方を含めた“自分”をわかってもらう努力も大切です。それには少しずつコミュニケーションをとって、周囲からの信頼を勝ち取るしかありません。そのためにも、必要とされる仕事には進んで取り組む姿勢を見せていけるといいですね。(社会福祉法人 章佑会 森平哲司さん[OT])

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