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【財務省】24年改定「診療所の単価引き下げでマイナス改定」を~財政審で提案2023.11.07

セラピストプラス編集部からのコメント

11月1日、財務省は2024年度診療報酬改定で「診療所の報酬単価を引き下げること等により、診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当」と提案しました。これに対して日本医師会は「到底受け入れられない」と強く反発し、中医協などを通じて大幅なアップを求めていく姿勢を改めて表明しています。

財務省は11月1日、社会保障を巡り論議した財政制度等審議会財政制度分科会において、2024年度診療報酬改定は「診療所の報酬単価を引き下げること等により、診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当」と提案した。これに対し日本医師会は翌2日に急遽会見を開き、「到底受け入れられない」(松本吉郎会長)と強く反発、中医協などを通じて大幅なアップを求めていく姿勢を改めて表明した。

財務省が1日の分科会に提出した資料によると、全国の財務局を活用した機動的調査(医療法人の事業報告書を収集・集計したもの)によれば、1万8207の診療所の経常利益率は20年度の3.0%から22年度には8.8%に急増し、この間の利益剰余金は約2割増加していると分析。「直近2年間の診療所の平均的な収益率はきわめて高水準にあることや、利益剰余金が積み上がっていることを踏まえ、診療所の報酬単価を引き下げ、保険料負担減・窓口負担軽減につなげる必要」があると提案した。

また、診療所の地域偏在是正のため、地域別単価の導入も提案。「報酬面からも診療所過剰地域から診療所不足地域への医療資源のシフトを促すことを検討する必要」があるとしている。

■松本日医会長「反論していたらきりがない」

これに対し日本医師会は2日に会見を開き、財務省の主張に反論。松本会長は「(20年~22年の)3年間はコロナ禍の変動が顕著であり、コロナ特例による上ぶれ分が含まれている。そもそもコロナ禍で一番落ち込みが激しかった20年をベースに比較すること自体がミスリードと言わざるを得ない。『儲かっている』という印象を与える恣意的なもの」「コロナ特例は5類移行後、半分以下と大幅に引き下げられており、こうした一過性のものを前提に恒常的なフローを議論することはきわめて不適切」と批判。さらにTKCの医療経営指標を基に日医が利益率を分析したところ、コロナ流行前の3年間の平均4.6%に対し、20~22年度の平均は5.0%でほぼ同水準である、コロナ特例分を除くと3.3%とむしろ悪化している可能性もある―と主張した。

このほかにも財務省の資料には自由診療を行う診療所が含まれている可能性があることや、地域別の報酬単価は「すでに解決済みの問題」と指摘した上で、「資料には多々問題があり、反論していたらきりがない。これからも中医協や社会保障制度審議会の医療部会、医療保険部会などできちんと意見を述べさせていただく」との姿勢を示した。

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出典:Web医事新報

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