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【識者の眼】「マスコミに振り回される新型コロナワクチン施策」倉原 優2021.05.24

セラピストプラス編集部からのコメント

マスコミは既に国際的にもmRNAワクチンの副反応頻度が明らかであるにもかかわらず、厚労省の慎重な姿勢に対して過剰反応し、ワクチンの副反応を過熱的に報道してきた経緯があります。そして現在はワクチン接種を煽る方向に舵を切っています。

そのため「接種が不安」という国民感情が、「どうにかして早く接種したい」という焦燥感へと変化しつつあります。今回のWeb医事新報【識者の眼】では、倉原優氏(国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)が「マスコミに振り回される新型コロナワクチン施策」と題して寄稿。ワクチンをめぐる国民感情や大衆心理を分析しています。

自治体のトップが、「新型コロナワクチン接種対象者ではないのに余ったワクチンを接種した」として、陳謝する場面が報道されている。マスコミが「なぜ接種対象者ではないのに、自治体のトップが高齢者に交じって接種しているのか」と叩く構図が顕著で、世論がそれに追随している形である。

マスコミは、既に国際的にもmRNAワクチンの副反応頻度が明らかであるにもかかわらず、厚生労働省の慎重な姿勢に対して過剰に反応し、ワクチンの副反応を過熱的に報道した経緯がある。当時は、新型コロナワクチンに対してどのマスコミも懐疑的な見解が多かったように思う。

しかし、現在は真逆で、むしろワクチン接種を煽る方向に舵を切っている。そのため、「接種が不安」という国民感情が、「どうにかして早く接種したい」という焦燥感に変わってきた。

近隣のクリニックの個別ワクチン接種予約には朝から行列ができ、予約が取れなかった際、罵声を浴びせるような人が出ている。「長期的な供給は十分あるが、短期的には争奪戦になっている」という事態は、コロナ禍早期のマスク騒動・トイレットペーパー騒動と同じである。このような状態だから、自治体のトップがファイザー社製のワクチンの残余配分を接種すると「順番抜かし」だと批判が集まるのだろう。

今は無駄を出さずに、とにかく打てる人に打つというのを優先するのが合目的的な最適解である。ワクチン接種を担当する河野太郎大臣はSNSで「余ったワクチンを破棄せず柔軟に対応してほしい」と呼びかけている。しかし、接種予約システムや予診票運用がアナログであるがゆえに、現場が柔軟に対応できないという側面もある。ワクチン接種の律速段階は、ここにある。

倉原 優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)[医療SNS]

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出典:Web医事新報

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