第17回医療法人社団永生会(その5)
公開日:2018.12.17 更新日:2019.07.01
- Profile
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五十嵐大輔さん
所有資格:介護福祉士
2008年に、リハビリ助手として入職。永生クリニック併設の介護サービス「スマイル永生」に勤務しており、4年ほど前に介護福祉士の資格を取得する。オフの日は、2歳と5歳の子どもと遊んでリフレッシュ。
文:佐野勝大
自分のアイデアで、利用者さんの自立した生活をサポートできる
「永生会」のリハビリ部門で活躍しているのは、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)だけではありません。たとえば、介護サービス「スマイル永生」では、介護福祉士が利用者さんのトレーニングや作業活動、日常生活の聞き取りなどをサポート。その一人として活躍する五十嵐さんに、一番印象に残っているエピソードを伺ってみました。
「片麻痺でリハビリに通われていた方がいらしたのですが、絵を描くのが好きだったという話を聞いて、作業療法士(OT)に相談。手の震えを抑えるために、腕におもりをつけるなど試行錯誤した結果、少しずつ絵が描けるようになっていったのです。さらには、『スマイル永生』にいるときだけでなく、ご自宅でも絵を描くようになり、電車に乗って一人で画材を買いに行けるまでになりました」
ただその様子を黙って眺めていたのではなく、五十嵐さんはモチベーションを高めてもらおうと「スマイル美術展」を企画。その方の作品を、多くの人に見てもらうことにしました。
「『永生フェスティバル』という『永生会』のイベントでも絵を展示。さらには、地域の作品展に出展したりもしました。私たち介護福祉士の業務は、生活支援と身体介助だけではありません。自分のアイデアや提案をリハビリに活かすことで、利用者さんの自立した生活をサポートすることができるのです」
先輩のひとことが、人見知りの私に自信を与えてくれた
「スマイル永生」には、午前・午後にそれぞれ20名ほどの利用者さんが訪れます。もともと人見知りする性格で、新人時代はなかなか利用者さまとコミュニケーションが取れなかったという五十嵐さん。ところがある先輩のひとことがきっかけで、積極的に話しかけられるようになったといいます。
「先輩が、『せっかくいい考えを持っているんだから、それをどんどん発信していけばいいんだ』と言ってくれたのです。この一言が大きな自信につながり、利用者さんに『こうしませんか?』と率先して提案できるようになりました」
やりたいことの実現をサポートすることが、私の存在意義
もともとはリハビリ助手として入職し、4年ほど前に介護福祉士の資格を取得。ゆくゆくは、介護支援専門員(ケアマネ)の資格取得にも挑戦したいという五十嵐さん。資格取得の支援体制も整っている「永生会」でなら、近い将来その目標を達成できそうです。最後に、リハビリの世界で着実にキャリアアップを重ねている五十嵐さんに、ご自身の役割について聞いてみました。
「利用者さんが困っていることを解決すると同時に、やりたいことを実現するサポートを行うこと。それこそが、私の存在意義だと思っています。念願だった絵を描けるようになったり、大好きだったゴルフのスイングができるようになったりと、利用者さんたちの感動をそのまま肌で感じられるのは大きな魅力です。今後も、そういった印象に残るエピソードを、たくさん増やしていきたいと思っています」
タイムテーブル
五十嵐さんの1日
- 8:00
- スマイル永生到着
- 8:30
- 送迎業務(お迎え)
- 9:00
-
利用者へのサービス提供
利用者のスケジュールと送迎管理
- 12:30
- 昼休み
- 13:30
-
利用者へのサービス提供
利用者のスケジュールと送迎管理
- 16:50
- 送迎業務(お送り)
- 17:00
- 1日の業務終了 当日と翌日のサービス内容の確認
- 17:30
- 帰宅
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