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なぜボディソープ・石けんは泡立てるべきなのか? 効果解説2018.12.15

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セラピストプラス編集部からのコメント

感染症の多い季節、手洗いは大切なスキルです。基本に戻って、なぜ石けん類は泡立てて洗うかの理由を復習しましょう。

(1)石けんで手足,顔や体を洗うときには,必ず「泡立てて」と言いますが,その理由をご教示下さい。
(2)ボディソープには「泡立てて」という注意書きがないことが多いようですが,それはなぜですか。油のついた食器を中性洗剤で洗うとき,泡立てたりしなくてもよく落ちますが,それと同じことでしょうか。

(東京都 F)

【回答】
【よく泡立てることで,効率的かつ低刺激で汚れを落とすことができる】

(1)石けんを泡立てる理由
身体の汚れには,汗や皮脂・剝がれ落ちた角質など身体から出るものと,埃や微生物など外から付くものがあります。親水性の汚れは水で洗い流すことができますが,親油性の汚れを落とすためには,界面活性剤を含む洗浄剤で洗う必要があります。

界面活性剤は石けんや洗浄剤の主成分ですが,皮膚刺激性を持つと言われています。石けんや洗浄剤で洗うことで汚れが落ち,皮膚は清潔になりますが,肌の潤い成分の流出による角層バリア機能の低下に伴う皮膚の乾燥なども懸念しなければなりません。そのため各メーカーは,汚れは十分に除去できるが,天然保湿成分や角層細胞間脂質の溶出が少なく,肌への刺激が少ない洗浄剤の開発を行っています。

一方,石けんや洗浄剤の肌に優しい使い方も重要です。よく泡立てて使用すること,皮膚をこすりすぎないこと,十分に洗い流すことが言われています。では,ご質問にあるように,なぜ石けんや洗浄剤は泡立てて使用するのがよいのでしょうか。

汚れを落とすことに関わるのは界面活性剤分子で,水になじみやすい親水基と油になじみやすい親油基を持っています。親油基を汚れのほうに,親水基を水のほうに向けて皮脂や汚れを包み込み,皮膚との間に浸透し汚れを剝がすのが界面活性剤による洗浄のメカニズムです。また界面活性剤には起泡作用があり,泡立てることで汚れを浮かび上がらせ,皮膚をこすりすぎず効率的に汚れを落とす効果が期待できます。つまり石けんや洗浄剤をよく泡立てることで,皮膚のしわなど細部に洗浄剤がいきわたること,汚れを浮かび上がらせることで少ない摩擦で効率的に汚れを落とせること,泡による体積の増大で少ない洗浄剤で広い面積を洗うことができ,かつ皮膚に接触する洗浄剤の濃度が低くなり肌への刺激が少なくなることなどがあります。また,よく泡立てて使用することで,すすぎ後の洗浄成分の皮膚への残留が少なくなり,界面活性剤による皮膚吸着が抑制できることがわかっています。

以上のことから,石けんや洗浄剤はしっかり泡立てて使用することが勧められます。

(2)ボディソープ,台所用中性洗剤の泡立て
ボディソープは身体を洗うことを目的とした液状の洗浄剤で,最近は泡状のものも販売されるようになりました。利便性に優れることから,最近は固形石けんに代わり,よく使われるようになっています。液状ボディソープの容器やメーカーのホームページの製品情報を見てみると,泡立てて使用することが記載されています。よく泡立てて使用することで,皮膚への影響が少なく効率的に汚れを落とすことができるため,湿らせたタオルやスポンジまたは手のひらで泡立てて使用することが勧められています。

台所用中性洗剤は,ご質問にあるように,泡を立てなくても油汚れが落ちることを経験しますが,「きれいになった」と判断するまでにメーカーが推奨する使用量の目安を超えている可能性があります。台所用中性洗剤の使用方法は,①水1Lに対し適正量を溶かして使用する方法(浸け置き洗い)と,②水に濡らしたスポンジを絞り,原液を適正量つけて使用する方法の2つがあります。

家庭では②の方法で使用することが多いと思いますが,やはりよく泡立てて使用することが重要で,それにより効果的に汚れを落とし,洗剤の継ぎ足しによる使用量の増加を抑えることができます。洗剤の使用量の増加は,すすぎに使用する水の増加,すすぎ時間の延長,残留洗剤量の悪化,手荒れの増加などをまねくため,やはりよく泡立てて使用することが勧められます。

【回答者】

月田佳寿美 福井大学医学部看護学科臨床看護学講座成人・老年看護学分野准教授

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出典:Web医事新報

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