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大胸筋上部を鍛えるには?大胸筋の構造やおすすめメニューをご紹介

公開日:2024.05.08

”大胸筋上部を鍛えるには?大胸筋の構造やおすすめメニューをご紹介“/

文:内藤 かいせい(理学療法士)

大胸筋のなかでも、上部を効率的に鍛えるにはどのような筋トレをすれば良いのかわからない方はいるのではないでしょうか。大胸筋は大きい筋肉であり、上部・中部・下部の3つに分けられます。それぞれ部位によって働きが異なるため、筋トレの際は鍛える方向に注意することが大切です。

この記事では、大胸筋上部を鍛えるメリットやおすすめの筋トレメニューをご紹介します。
大胸筋の構造を理解することで、筋トレで上部をピンポイントに鍛えられるようになるでしょう。

大胸筋上部の役割は?

まずは大胸筋の構造についてみていきましょう。大胸筋の線維は大きく「上部・中部・下部」の3種類に分けることが可能です。そのうちの上部の線維は、鎖骨や胸骨(胸の中心にある骨)から腕にかけて広がっている部分を指します。

大胸筋には腕を内側に動かす働きがあり、とくに上部線維は上腕骨を上に持ち上げる役割もあります。 大胸筋上部を効率的に鍛えるためには、腕を上げつつ内側に動かすような動きをするトレーニングが求められるでしょう。

大胸筋上部を鍛えるとどんなメリットがある?

ここでは大胸筋を鍛えることで、どのようなメリットがあるのかについて解説します。

胸の厚みが出やすくなる

大胸筋上部を鍛える一番のメリットとして、胸の厚みが出やすくなる点があげられます。大胸筋の上部は胸筋のなかでも胸板の厚みが出やすく、目立ちやすい場所といえるでしょう。そのため、上部を集中して鍛えることで、男らしいボディを作れます。服を着ていても胸の盛り上がりが見えやすくなるので、今までよりもかっこよく着こなしがうまくなります。

基礎代謝量が増えてダイエットにつながる

大胸筋は大きい筋肉なので、鍛えることで基礎代謝量が増えてダイエットにつながります。基礎代謝量とは、人が生きるために最低限必要な消費エネルギーのことです。基礎代謝量は筋肉量によっても変動し、鍛えることで消費エネルギーの増加が見込めます。 その結果、やせやすく太りにくい体質に近づけるでしょう。

このように、大胸筋を鍛えることはたくましい胸板を作れるだけでなく、ダイエット効果が高まりやすくなるメリットがあるのです。

大胸筋上部を鍛える筋トレメニュー

”大胸筋上部を鍛える筋トレメニュー“/

大胸筋上部を効率的に鍛えるには、どのような筋トレをすれば良いのでしょうか。ここでは道具を使わない自重トレーニングと、道具を使用したトレーニングに分けてご紹介します。

道具を使用しない自重トレーニング

ここでは、道具を使用しないおすすめの自重トレーニングについてご紹介します。

デクラインプッシュアップ

デクラインプッシュアップとは、イスや台に足を乗せて行う腕立て伏せのトレーニングです。足を高くすると腕が斜め上のポジションになりやすいので、効率的に大胸筋上部を鍛えられます。

【デクラインプッシュアップのやり方】
1. イスや台の上に足を乗せて、両手を肩幅程度に開いて身体を支える
2. 身体をまっすぐ保ちつつ、ゆっくり肘を曲げる
3. 顔や胸が床に触れる寸前で肘を伸ばす
4. 2〜3の手順を繰り返す

通常のプッシュアップよりも難易度が高い内容なので、ケガや転倒には注意して行ってください。難しい場合は、まずは通常のプッシュアップからはじめてみましょう。

パイクプレス

パイクプレスは、身体を「くの字」に曲げた状態で行う腕立て伏せのトレーニングです。大胸筋上部だけでなく、肩まわりの筋肉である「三角筋」も鍛えられるので、肩幅を広げたい方にもおすすめです。

【パイクプレスのやり方】
1. 四つ這いになり、腕立て伏せの姿勢をとる
2. 腰を大きく上に突き出すように、股関節を曲げる
3. 身体を「くの字」の状態を保ったまま、ゆっくり肘を曲げる
4. 顔が床に触れる寸前で肘を伸ばす
5. 3〜4の手順を繰り返す

ダイブボンバープッシュアップ

ダイブボンバープッシュアップとは、上半身をすくい上げるようにしながら行う腕立て伏せのトレーニングです。他の自重トレーニングよりも負荷量が高く、大胸筋全体に効かせやすいのが特徴です。

【ダイブボンバープッシュアップのやり方】
1. 四つ這いになり、腕立て伏せの姿勢をとる
2. 両手を肩幅より広くとり、腰を上に突き出して身体を「くの字」の状態にする
3. 肘を曲げつつ、身体をすくい上げるイメージで上半身を反らす
4. ゆっくりと「くの字」の状態に戻る

道具を使用したトレーニング

ここでは、道具を使用した大胸筋上部のトレーニングをご紹介します。使用する道具はダンベルですが、ない場合は水の入ったペットボトルで代用しても問題ありません。

インクラインダンベルプレス

インクラインダンベルプレスは、ダンベルを前上方に持ち上げるトレーニングです。大胸筋上部をピンポイントに鍛えられるのが特徴です。

【インクラインダンベルプレスのやり方】
1. あお向けになり、上半身を30〜45度ほど起こした状態にする
2. 両手でダンベルを持ち、肘を真横に広げる
3. 肘と腕の角度を直角にする
4. ダンベルを上に持ち上げる
5. ダンベルをゆっくりと下げる
6. 4〜5の手順を繰り返す

ダンベルを持ち上げる際は、大胸筋を意識しながら行ってみましょう。

インクラインダンベルフライ

インクラインダンベルフライは、両腕を広げる・閉じるを繰り返して大胸筋上部を鍛えるトレーニングです。

【インクラインダンベルフライのやり方】
1. あお向けになり、上半身を30〜45度ほど起こした状態にする
2. 両手でダンベルを持ち、手のひらを内側に向けた状態で両腕を前に伸ばす
3. ゆっくりと両腕を真横に広げる
4. 真横に広げた状態を2〜3秒キープしたら、2の状態に戻る
5. 2〜4の手順を繰り返す

両腕を真横に広げる際は、肩甲骨を中心に寄せるイメージで行ってみましょう。肩や肘をケガしないように、最初は低負荷かつ少ない回数でチャレンジしてください。

リバースグリップダンベルプレス

リバースクリップダンベルプレスは、あお向けになった状態で行う大胸筋上部のトレーニングです。

【リバースグリップダンベルプレスのやり方】
1. あお向けの状態になる
2. 両手でダンベルを持ち、手のひらは顔方向に向ける
3. 肘は45度ほど広げた状態にする
4. 肘を前に伸ばしてダンベルを持ち上げる
5. ゆっくりと元に戻る
6. 4〜5の手順を繰り返す

大胸筋上部を効率的に鍛えるには?

大胸筋上部を効率的に鍛えるには、どのようなポイントを意識する必要があるのでしょうか。ここではトレーニング中やそれ以外で取り入れるべきポイントを解説します。

適切なフォームを意識する

大胸筋上部をピンポイントに鍛えるためには、適切なフォームを意識することが重要です。間違ったフォームで行うと別の筋肉が優位に働く場合があり、狙った部位を鍛えにくくなります。冒頭で説明した大胸筋上部の働きを十分に理解したうえで、筋トレを行いましょう。

また、筋トレ中はできる限り上部を意識しながら行うことも大切です。うまく効いているかを判断する指標には、筋トレ後の筋肉の張り、ストレッチの際の抵抗感などがあげられます。

筋トレだけでなくストレッチも取り入れる

筋トレだけでなく、ストレッチも取り入れることで効率的に大胸筋上部を鍛えられます。ストレッチには筋肉の柔軟性を高める効果があるので、ケガ予防につながるでしょう。 また運動後のストレッチは、筋肉に溜まっている疲労を解消させる効果があるとされています。

【大胸筋のストレッチ方法】
1. 壁に対して横向きの状態で立つ
2. 壁に手をつける(高さは胸の位置)
3. 手をつけたまま身体を前に突き出す
4. 3の状態を20秒ほどキープする
5. 反対の手で行う

ストレッチをする際は呼吸を止めず、リラックスした状態で行いましょう。

筋トレ後はたんぱく質を摂取する

筋トレ後は、なるべくたんぱく質を摂取することをおすすめします。たんぱく質とは、筋肉を作るうえで欠かせない栄養素です。 筋トレによって傷ついた筋肉を回復させて太くするには、たんぱく質の補給が必要です。逆に、たんぱく質が不足した状態で筋トレをすると、かえって筋肉量が減る恐れもあります。

筋トレ後のたんぱく質の補給はもちろん、普段の食事でも積極的に取り入れることが大切です。たんぱく質が豊富に含まれている食べ物は、肉や卵、乳製品などがあげられます。普段の食事でたんぱく質をうまく取り入れられない場合は、プロテインを飲むのも良いでしょう。

大胸筋上部を鍛えて男らしい胸板を作ろう

大胸筋上部は、厚い胸板を作るためには欠かせない筋肉です。大胸筋上部をピンポイントに鍛えるには、どのような働きをする筋肉なのかを理解することが大切です。また筋トレ前後のストレッチ、たんぱく質の摂取などを心がけることで、より効率的に大胸筋上部を鍛えられるでしょう。ぜひ今回の記事を参考にして、大胸筋上部の筋トレをはじめてみましょう。

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内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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