第16回医療法人社団永生会(その4)
公開日:2018.11.26 更新日:2019.07.01
- Profile
-
松井佳奈美さん
所有資格:理学療法士・介護支援専門員
2003年に、新卒で入職。現在は、永生クリニックに併設の「スマイル永生」で通所リハビリと訪問リハビリに携わっている。
趣味はシーズンスポーツで、夏はスキューバダイビング、冬はスノーボードを楽しんでいるそう。
文:佐野勝大
仕事の成果が目に見えるのが、大きなやりがい
「永生クリニック」に併設されている介護サービス「スマイル永生」。ここで、介護予防通所リハビリを中心に訪問リハビリにも携わっているのが、理学療法士(PT)の松井さんです。利用者さんは、比較的軽度な障害の方が中心。一人ひとりの状態やニーズに応じて、身体機能向上から生活行為向上のリハビリまで行っています。松井さんは、この仕事のどのようなところにやりがいを感じているのでしょうか。
「この仕事のやりがいは、成果が目に見えるカタチであらわれること。利用者さんができなかったことができるようになったときは、大きな達成感を味わえます。以前、股関節骨折が原因で歩けなくなり、外出をあきらめてしまっていた方がいらっしゃいました。けれども、杖を使い歩行距離を少しずつ増やしたり、自転車エルゴメーターを漕ぐ時間を徐々に延ばしたりするうちに、外でも歩けるように。趣味だったゴルフのスイングができるまでに回復されたときの喜びは、言葉で言い表すことができません」
職種を超えた連携で、利用者さんをより笑顔に
「スマイル永生」では、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のほか、介護福祉士も活躍。主に利用者さんの運動・作業活動サポートや日常生活の聞き取りを担っています。彼らとの連携がとても重要だと松井さんは感じています。
「私たちは仕事柄、つい身体機能の回復や維持に重点を置いてしまいがち。そんなときに、介護福祉士からもたらされた情報によって、利用者さんにとって何が一番大事なのかに気づかされることが少なくありません。ゴルフのスイングができるまでに回復された方の例でいうと、『ゴルフができるようになりたいとおっしゃっているんですよ』と介護福祉士が教えてくれたことで、一緒にその目標に向かって頑張ることができたのです」
10年目を迎えても、やりたいことが尽きない職場
松井さんにとって、「永生会」のよさは自分よりも経験豊富な理学療法士(PT)がたくさんいること。今年で入職10年目を迎えましたが、今でも先輩たちから多くのことを吸収しているといいます。また、部門や職種の壁がなく、職場に一体感があることも大きな魅力なのだとか。
「セラピストの先輩たちはもちろん、医師や看護師など他の分野の専門家にも気軽に相談することができる職場。知識の幅を広げる上でも、当法人はとても良い環境だと実感しています」
今年で入職10年目を迎えた松井さんは、副主任として6名のメンバーの教育にも携わっています。後輩との関係性づくりで大切にしているのは、厳しく叱っても仕事が終わるとフレンドリーに接するなど、メリハリをつけること。気軽に話しかけてもらえるような雰囲気づくりを心がけているといいます。
そんな松井さんの目標は、「スマイル永生」を一人でも多くの利用者さんに「今日ここに来てよかった」と思ってもらえる場所にしていくこと。さらに今後は、「訪問リハビリを通して、終末期のケアにも積極的に携わっていきたい」と教えてくれました。「永生会」の活躍のフィールドはとても幅広いので、入職10年目を迎えてもやりたいことが尽きないそうです。
タイムテーブル
松井さんの1日
- 8:00
- スマイル永生到着
- 8:55
- 朝礼
- 9:00
-
通所リハビリ
訪問リハビリ
- 12:30
- 昼休み
- 13:30
-
通所リハビリ
訪問リハビリ
- 16:50
- 終礼
- 17:00
- 1日の業務終了 デスクワークやカンファレンス等
- 18:00
- 帰宅
他の記事も読む
- 第25回 摂食・嚥下チームが「口から食べる」を支援
関東労災病院 中央リハビリテーション部(その4) - 第24回 がん患者に寄り添い、心もケアする
関東労災病院 中央リハビリテーション部(その3) - 第23回 日本のスポーツリハビリを牽引する 関東労災病院
中央リハビリテーション部(その2) - 第22回 多彩なリハビリチームが活躍する関東労災病院
中央リハビリテーション部(その1) - 第21回 リハビリテーション科の強みとスキルアップ制度
日産厚生会 玉川病院(その4) - 第20回 理学療法士が見る人工股関節全置換術のリハビリ
日産厚生会 玉川病院(その3) - 第19回 作業療法士として高次脳機能障害に向き合う
日産厚生会 玉川病院(その2) - 第18回 脳卒中後後遺症専門リハビリで名を馳せる
公益財団法人 日産厚生会 玉川病院 リハビリテーション科(その1) - 第17回 医療法人社団永生会(その5)
- 第15回 医療法人社団永生会(その3)
- 第14回 医療法人社団永生会(その2)
- 第13回 医療法人社団永生会(その1)
- 第12回 河北リハビリテーション病院(その4)
- 第11回 河北リハビリテーション病院(その3)
- 第10回 河北リハビリテーション病院(その2)
- 第9回 河北リハビリテーション病院(その1)
- 第8回 上手な転職・転身の方法、そして勤務作業療法士ではない働き方とは?
- 第7回 スランプの抜け出し方&ステップアップの方法
- 第6回 作業療法士の仕事は就職先でどう変わる?先輩に聞く選び方と共通点
- 第5回 作業療法士の資格をベースにフリーランスのセラピストとして生きる
通所リハビリでもリハビリテーション会議等で、利用者宅に訪問する機会があります。その他、地域ケア会議に出席するなど、地域交流に努めています。