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セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。

第1回急性期セラピストの「やりがい」と「今後」とは?

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皆さんはじめまして。理学療法士の吉倉孝則と申します。
私は急性期病院で理学療法士として働いています。これから急性期の「現場の声」をここで書いていき、皆さんにも急性期病院や理学療法士の活動に興味を持っていただければと思います。
今回は、私が急性期病院で働こうと思ったきっかけなどにふれながら、急性期病院の紹介をしたいと思います。

皆さんは急性期のリハビリというとどんなイメージをお持ちでしょうか。「リスク管理が必要で難しい」こんな声が多いかもしれません。私も学生時代はそのようなイメージを持っていました。しかし、大学の4年間で学び、臨床実習を経験するなかで「急性期のリハビリ」に関わりたいと思ったのです。

大学時代の私の恩師は「廃用症候群にならないように早期離床が重要だ」ということを、授業中に常に訴えていました。その言葉に刺激され、私も急性期での積極的なリハビリ、理学療法の必要性を強く感じ、急性期病院に就職しようと決心しました。

実際に働いてみると、確かに手術直後の患者さんに対し、どのようにリハビリを進めていけばよいのか迷うことがありました。例えば、股関節の手術後の患者さんを担当させてもらった際には手術の翌日で痛みが強かったり、熱が出ている患者さんをどこまでリハビリしてよいのかなどです。

それでも、職場の先輩療法士や主治医、病棟の看護師にいろいろと教えてもらいながら1つ1つ学んできました。そのほかの疾患でも、同様です。脳卒中の患者さんの離床時には「血圧は大丈夫か?」「意識レベルは大丈夫か?」といったことに常に注意を払う必要があります。心臓の血管手術後の患者さんに関わる際には、心電図も理解し、リスク管理をする必要があります(私は学生時代から心電図が苦手でしたが…)。

このように難しい点はありますが、私は急性期病院に就職してから多くを学んだと思います。今でも完璧とまではいかないかもしれませんが、幅広い疾患の急性期の患者さんを担当しています。
急性期でのリハビリを一通り経験して感じることは、急性期病院は意外と安全な状況でリハビリができているということです。毎日のように主治医が診察し、看護師が体温や血圧に変化がないか確認しています。必要に応じて、血液検査やレントゲンなど画像撮影をもしています。また、心電図などバイタルサインを常時チェックしながらのリハビリもできます。

検査結果の判断やバイタルサインの異常などある程度の知識は必要ですが、急性期のリハビリではそれほどリスク管理を不安に感じなくてもよいのではないでしょうか。

リスク管理というのは急性期のみで必要なわけではなく、回復期、在宅などその時期、その患者さんに応じたリスク管理が求められます。「リスク管理が不安」ということで急性期リハビリを難しく考えることはないと思います。むしろ、多くのスタッフが関わっていることで安心してリハビリができるのではないでしょうか。

急性期リハビリの特徴のひとつに、大きく身体機能や日常生活が改善することがあるだと思います。もちろん急性期は変化が大きい時期のため、悪くなる場合もあります。しかし治療が功を奏して、また患者さん自身の自然回復もあり、リハビリをしている患者さんの身体機能、日常生活能力が回復する過程をみることができます。

患者さんからは「リハビリの先生のおかげで歩けるようになりました」など嬉しいお言葉をいただくことが多々あります。これは理学療法士をやっていて「やりがい」を感じる一場面ですよね。しかし、セラピストはこれをリハビリのおかげと勘違いをしてはいけません。さまざまな治療や栄養療法、患者さん自身による自然回復、そこにリハビリが加わった結果、この回復があったと自覚する必要があります。リハビリが最大限の回復をするお手伝いができればよいのです。

リスク管理については上述しましたが、急性期において「ここまでは運動しても大丈夫」という塩梅を判断しながら、患者さんが最大限に回復するようにリハビリを実施する。このリハビリのメリットとデメリットのバランスを取りながら安全にリハビリを実施することは、急性期の理学療法士として腕の見せどころだと感じています。リハビリで担当した当初は意識もなく、生死の境をさまよっていた患者さんが、歩いて退院していく。私は急性期での回復を一緒にお手伝いすることにとても「やりがい」を感じています。

超高齢社会となり社会保障費の増大、地域包括ケアなどが叫ばれ、それに向けて在宅医療の整備だけでなく急性期病院も大きく変化が求められています。急性期病院には、より在院日数の短縮、自宅復帰率の向上が求められることは間違いないでしょう。

そのなかで急性期リハビリの役割を考えると、従来のような身体機能の向上はもちろん重要ですが、自宅退院を視野に入れて、日常生活の回復を早期からより意識する必要があるでしょう。急性期で働いているセラピストはこれまでより在宅へ意識を向ける必要があります。また回復期や在宅でのリハビリを経験するなどして「生活の視点」からみることができるセラピストが、急性期でのリハビリに携わることが今後は必要かもしれません。

吉倉孝則

吉倉孝則 (よしくら たかのり)

理学療法士。保健学修士。認定理学療法士(運動器)。
星城大学リハビリテーション学部理学療法学専攻卒業。浜松医科大学附属病院リハビリテーション部入職。星城大学大学院健康支援学研究科修了。
大学病院への勤務時代は、整形外科疾患、がんのリハビリテーションを中心に幅広い疾患のリハビリテーションに従事。院内の緩和ケアチームにも携わり多職種連携を心がけている。
臨床業務以外にも研究活動や学生の指導など教育、地域包括リーダーとして地域包括ケアの構築にも力を入れている。


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