2020年 東京オリンピック・パラリンピックがやってくる(1)
公開日:2018.07.09 更新日:2021.04.09
文:吉倉 孝則
理学療法士/保健学修士/認定理学療法士
いよいよ2年後に開催される東京オリンピック・パラリンピック!
楽しみにしているリハビリセラピストの方も多いのではないでしょうか。
折角なら東京オリンピック・パラリンピックに関わりたいと考える人も多いと思います。
一方で、開催を楽しみにしているけど、自分には関係ないと思ったり、そもそも興味もない人もいるでしょう。それでもリハビリセラピストであれば特にパラリンピックについては少しは興味を持ってもらいたいいので、今回のテーマで書いてみようと思います。
東京オリンピック・パラリンピックについて
東京オリンピックは2020年7月24日(金)から8月9日(日)まで開催され、33競技が行われます。パラリンピックは2020年8月25日(火)から9月6日(日)まで開催され、22競技が行われます。会場は東京都がほとんどですが、競技によっては関東近郊やサッカーでは他県でも開催されるようです。2012年に開催されたロンドン大会の実績では、オリンピックには204国と地域、10,500選手、パラリンピックには164国と地域、4,200選手が参加しており、とても大規模で世界的な大会であることが分かります。ちなみに前回の東京オリンピックは1964年であり、56年ぶりの開催となります。
皆さんはテレビで観る派?競技会場で観る派?それとも運営やボランティアで関わる派?
リハビリセラピストとしてオリンピックに関わりたい
東京オリンピックでセラピストとして活躍したいと思う方も多いでしょう。特にスポーツ分野に興味のある理学療法士はそうかもしれません。
実際に私もスポーツ分野で活躍したくて理学療法士を目指しました。私は小学校のころからサッカーをやっていたのですが、残念ながらサッカー選手としての能力は低く、よくベンチを温めていました(笑)。また怪我をして近くの整形外科や接骨院にお世話になることもありました。
そのころから「チームを陰で支える」ことの重要性や必要性も感じて、スポーツトレーナーなどに興味を持ち、高校生のころに「理学療法士」という仕事を知り、理学療法士になりました。
だから、私もいつかはスポーツ分野で活躍したいと思う反面、急性期病院で勤務してきたので十分なスキルがないのではと思ったり(もちろん急性期病院で働いているセラピストの方でもそのスキルを身につけている方もいると思いますが)、関わりたくてもどのようにすればよいのかわからないのが現状です。
皆さんのなかにも同じようにスポーツ分野で活躍することを夢みて理学療法士になった方は多いと思います。でも実際はスポーツ分野のリハビリとなると狭き門ですし、どのようにすれば関われるのかわからないのが現状でしょう。ましてや、オリンピックなんて……。
日本理学療法士協会のデータによれば、東京オリンピック・パラリンピックに興味があると回答した人が91%いましたが、実際に関わる予定がない方が84%だったようです。その理由は「関わり方がわからない」が多数でした。
しかし、東京オリンピック・パラリンピックの開催はそのようなスポーツで関わりたいと思っているセラピストにとってチャンスだと思います。
どのように関わればよいのか?
私もこの分野に詳しいわけではありませんが、セラピストとしてオリンピック・パラリンピックに関わる方法としては、大会期間中の選手村や各競技会場で運営側になるケースと、各競技の日本代表チームに帯同しサポートする関わり方があると思います。これらは高い技術・知識も求められますし、特に後者は今から競技団体との関係性を一から作るのは難しいかもしれません。
その他の方法としては、今後2020年に向けての日本全国で開催されるプレ大会や事前キャンプなどで運営のサポートを申し出る、またはプレ大会などの運営依頼が来た場合それに応えるという方法が考えられます。運営サポートができるよう、日本理学療法士協会や東京都理学療法士会が主催する研修でもスポーツ分野の研修を増やしているようです。
また各都道府県の理学療法士会では、スポーツに関する研修やサポート事業をやっていますので、まずはそこから参加してみるのもよいかもしれません。
他にも、セラピストとして関わるのではなく、市民ボランティアとして、そして一般の観客として東京オリンピック・パラリンピックを楽しむこともできるでしょう。
リハビリセラピストの皆さんであれば、特にパラリンピックには興味を持ってほしいですね。その理由については次回書きたいと思います。
参考:JPTA NEWS 2018 APRIL Vol.312 スポーツと理学療法士(公益社団法人日本理学療法士協会)
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