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セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。

第28回2020年 東京オリンピック・パラリンピックがやってくる(3)

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いよいよ2年後に開催される東京オリンピック・パラリンピック!
前回は、リハビリセラピストの方にも、「障害者スポーツ」の魅力など知ってもらいたいという内容で、私の観戦&体験したことのある車椅子バスケとボッチャについて書きました。今回はその続きとして、同じサッカーでもパラリンピック競技であり、視覚障害者のブラインドサッカー、そしてパラリンピックの種目ではありませんが、切断者のアンプティサッカーについて紹介します。
 

目が見えていなくても仲間を信頼したプレーが魅力「ブラインドサッカー(5人制サッカー)」

5人制サッカーという競技名をみると、フットサルのようなイメージがあるかもしれませんが、パラリンピックではブラインドサッカーのことを5人制サッカーと呼びます。ブラインドサッカーは視覚障害者のサッカーです。1チーム5名のうち4名が視覚障害者、ゴールキーパーだけ目の見える者が務めます。また相手のゴール裏(シュートを打つゴール裏)にガイドというコーチ役が指示を出します。さらに、サッカーボールの中に鉛の入った特製のボールを使用し、ボールが転がると「シャカシャカ」と音が鳴ります。選手たちはキーパー・ガイドの指示とボールの音を聞いてサッカーをします。
想像しただけで、難しいことが分かるでしょう。
 
実際に観戦してみると、選手同士の激しいぶつかりあい、ボールの奪い合いがあり、また時折見せる華麗なドリブルやパス回しは本当に目が見えていないのか疑ってしまうほどです。
 
私も体験しましたが、ボールを止めることも大変ですし、味方がどこにいるのか、どこにパスをしていいのか、パスをしたくても足元のボールがどこにあるのかわからないという難易度の高さで、サッカー経験者の私でも苦労しました。
また試合中の応援も特徴的です。普通のサッカーの試合であれば、サポーターたちは選手の応援歌を歌ったりして応援をします。しかし、ブラインドサッカーでは、選手たちは「音」が頼りのため、サポーターは静かに観戦する必要があります。まさに固唾を飲んだ観戦となります。
 
 

杖でのダッシュとキックは難しい「アンプティサッカー」

アンプティサッカーはパラリンピックの種目ではありませんが、非常に魅力的な競技なのでご紹介します。アンプティサッカーは切断者のサッカーです。フィールドプレイヤーは下肢切断者、ゴールキーパーは上肢切断者が担当。競技中は義足などを外し、ロフストランド杖を両手で持って体を支え、片足でプレーします。体を振り子のように反動をつけてのシュートは強烈です。また普段の松葉杖やロフストランド杖で歩いている人では想像もつかないような、杖を使ってのダッシュは思わず「早い!」と声を上げてしまいます。

アンプティサッカーも体験したことがありますが、普段リハビリ場面で松葉杖やロフストランド杖の使い方を指導しているため、杖の使い方には戸惑いはありませんでした。しかし、プレーしてみるととても難しい。普段のサッカーであれば、ボールを蹴る際に軸足を踏み込んで、ボールを蹴るのですが、アンプティでは一側の足しか使用できないため、ボールを蹴るのにもタイミングが合いません。また両杖でフィールドを走るというのは両腕も支えている片足もとても疲れます。短時間の体験で、両腕、足ともにパンパンでした。1試合走り続ける選手の体力と筋力はすごい!

今回は、同じサッカー競技でも視覚障害者のブラインドサッカーと切断者のアンプティサッカーという障害の異なる2種目について書きました。前回書いたのも含めて、4種目の障害者スポーツを紹介しましたが、他にも興味深い種目はたくさんあります。個人的には、まだ現地観戦はしたことはありませんが、車椅子ラグビーであるウィルチェアーラグビーと視覚障害者の球技であるゴールボールは興味深いです。

前回にも書きましたが、「百聞は一見にしかず」まずは観戦することをお勧めします。普段のスポーツとは違った障害者スポーツ特有のルールが魅力的で面白いのです。
皆さんもまずは障害者スポーツの会場に足を運んでみませんか? きっと新しい驚きがあり、障害者スポーツの魅力に取りつかれると思います。

次回はセラピストが障害者スポーツを知っておくべき理由について書きたいと思います。

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吉倉孝則

吉倉孝則 (よしくら たかのり)

理学療法士。保健学修士。認定理学療法士(運動器)。
星城大学リハビリテーション学部理学療法学専攻卒業。浜松医科大学附属病院リハビリテーション部入職。星城大学大学院健康支援学研究科修了。
大学病院への勤務時代は、整形外科疾患、がんのリハビリテーションを中心に幅広い疾患のリハビリテーションに従事。院内の緩和ケアチームにも携わり多職種連携を心がけている。
臨床業務以外にも研究活動や学生の指導など教育、地域包括リーダーとして地域包括ケアの構築にも力を入れている。


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