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セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。

第24回地域包括ケアってなんだ?(8)平成30年度介護報酬改定からみえるセラピストの役割(後編)

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、平成30年度介護報酬改定では、自立支援を強化させるような内容が多く、その中で「生活機能向上連携加算」について書きました。今回は、そのほかにもセラピストに関連する改定内容を書いてみます。
 

リハビリテーションマネジメントの強化

今回の介護報酬改定で、一番セラピストに関連するのが「リハビリテーションマネジメント加算(リハマネ加算)」についてでしょう。これは、訪問リハビリテーション(訪リハ)、通所リハビリテーション(通リハ)の利用者ごとにリハビリテーション計画を作成しますが、その際に会議を開催して利用者・家族、医師、リハビリセラピスト、ケアマネージャーなど多職種が参加して目標や介入方法の共有や協働ができるように前回の平成27年度改定で新設されました。これが従来の「リハマネ加算Ⅱ」です。これらによって、セラピストによって個別のリハビリテーションを漫然と提供するのではなく、PDCA(P:Plan計画、D:Do実行、C:Check評価、A:Act改善)サイクルをまわしながら、サービス提供することが強く求められました。また多職種で目標や介入方法を共有することで、前回に書いたような自立支援の強化が期待されました。

しかし、実際には会議に医師が多忙で出席できず、リハマネ加算Ⅱの運用がしにくいことがわかりました。一方で、医師からリハビリの目的やリスク管理、負荷量など詳細なリハビリの指示があった方が、ADLの改善に寄与するデータが示されました。つまり、医師からただ単に「リハビリをしてください」という指示では不十分であり、医師がより関与したほうが効果的なリハビリが実施されるということです。
そのようなことから、従来のリハマネ加算Ⅰ・Ⅱ(訪問リハの場合Ⅰが60単位/月、Ⅱが150単位/月)から4段階に分けて、リハマネ加算Ⅰ~Ⅳ(訪問リハの場合Ⅰが230点~Ⅳが420点)となりました。この点数の大幅な評価(アップ)は、リハビリテーションマネジメントを強化し、医師が関与することが期待されています。ちなみに、会議に医師が出席しにくさを解消するために、医師の会議出席はICTを活用してテレビ電話等でも認められるようになりました。さらに一番点数の高いリハマネ加算Ⅳは、VISITという厚生労働省のデータベースにデータを提出することが求められており、訪問リハ、通所リハのデータが集積され、科学的な介護が出来るように推進されています。

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アウトカムの推進

第21回で書いたように、診療報酬はストラクチャー、プロセス、アウトカムで構成されていますが、今回、介護報酬改定でもアウトカムが意識的に取り入れられました。一つは「ADL維持等加算」です。これは通所介護(デイサービス)において、ADLの評価であるBarthel Indexを用いて評価し、利用者のADLが維持改善の度合いが一定以上の事業所を評価するものです。これも21回に書いたように、“クリームスキミング”がないように、要介護度が3,4,5の利用者が一定以上含まれ、新規に介護認定された利用者の割合も規定されています。この加算では5時間以上の利用者を対象としており、リハビリ特化型デイサービスを謳うような短時間型の通所介護は対象外です。従来の長時間型の通所介護では、十分な機能訓練を実施されず、「お世話型介護」のようになっていることも多く、介護の重症化予防が十分に機能しておりませんでした。すでにリハビリセラピストのいる通所介護では自立支援を意識して取り組んでいるところもあるでしょうが、セラピストのいない事業所では、前回書いたような「生活機能連携加算」などで外部のセラピストとも連携しながら、アウトカムであるADLの維持向上を意識して取り組む必要があるでしょう。またリハビリセラピストもそのような役割があることを理解する必要があるでしょう。
その他、訪問リハビリにおいても、要支援の利用者のADLが一定以上維持改善した場合に評価される「事業所評価加算」が新設されました。これは、まさにアウトカムによる評価です。

以上のように、介護保険下でのリハビリテーションにおいても、アウトカムが重視されつつあり、リハビリセラピストは漠然とした訓練や関わりではなく、リハビリマネジメントに基づき、効果的・効率的なリハビリテーションが求められます。今回の改定では、リハマネⅣにてデータ収集されることになり、今後、このデータを用いて訪問リハビリ、通所リハビリにおいても一定のアウトカムが求められるようになるかもしれません。いずれにせよ、リハビリセラピストはそのような流れを肝に銘じて、国民にとって良質なサービスを提供して行く必要があります。
 
 
>>訪問リハビリまるわかりガイドの一部を読んでみる

吉倉孝則

吉倉孝則 (よしくら たかのり)

理学療法士。保健学修士。認定理学療法士(運動器)。
星城大学リハビリテーション学部理学療法学専攻卒業。浜松医科大学附属病院リハビリテーション部入職。星城大学大学院健康支援学研究科修了。
大学病院への勤務時代は、整形外科疾患、がんのリハビリテーションを中心に幅広い疾患のリハビリテーションに従事。院内の緩和ケアチームにも携わり多職種連携を心がけている。
臨床業務以外にも研究活動や学生の指導など教育、地域包括リーダーとして地域包括ケアの構築にも力を入れている。


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