スポーツトレーナーで年収1000万円は可能?働き方や必要な条件などについて解説
公開日:2024.07.22
文:rana(理学療法士)
スポーツトレーナーはプロチームに所属したり、開業したりすることによって、高収入が期待できる仕事です。
高収入の目安として「年収1000万円」を目標にしている人もいるかもしれません。
しかし、年収1000万円を得ている人は、給与所得者全体の割合から見るとわずか5%程度です。では、実際にスポーツトレーナーで年収1000万円を稼ぐのは可能なのでしょうか。
今回はスポーツトレーナーが年収1000万円を稼ぐことが可能なのか、また稼ぐための方法について解説します。
目次
スポーツトレーナーが年収1000万円を稼ぐのは可能?
スポーツトレーナーで年収1000万円を稼ぐことは不可能ではありませんが、実現する人はかなり限られています。
公益財団法人日本スポーツ協会がスポーツトレーナーの一種であるAT(アスレティックトレーナー)資格保有者を対象として行った調査によると、年収1000万円以上は全体の約2.7%とされています。
また、約40%が年収100万円以下とされており、トレーナーの年収にはかなりの幅があるのが現状です。
年収に幅がある理由としては、副業でトレーナーをしている人や、独立開業している人も含まれていることが挙げられるでしょう。
高収入を得ているスポーツトレーナーは、プロ選手と直属契約をしたり、トレーニングジムを運営したりしている人が多い傾向にあります。
スポーツトレーナーとして年収1000万円を稼ぐことは簡単ではありませんが、自身の働き方次第では実現可能といえるでしょう。
スポーツトレーナーの働き方
スポーツトレーナーにはどのような働き方があるのでしょうか。スポーツトレーナーの働き方についてまとめました。
正社員
正社員として働くスポーツトレーナーは、主にスポーツクラブやトレーニングジム、リハビリ施設、整骨院などで活躍しています。利用者さんのトレーニング指導やコンディショニングなどに携わっており、勤務時間や休みは規則的で、安定した収入が得られる働き方です。
業務委託
業務委託は、企業や組織を通さずに個人としてスポーツクラブやトレーナージムと契約を結んで業務を請け負う働き方です。正社員のように勤務時間が一定ではなく、案件ごとにスポットで働くようなケースがほとんどでしょう。他の仕事と掛け持ちしながら、まずは副業としてトレーナー活動をしたい人に向いています。
独立・開業
独立・開業は、自身でトレーニングジムやボディサロンなどを立ち上げて経営者兼スポーツトレーナーとして活動する働き方です。正社員とは違い、集客や経理など全て自分で管理していかなければなりません。収入が不安定だったり、顧客が集まらなかったりすることもあり、事業が軌道に乗るまでは大変ですが、働き方次第では高収入を得られる可能性があります。
スポーツトレーナーの年収を上げる方法
さまざまな働き方がありますが、スポーツトレーナーが年収を上げるためにはどうしたらよいのでしょうか。スポーツトレーナーの年収を上げる方法についてまとめました。
役職に就く
正社員であれば、会社の役職に就くことが年収アップにつながります。しかし、役職に就くためにはそれなりの経験や実績が求められます。また、トレーナーとしてだけではなく、周りをマネジメントするような仕事もこなさなければなりません。
社員の年齢層が高かったり、ベテラントレーナーが多かったりすると、役職に就くのは難しい場合もあります。社員のパワーバランスによっても役職に就けるかどうかは変わってくるので見極めが重要です。
リピーターを増やす
スポーツトレーナーとして年収を上げるなら、リピーターを増やしましょう。スポーツトレーナーは多くのセッションをこなした分だけ収益が得られます。
リピーターが増えれば増えるほど、セッション数も伸びていくことでしょう。正社員でも歩合制で給料が決められている職場も少なくありません。独立・開業後であればなおさらです。
どんな仕事でもそうですが、まずは「またあの人にお願いしたい」という信頼を得ることが年収アップにつながります。
新規客を増やす
新規客を増やすことは年収アップにつながります。リピーターを増やすことも重要ですが、まずは新規客が集まらなければリピーターも増えていきません。
そのためにはSNSやチラシなどで宣伝したり、イベントを開いて周知してもらったりなど集客にも力を注ぐ必要があります。特に、独立・開業後には欠かせない取り組みです。
独立・開業する
これまで正社員や業務委託として働いていた場合、トレーナーとして独立・開業をすれば年収がアップする可能性があります。
プロスポーツ選手と契約をしたり、多くの顧客を獲得したりすれば思った以上に稼げるかもしれません。
しかし、独立するにはそれなりのリスクが伴い、必ずしも成功するとは限りません。先を見据えた経営方針や集客方法なども学ぶ必要があります。
とはいえ、高い年収を得たい、自分で事業をやりたいと強い思いを持つ方なら独立・開業も1つの選択肢になるでしょう。
スポーツトレーナーとして年収1000万円を稼ぐために必要な条件
スポーツトレーナーとして年収1000万円を稼ぐのは不可能ではありません。では、どのような考え方でスキルアップを目指せばよいのでしょうか。トレーナーとして1000万円を稼ぐために必要な条件についてまとめました。
最新情報を常に把握しておく
トレーナーとして1000万円を稼ぐためには、最新情報を常に把握しておくことが重要です。身体面や栄養面などはもちろん、流行りのトレーニング方法や器具などにも目を向けておく必要があります。
新規客の獲得にも、トレンドを押さえておくことが欠かせません。さまざまな視点でアンテナを張り、常に最新情報を把握できるようにしておきましょう。
マーケティングを学ぶ
高収入を得るためには、マーケティング知識が欠かせません。マーケティングとは、商品やサービスが売れるための仕組み作りを指します。
顧客のニーズは何か、どの層にターゲットを絞ればよいのかなど、集客するための戦略を練っていくことが重要です。
また、定期的に戦略を見直して、効果を検証し、より良い方法を模索することで収益アップが目指します。トレーナーとしての知識だけでなく、マーケティングの学びも深めるようにしましょう。
人脈を広げる
トレーナーとして成功するためには人脈を広げるよう意識しましょう。高収入を得ているトレーナーはプロスポーツ選手や有名人のパーソナルトレーニングに携わっていることが多い傾向にあります。
人脈を広げるためには、積極的にセミナーへ参加したり、現場で色々な人とコミュニケーションを図ったり、自ら行動することが重要です。
また、人脈を広げると顧客獲得だけでなく、さまざまな最新情報が得られやすくもなります。
スポーツトレーナーとして1000万円稼ぐためにはそれなりの覚悟が必要
スポーツトレーナーとして1000万円を稼ぐのはそれなりの覚悟が必要です。しかし、健康増進の背景もあり、今後スポーツトレーナーの需要は高まることも予想されます。
本気で年収1000万円を目指したい人は、戦略を練って挑戦してみてはいかがでしょうか。
>>【全国どこでも電話・メール・WEB相談OK】セラピストの無料転職サポートに申し込む
参考
第一回日本のトレーナー実態調査|公益財団法人日本スポーツ協会
rana(理学療法士)
総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
他の記事も読む
- 五十肩でやってはいけないこと4選!自宅でできる対処法もあわせて解説
- 訪問リハビリテーションの給料相場はどのくらい? 仕事内容や求人を探すポイントについても解説
- 作業療法士は無資格でもなれる?助手として働く選択肢や免許を取る方法など現役作業療法士が解説
- 【言語聴覚士が解説】自宅でできる構音障害のリハビリ方法7選!
- リハビリは特掲診療料に含まれる!施設基準や算定できる加算などについて現役作業療法士が解説
- バネ指とは?原因や症状、やってはいけないことについて解説
- 20代理学療法士の給料相場は?他職種との比較や給料アップの方法を解説
- 側弯症の人がやってはいけないこととは?側弯症の種類と症状を解説
- クローヌスの止め方とは?原因のほか家庭でできる対策と医療機関での治療も紹介
- 言語療法士と言語聴覚士の違いは?ST・PT・OTとの違い・資格を取得するための方法も解説
- セラピストの仕事はしんどい?理由ややりがい、向き不向きを現役作業療法士が解説
- 「セラピストはやめとけ」は本当?セラピストの退職理由や向いていない人の特徴を紹介
- セラピストが仕事に抱く本音は?業務内容や待遇、人間関係の現状について現役作業療法士が解説
- たんぱく質を摂り過ぎているときのサインとは? 摂り過ぎないポイントも解説
- 進行性核上性麻痺の人のリハビリや日常生活における注意点を現役作業療法士が解説
- ケアカンファレンスとは?記録の書き方や関わり方のポイントを徹底解説!
- リハビリ職は無資格でも働ける?仕事内容やデメリットなどを解説
- 腱板断裂とは?原因ややってはいけないことなどについて解説
- 突発性難聴の治療中にやってはいけないことは?~回復過程や仕事への影響も解説
- 退院時リハビリテーション指導料とは?算定ポイントと実際の指導内容を紹介