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【例文付き】新人理学療法士向けリハビリサマリーを作成するポイントについて

公開日:2022.11.22 更新日:2024.01.11

【新人理学療法士向け】リハビリサマリーを作成するポイントについて

文:rana(理学療法士)

理学療法士が行う書類業務の1つに、リハビリサマリーの作成があります。リハビリサマリーとは、患者さんが転院する際に作成するもので、転院先でのリハビリをスムーズに進めるために重要な役割を果たします。

今回は、新人理学療法士に向けて、14年目の理学療法士が、リハビリサマリーを作成する際に注意すべきポイントについて、例文を挙げながら解説します。

>>理学療法士に必要とされる技術|スキル向上のためのポイントも

リハビリサマリーとは

サマリー(summary)とは、「概要」「要約」といった意味があり、医療現場では患者さんの総合的な情報がまとめられた書類を指します。

理学療法士が作成するリハビリサマリーは、患者さんが他院へ転院する際、次に担当する理学療法士や作業療法士に情報提供することを目的に作成する書類です。

ただし、統一されたフォーマットはなく、記載項目や内容は、施設や作成する人によってさまざまです。細かく記載されていることもあれば、簡易的にまとめられていることもあり、受け取る側としてはほしい情報が記載されていない場合も少なからずあるでしょう。

ある意味、正解のない書類であるため、新人理学療法士はリハビリサマリー作成に苦労することが多いかもしれません。

筆者のリハビリサマリーにおける経験談

筆者は、1年目から3年目まで総合病院で勤務しており、その頃にリハビリサマリー作成を経験しています。

当時は先輩が作成した過去のリハビリサマリーを参考に、見よう見まねで作成していたことを覚えています。現在筆者は整形外科クリニックで勤務しており、リハビリサマリーを作成することはほとんどありません。

ですが、担当患者さんが入院していた病院の理学療法士から、リハビリサマリーを受け取る機会があります。受け取る側の立場として、今後リハビリを担当するにあたり、情報として記載してほしいと思うのが以下の3点です。

  • ・入院や手術に至った経緯
  • ・介入初期の状態と経過
  • ・患者の個人因子(性格や家庭環境、家族状況、仕事、社会的役割など)

現在の患者さんの身体状態は、自分が担当してから把握することが可能なため、正直サラッとしか目を通しません。時折、可動域や筋力など、各関節ごとに細かく記載されていることがありますが、実際のところ、あまり細かく読まないというのが本音です。

リハビリサマリーで記載すべき項目ごとの例文

記載する項目に正解がないリハビリサマリーですが、受け取る側への情報提供を意識する際に、実際にはどのような点に注意して記載すれば良いのでしょうか。以下に例文を上げて紹介しましょう。

症例は、仮に「膝の人工関節置換術後で回復期病院から整形外科クリニックに転院する70代女性」とします。まず記載する必須項目として、以下については冒頭に記載します。

  • ・診断名
  • ・手術日
  • ・既往歴
  • ・合併症
  • ・入院期間

以下は具体的なサマリーの内容例です。主に記載されていることが多い項目についての例文をまとめました。

現病歴(手術に至った経緯)

例文)

「○○年○月頃より、誘因なく左膝に疼痛が出現するようになり徐々に悪化。そのまま医療機関を受診せずに生活を送っていたところ、同年○月○日に歩行困難となり当院受診。重度の変形性膝関節症にて、手術適応と判断され、同年○月○日に左膝人工関節置換術施行。」

介入初期の状態

例文)

「○○年○月○日よりリハビリ開始。
介入初期は、手術創部周囲の腫脹、熱感、疼痛が強く、ご本人様もリハビリに対して不安が強い状態でした。
初回時点で膝の可動域は、他動で屈曲90度、伸展-15度。
膝伸展筋力はMMT2レベル。
T字杖にて院内歩行を行っておりましたが、疼痛により、自室内移動も困難な状態でした。」

経過

例文)

「患部の炎症症状緩和に伴い、機能面の改善が見られ、ご本人様もリハビリを積極的にこなす様子が見られてきました。
○月○日時点にて、膝の可動域は、他動で屈曲130度、伸展0度。
膝伸展筋力はMMT4レベル。
T字杖にて20分程度の屋外歩行が可能となっています。」

何を目標にリハビリを行ってきたか

例文)

「自宅から徒歩10分の距離にスーパーがあり、そこまで徒歩で行き、買い物ができるようになりたいというご本人様の希望を目標にリハビリを行ってきました。
現在、20分の屋外歩行が可能となっており、今後リハビリを継続し、実際の動作を行っていくことで達成可能であると考えられます。
ご本人様は意欲も高く、リハビリに対して積極的に取り組まれています。」

以上が、仮の症例に従ったリハビリサマリーの例文です。患者さんや状態によって内容は異なりますが、ポイントを絞ってまとめることが大切です。

リハビリサマリーを作成する際の注意点

例文は、受け取る側が理学療法士である場合を想定して作成したものです。

しかし、リハビリサマリーは必ずしも、理学療法士や作業療法士だけを対象として作成するとは限りません。時にはケアマネジャーや看護師に向けて作成することもあるため、その場合はリハビリの専門用語を羅列しないように注意が必要です。

知見や経験があることを伝えたいという気持ちや、簡潔にまとめたいという考えから、難しい専門用語を使いたくなるかもしれませんが、それは望ましくありません。

たとえ、受け取る側が理学療法士だとわかっていても、そこに頼りすぎず、誰にでも内容が理解できるような言葉で、わかりやすく記載するように意識しましょう。また、理学療法士宛に作成するとしても、特定の手技のみに用いられる用語や、あまりメジャーではない評価を使用することは避けましょう。

養成校の理学療法評価学で学んだ、関節可動域テストやMMT(徒手筋力テスト)、形態測定などの範囲であれば問題ありません。

リハビリサマリーは相手の立場になって作成しよう

リハビリサマリーは、患者さんが次の環境でスムーズにリハビリが進められるように作成する大切な書類です。そのため、自分本位で内容を書くのではなく、相手の立場を考えて作成することが重要です。

特に経験が浅い理学療法士の場合、先輩理学療法士のサポートを受けながら作成すると安心です。リハビリサマリーは、「これを書いたら正解」というものはありませんが、相手が求める情報や伝えるべきポイントを簡潔にわかりやすくまとめることを心がけると良いでしょう。

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rana

rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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