セラピスト(リハビリ職)の面接対策|よくある質問と回答例(志望動機・退職理由など)
公開日:2021.04.19 更新日:2022.11.22
文:rana(理学療法士)
転職をする際に避けては通れないのが面接です。面接と聞くと、「上手く答えることができるだろうか」「下手なことを言って落とされたらどうしよう」といった不安が頭をよぎるかもしれません。
今回は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリセラピストが転職を成功させるために知っておきたい「面接のポイント」について、回答例を挙げながら紹介します。
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目次
セラピストの面接でよくある質問と回答例(志望理由・退職理由・逆質問など)
セラピストの面接では「資格特有の専門的な質問」をされることが多い傾向にあります。
実際にどのようなことを聞かれるのか、具体例とともに良い回答例、好ましくない回答例をみていきましょう。
①セラピストになろうと思ったきっかけは何ですか?(希望職種について)
- ◯:よい回答例
- ・自分(または家族)がリハビリを受けて、理学療法士に感銘を受けたことがきっかけです
・人の手助けをして喜びを感じる仕事がしたいと思ったからです
【POINT】
その職業ならではの魅力がきっかけであることが伝わると、良い印象を与えやすいでしょう。
- ×:NGな回答例
- ・資格があれば仕事に困らないと思ったからです
・給料が安定しているからです
【POINT】
「仕事に困らない」「給料が安定している」といった回答は、理学療法士でなくほかの仕事でもあてはまります。他職種で良いのではないかと捉えられるほか、やる気や熱意が伝わらない回答として評価されてしまうでしょう。
②将来、どのようなセラピストになりたいですか?(キャリアプラン)
- ◯:よい回答例
- ・(転職先の専門分野に合わせて)〇〇分野のスペシャリストになりたいと思っています
【POINT】
転職先の専門分野や特性に注目し、しっかり情報収集したうえで応募したことが伝わります。また、学ぶ姿勢があることや、採用後は長く勤めたいという印象も与えられます。
- ×:NGな回答例
- ・整形疾患や中枢疾患、小児、スポーツなど、色々な分野に対応できるようになりたいと思っています
【POINT】
一見、良い回答にみえますが、就職先で経験できない分野が含まれると「いずれ転職をするのではないか」と思われる可能性があります。専門性に特化して学びたいといった姿勢が見られず、積極性が薄い印象を与えることもあるでしょう。
③なぜ前職を辞めたのですか?(退職理由・転職理由)
- ◯:よい回答例
- ・スポーツ分野に興味を持っていましたが、前職では携わる機会がありませんでした。もっとスポーツ分野のリハビリを行う環境で働きたいと考え、退職いたしました
【POINT】
自分のスキルアップ、新たな挑戦など、前向きな理由を伝えると良い印象を与えられます。
- ×:NGな回答例
- ・前職ではひと息つく間もないくらいに忙しく、残業も多かったからです
・管理者との方針が合わなくて辞めました
【POINT】
正直に伝える姿勢は大切ですが、前職の不満を出すことは好ましくありません。「不満が生じたら、またすぐに辞めてしまうのではないか」と思われる可能性があります。
④これまでどのようなことを経験してきましたか?(職務経歴)
- ◯:よい回答例
- ・前施設では〇〇分野を中心にリハビリを行ってきました。その経験がこちらの施設でも、活かせると思っております
・これまでは整形疾患を経験してきましたが、こちらの施設特有である中枢疾患を学びたいという思いがあります。現状では、中枢疾患の経験はあまりありませんが、今後色々と経験して学んでいきたいと考えております
【POINT】
転職先と前職で共通する分野であれば経験を活かせることをアピールし、分野が異なれば、新たな挑戦でレベルアップを図りたいという意思を伝えると良い印象を与えられます。
- ×:NGな回答例
- ・〇〇手技のセミナーに何度も参加しており、技術を磨いてきました
【POINT】
転職先の治療方針と合致していれば評価される可能性がありますが、そうでない場合は「経験が偏っている」と捉えられることもあります。
⑤当施設(当病院)を志望した理由は何ですか?(志望動機・志望理由)
- ◯:よい回答例
- ・施設の理念や方針に共感し、モチベーション高く仕事ができると思ったからです
・経験のあるセラピストが多く、自分が成長できる環境であると感じたからです
【POINT】
転職先ならではの方針や職場環境など、そこにしかない特有の条件を肉付けした具体的な志望動機(志望理由)を伝えると、良い印象を与えられます。
- ×:NGな回答例
- ・訪問リハビリでの経験を積みたいと思ったからです
【POINT】
本心からの志望動機だとしても、その転職先にしかない魅力とは言えなければ消極的な印象を与えます。志望先にしかないポイントを伝えて、転職先に熱意を伝えましょう。
⑥なにか質問はありますか?(逆質問)
- ◯:よい回答例
- ・院内勉強会などはありますか?
・どのような疾患の患者さんが多いですか?
【POINT】
就職後の職場環境や、業務に対して前向きな姿勢が感じられる回答は、良い印象を与えます。
- ×:NGな回答例
- ・今は特にありません
【POINT】
質問をしないと転職先への興味が薄く、モチベーションが低いと判断される可能性もあります。また、調べたらわかるような質問はしないように注意しましょう。
セラピストが面接を成功させるための3つのポイント
セラピストの転職は、これまでの回答例などを参考に、前向きな姿勢で面接に臨むことが大切です。加えて、事前の準備を整え、面接時により良い対応をすることで、上手くいく可能性が高くなります。
面接前にチェックしておきたいポイントを以下にまとめました。
①相手の目を見て堂々と話す
面接で話をする際は、相手の目を見て対話することが大切です。セラピストは患者さんと一対一で関わる仕事であり、現場ではコミュニケーション能力が問われます。
面接時においても、相手に目を向けないまま話を進めてしまうと、コミュニケーション能力が低い印象を与えてしまいます。
また、声が小さかったり、はっきり喋れていないのも、良い印象を与えにくいものです。面接時には患者さんへの対応を見られていることを意識し、相手の目を見て、自信をもって堂々と話すように心がけましょう。
②事前に調べられる情報を得ておく
面接では「なぜこの施設を選んだのか」という志望動機が重視されます。根拠をもって応募先を選んだことが伝わるよう、まずは転職先施設の情報を事前に調べておくことが大切です。
病院の方針や、診療科目、設備などはホームページやパンフレットから確認できます。調べた情報を深堀りするような質問や回答をすることで、入職したいという強い意志が伝わるでしょう。
逆に、何も調べていないことが相手に伝われば、熱意がない印象を与えてしまいます。調べた情報をもとに、面接時の会話が広がることもあります。書類作成の段階から、しっかり情報を取り入れるようにしましょう。
③無理なことは無理だときちんと伝える
面接時に良い印象を与えようとして、自分の意志と違うことを言ってしまうのは、採用後を考えると良い選択ではありません。例えば、「法人内の転勤は可能か」「休日出勤は可能か」という質問に対し、良い印象を与えようとして自分の意志と反して「可能です」と答えたとします。
採用後、いざその状況になって無理だったとなると、周りからの印象が悪くなり、職場の人間関係にも影響を及ぼす可能性もあるでしょう。回答次第で、合否を左右することもあるかもしれませんが、譲れない部分をしっかりと伝えておくことは理想の環境で働くための大切な要素といえます。
面接では自分の意思を堂々と伝えることが大切
面接は何度経験しても緊張してしまうものです。しかし、セラピストは患者さんと一対一で関わる仕事であり、面接ではコミュニケーション能力を評価される機会ともいえます。
面接で自信のない印象を与えてしまうと、患者さん対応も上手くできないのではないかと思われてしまうかもしれません。
患者さんに対応するような状況を想定し、堂々とした態度で面接に臨みましょう。自分の考えを事前に整理して、患者さんに対応するような真摯な気持ちを心がけるのが、面接を成功させるカギといえます。
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理学療法士として総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
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