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ふくらはぎの筋肉を鍛えるメリットは?効率的な筋トレメニューをご紹介

公開日:2024.05.17

ふくらはぎの筋肉を鍛えるメリットは?効率的な筋トレメニューをご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

ふくらはぎの筋肉を効率的に鍛えるために、どんな筋トレをすれば良いか気になりませんか?ふくらはぎの筋肉は足を蹴り出すときに働くだけでなく、下半身の血液を循環させる役割があります。ふくらはぎの筋肉を鍛えることで、運動のパフォーマンス向上や全身の血流改善につながるでしょう。

この記事では、ふくらはぎの筋肉を鍛えるメリットや具体的な筋トレメニューについてご紹介します。ふくらはぎの筋肉の知識を深めることで、効率的な筋トレを実践できるようになります。

ふくらはぎについている筋肉とは?

ふくらはぎの筋肉を鍛えるメリットは?効率的な筋トレメニューをご紹介

ここではふくらはぎの筋肉について詳しくみていきましょう。ふくらはぎには、以下の筋肉がついています。

● 腓腹筋(ひふくきん):ふくらはぎの外側・内側についている2つの大きな筋肉
● ヒラメ筋:腓腹筋よりも奥についている筋肉

どちらも共通して、足を下方向に動かす働きがあります。実際の動作でいうと、歩くとき・走るときの蹴り出しやジャンプなどです。とくに腓腹筋は瞬発的な動作で働きやすく、ヒラメ筋はバランスや持久力が求められる場面で活かされます。この腓腹筋とヒラメ筋を総称して、「下腿三頭筋」と呼びます。

ふくらはぎの筋肉を鍛える4つのメリット

ふくらはぎの筋肉を鍛えるメリットとして、以下の4つがあげられます。

1. 運動のパフォーマンスが向上する
2. 血流の循環が良くなる
3. ダイエットにつながる
4. ケガ予防になる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1.運動のパフォーマンスが向上する

1つ目が、運動のパフォーマンスが向上する点です。下腿三頭筋は先ほど説明したように、瞬発的な動きやバランスに関わっている筋肉です。下腿三頭筋を鍛えることで、走る・ジャンプなどが求められる運動を行いやすくなります。

とくにスポーツをする方にとって下腿三頭筋は、パフォーマンスを向上させて結果を残すためには欠かせない重要な筋肉といえます。

2.血流の循環が良くなる

2つ目は、血流の循環が良くなる点です。下腿三頭筋には、筋肉を収縮させて下半身に流れた血液を心臓に戻すポンプ作用があります。血液は重力の関係上、下半身に溜まりやすい傾向にあります。そのため、下腿三頭筋が衰えていると足がむくみやすくなることもあるでしょう。

下腿三頭筋を鍛えることで下半身の血流が良くなり、むくみの予防につながります。このように、下腿三頭筋は血流循環にとって重要な筋肉であることから、「第2の心臓」と呼ばれています。

3.ダイエットにつながる

3つ目は、ダイエットにつながる点です。筋トレで下腿三頭筋の筋肉量が増えれば、基礎代謝量が上がります。基礎代謝量とは、人が生きていくうえで最低限必要な消費エネルギーのことです。基礎代謝量が下がると消費エネルギーが減るので、その分太りやすい体質に近づきます。

基礎代謝量を決める要素はさまざまで、そのなかには筋肉量も大きく関わっています。下腿三頭筋の筋肉量が増加すれば基礎代謝量が上がり、消費エネルギーが増えてやせやすい身体を作れるでしょう。

4.ケガ予防になる

4つ目は、ケガ予防になる点です。下腿三頭筋を鍛えることで、バランス能力や足首の安定性の向上につながります。身体のバランスが安定すれば、足の捻挫をはじめとしたケガを防げるでしょう。歩く・走る際の蹴り出す力が上がれば、つまずきにくくなって転倒予防にもなります。

このように、ふくらはぎの筋肉を鍛えることには、さまざまなメリットがあるのがわかるでしょう。

ふくらはぎの筋肉を鍛えるおすすめの筋トレメニュー

ふくらはぎの筋肉を鍛えるメリットは?効率的な筋トレメニューをご紹介

ここでは、ふくらはぎを鍛えるための筋トレメニューについてみていきましょう。

カーフレイズ

カーフレイズはかかとを上げるトレーニングです。

【カーフレイズのやり方】
1. 立った状態で足を肩幅程度に広げる
2. 壁やイスなどの支えに軽く手を添える
3. ゆっくりと両方のかかとを上げる
4. かかとを上げきったらゆっくりと元に戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す

なるべく重心を身体の中心に保ったままかかとを上げましょう。重心が前方に移動していると、下腿三頭筋に効きにくくなります。

シーテッドカーフレイズ

シーテッドカーフレイズは、座った状態で行うかかと上げのトレーニングです。通常のカーフレイズでも負担が高いと感じる方は、こちらがおすすめです。

【シーテッドカーフレイズのやり方】
1. 膝を90度曲げられる高さのイスに座る
2. ゆっくりと両方のかかとを上げる
3. かかとを上げきったらゆっくりと元に戻る
4. 3〜4の手順を繰り返す

ふくらはぎの負荷を大きくしたい場合は、膝の上に重りを乗せる、手で下方向へおさえるなどの工夫をしてみましょう。

ジャンピングスクワット

ジャンピングスクワットでは、下腿三頭筋だけでなく下半身全体を鍛えられるトレーニングです。

【ジャンピングスクワットのやり方】
1. 立った状態で足を肩幅よりも広くする
2. 軽くかがんだ後、腕を振りながら真上にジャンプする
3. 膝を曲げて衝撃を吸収しながら着地する
4. 2〜3の手順を繰り返す

ジャンプする際はかかとを上げることを意識しながら行いましょう。膝にかかる負担も高いので、十分なストレッチや準備体操をしてから行ってください。

アンクルホップ

アンクルホップは、その場で膝を伸ばしながらジャンプするトレーニングです。

【アンクルホップのやり方】
1. 立った状態で足を肩幅程度に広げる
2. 膝を伸ばし、かかとを上げた状態でジャンプする
3. かかとを上げた状態をキープしながら着地する
4. 2〜3の手順を繰り返す

アンクルホップは足首にかかる負担が高いので、ストレッチや準備体操をした後に行ってください。

ヒップリフトカーフレイズ

ヒップリフトカーフレイズはあお向けの状態でできるかかと上げのトレーニングです。
腓腹筋に加えて、お尻にある大きい筋肉の「大殿筋」を鍛えられます。

【ヒップリフトカーフレイズのやり方】
1. あお向けになった状態で両膝を曲げる
2. お尻を上げて膝と上半身を一直線にする
3. お尻を上げたまま、かかとも上げる
4. かかとを上げきったらゆっくりと元に戻る(お尻は上げたまま)
5. 3〜4の手順を繰り返す

お尻を上げるときは、肛門を締めるようなイメージで行ってみましょう。

ふくらはぎの筋肉を効率的に鍛えるためのポイント

ふくらはぎの筋肉を鍛えるメリットは?効率的な筋トレメニューをご紹介

ふくらはぎの筋肉を効率的に鍛えるには、他にどのようなことを意識すれば良いでしょうか。ここでは効率的に鍛えるためのポイントについて詳しく解説します。

筋トレは週に2〜3回がおすすめ

筋トレをする頻度は、週に2〜3回が良いとされています。期間を空けながら筋トレすることで、負荷で傷ついた筋肉を修復する時間を確保できるからです。そして筋肉が修復されると以前よりも太い状態になり、この仕組みを「超回復」と呼びます。

なかには毎日トレーニングをした方が良いと思う方もいるかもしれません。しかし、毎日筋肉に負荷をかけると修復に時間がかかり、超回復が遅れる恐れがあるのです。筋肉を鍛えるにはトレーニングが必要ですが、休息も同じように重要であることを理解しておきましょう。

運動前後はストレッチで筋肉をほぐしておく

運動前後はストレッチをして、筋肉をほぐしておきましょう。運動前のストレッチは筋肉の柔軟性を高めて、ケガの予防につながります。ストレッチを行わずに身体が固い状態で運動をはじめると、筋肉や関節を痛める原因となるでしょう。

また、運動後のストレッチは筋肉の血流を促し、溜まった疲労物質を流しやすくなります。運動後の疲労や痛みをやわらげるためにも、ストレッチによるクールダウンは忘れずに行いましょう。ストレッチをする際は呼吸を止めず、痛くない程度に筋肉を伸ばすことがポイントです。

たんぱく質を積極的にとる

筋トレ後にたんぱく質を積極的にとることで、筋肉量を効率的に増やせます。たんぱく質とは、筋肉や内臓などを作っている栄養素であり、人が生きるうえで欠かせないものです。とくに筋トレ後のタイミングにたんぱく質を摂取することで、筋肉が太くなりやすいとされています。

一方で、たんぱく質が不十分だと、筋トレをしても筋肉をつけることが難しくなります。
たんぱく質が豊富な食べ物は、以下のとおりです。

● 肉類
● 魚介類
● 卵類
● 大豆製品
● 乳製品

たんぱく質は普段の食事で不足しがちなので、上記の食べ物を積極的に取り入れるようにしましょう。食事でなかなかたんぱく質を摂取できない場合は、プロテインの活用もおすすめです。

ふくらはぎの鍛え方を学んでたくましい足を目指そう

ふくらはぎの筋肉は腓腹筋とヒラメ筋で構成されており、その総称が下腿三頭筋です。下腿三頭筋は瞬発的な動きだけでなく、バランスや持久力が求められる動作にも関わっています。また、筋ポンプ作用によって血流の循環をサポートする役割もあります。このように、下腿三頭筋を鍛えることで運動場面だけでなく普段の生活にも大きなメリットがあるのです。下腿三頭筋の筋トレを継続して、たくましいふくらはぎを目指してみましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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